ミートギアス 〜筋肉のルルーシュ〜   作:ベルゼバビデブ

84 / 156
この二次創作はフィクションです。実際の団体…以下略ゥ!!


EXTRAINING77 ナナリーinクロヴィスランド

 日本にはブリタニアが支配しているうちに建造し、未だに残る施設が幾つかある。その一つにクロヴィスランドがあった。今では東京クロヴィスランドと名を改め、はブリタニアと日本の友好の象徴の一つとして日本人の多くが楽しむ娯楽地として人気のスポットとなっている。その人気は根強く、最近では東京クロヴィスシーと呼ばれる娯楽施設の建造を予定されているほどである。世界観重視のアトラクションの他にほぼ宙吊りにされ凄まじい速度で回転、逆走、捻りとなんでもありの本格的絶叫マシンまで揃うため、老若男女さまざまな人々から支持を得ているのだ。

 

 そしてこの日、超合衆国は世界の平和の一つとして『娯楽施設の視察』ということで東京クロヴィスランドの貸切が行われていた。そしてそんなクロヴィスランドの中を二つの車椅子が移動していく。

「ジルクスタンではこう言った娯楽施設はありませんからね、勉強になります。」

「実は私も来るのは初めてなんです」

「あれ、そうなんですか?」

 車椅子の主はジルクスタンのシャリオと名誉顧問ことナナリー、ナナリーは脚が不自由な上に、ゼロレクイエムが行われジェレミアにギアスキャンセラーをかけて貰うまでは目が見えなかったのである。そんな訳でナナリーは体験できる娯楽が限られており、クロヴィスランドに来ることはなかった。

「ここクロヴィスランドでは事前に申請をすれば車椅子の方でも殆どのアトラクションを体験できるようにスタッフさんが対応してくれるみたいですよ」

「へぇ、あぁ言うのにも乗れるんですか?」

 シャリオが指を刺したのは所謂ジェットコースターだった。それを見てナナリーは頷く。

「事前に申請をしておけば車椅子から乗り物への乗り降りを助けてくれるみたいです。それに、ここの創設者がバリアフリーを徹底したそうで」

「へぇ…。ブリタニアって確か98代シャルル皇帝の時代は体の不自由な人は切り捨てるような政策をしてたんじゃ無かったでしたっけ」

「…えぇ、でも…クロヴィス義兄様は無視したみたいですね」

 そしてナナリーはそれがクロヴィスなりのナナリーへ謝罪の一つなのだろうと考えていた。もしも生きていてくれたのなら楽しんでほしい、と。結局目が見えず仕舞いだったので今まで訪れることはなかったが。

「早速乗ってみましょうか」

「はい」

 

 早速乗った二人だが、感想は以下の通り

・お兄様より遅い

・僕のナギドシュメインのメギストスオメガの方が早い

 

 …この二人は感覚がズレているので仕方のない話だった。そもそもメギストスオメガは薬剤を使用しての高速移動なので、そんなものとくらべるのが間違いである。それからもアトラクションを一通り経験して行ってはナナリーは兄ルルーシュと比較し、シャリオはナギドシュメインと比べた。きっとクロヴィスが生きていたなら泣いていたであろう。恐らく悲しみで。

 

 アトラクションの他にもクロヴィスランドにはマスコットキャラクターによるパレードなども行われる。代表的なキャラクターはブリタニアの国旗にも描かれるライオンと蛇から取られたであろう、尻尾が蛇になっているデフォルメされたライオンのキャラクター『アームズ レオン』だ。要は着ぐるみだが、軽快な動きや時折発する言葉で見るものを楽しませていた。

『よぉ!俺アームズ、よろしくな!へへっ!』

 そんな馴染みの低音ボイスでの台詞にナナリーは年相応の女の子として喜び、シャリオは娯楽の形に感心していた。

 

 最後に二人が訪れたのは乗り物に乗ってゆっくりと世界観を見て回るタイプのアトラクション。どうやら女の子が執事の格好をしたウサギを追いかけて不思議な世界に迷い込むお話のようだった。白いナイトと赤いナイトが女の子を取り合う為に少し左右に揺られたり、キセルを吸う芋虫が吐く煙…と言っても無害なものであるが…を浴びせられたり…そこでナナリー達はその女の子を見て一つの感想を抱く。

 

 その女の子はナナリーそっくりなのだ。髪色こそクロヴィスを彷彿とさせる明るい金色であったが、顔立ちは幼い日のナナリーに似ている。そしてアトラクションを終えたナナリー達が効いた話ではキャラクターデザインはクロヴィス自らが手がけだのだと言う。

 

「…腹違いとは言え、クロヴィス義兄様も実のお兄様だったんですね」

 

 帰り際、クロヴィスランドの入口にあるアームズ レオンと手を繋ぎクロヴィスランドの創設者として手を掲げているクロヴィスの像にナナリーは微笑んだ。

 




アームズ レオンくんは独自設定です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。