ルルーシュはゼロとしてC.C.と共にガウェインに乗り、紅蓮に乗るカレンと共に黒の騎士団に、旧日本軍メンバーを主とした黒の騎士団に恭順しないテロリストの殲滅に当たっていた。すると、ランスロットに乗ったスザクが現れた。ブリタニアとしてもテロリストの殲滅は仕事であり、このままではテロリストである黒の騎士団に功績が取られてしまう。それを避けるためにスザクが遣わされたのだ。
とはいえ、これはスザクを信頼して任せたと言うよりも、取り敢えず先んじて誰か向かわせる事となった際にスザクなら最悪使い捨てられると向かわせただけである。そして、ランスロットが出動したと言う真実さえあれば後の功績は全てブリタニアのものにできる。
そして唐突だが、ガウェイン、紅蓮弐式、ランスロットの3機は突如発生した謎の空間の穴に引き摺り込まれてしまったのだ…。
※本ストーリーは「コードギアス 〜反逆のルルーシュ〜 蒼穹に散るゼロ」がベースとなったお話です。
目を覚ますと、モニターには見慣れぬのどかな草原が映った。先ほどまで居たところとは明らかに景色が異なる。俺は後ろを振り返りC.C.の様子を確認した。
「…C.C.?意識が無いのか…おい起きろ。」
軽く揺さぶると気が付いたらしい。
「…ここは?」
「分からん。」
ガウェインで探知できる範囲内にナイトメアは確認できなかった…何がどうなっているのやら。とりあえず外気に有毒物質などが無いことが確認できた為、ハッチを開け空を見上げ…ん?
「おい、なんで空に島が浮いてるんだ?」
「なんだルルーシュ、お前でも冗談が言えるんだな」
俺が空を指を刺し、つられてC.C.も空を見た。そして驚いたように目を見開く。
「…おいルルーシュ、なんで空に島が浮いてるんだ?」
俺の質問に俺と同じ質問で返すやつがあるか。それに風の匂いや湿度、雲の形に植生を見るとどうやら日本では無い様だ。そもそも地球ならば空に島が浮いているはずなど無い。フロートシステムという線もあるが…確認しようにもガウェインのエナジーは残り20%と心もとなかった。
「…その様子だとガウェインを使って探索…と言うわけには行かなそうだな」
俺はC.C.のその言葉に首を振った。
横に
「うん?もうエナジーは無いのだろう…?充電できる見込みもなしに…」
俺はあるものを取り出した。
「…それは?」
「こう言う時のためにラクシャータに作らせておいた手回し発電機だ。こいつを俺の全力で1時間回せばフルチャージが可能だ。」
「こういう時ラクシャータを称賛すべきかお前の筋肉を誉めるべきか判断に困るな」
それはもちろんラクシャータだろう。俺はシステム…ようはソフト関連ならそれなりに疲れるがハード系はからきしだ、1時間全力で発電機を回すにも準備が必要だ。それが、食事と水分。発電するにはそれなりに何かを消費する必要があるのだから当然である。エネルギー保存の法則というやつだ。
すると、ガウェインのセンサーが熱源…人間を数人感知したらしい。
「これは好都合だ。向かうとしよう」
ガウェインで空を駆り、熱源に向かうと、どうやら女性が甲冑姿の人物達に追われている様だった。
ガウェインの操縦をC.C.に任せ、ガウェインから飛び降り、女性と甲冑姿の人物達の間に降り立つ。
「た、隊長!空から変なやつが!」「なんだァ…てめェ…?」「なんだその筋肉、肩に騎空艇でも乗っけてんのかい?」
どうやら甲冑姿の人物達は男の様だ。しかし言語が通じるのはなんとも不思議だ。女性の服装や顔、男達の鎧の感じから過去のブリタニアの洋式とも異なる。まさか異世界などというものがあるかはわからないが…ギアスなんてものやCの世界なるものがあるのだ。異世界だってあったところで不思議はない。とりあえず俺は女の方を見た。
「"なぜ追われている?お前は悪人か?"」
「…理由は分かりません。突然追いかけ回されました。私は悪人ではありません…」
と答えてきた。その朦朧と質問に答える様子にギアスの効果を感じる。どうやらギアスは正常に作用しているらしい。ありがたいことだ。
「ではお前たち、何故この女を追っている?」
「チッ、面倒な野郎だ。やっちまえ!」
振り下ろされた剣を腕で防ぎ、兜ごと顔面をぶん殴る。殴られた男は吹っ飛び、近くの岩に激突した。
「…?お前今何した?」
「何って、剣を筋肉で弾いて兜ごと人間を素手で殴っただけだが?」
「魔法の類か!?」
…魔法?なるほど、この世界には魔法とやらがあるらしい。取り敢えず男達は3人、話は最後の一人に聞けばいいので鎧ごと腹をブチ抜き気絶させる。
最後の一人に関しては降伏してきたので武装解除し鎧兜を脱がせた上で話を聞くことにした。女の方は先に帰ってもらっている。お陰でこの世界の事はおおよそ理解することができた。空に島が浮いてると思っていたが、なんと今自分が立つこの地面も空に浮いているらしい。更に文明のレベルからして機械などの概念はあまり浸透していないようだ。…手回し発電があって正解だったな。
女が向かった先に町があるのだろうと思い、C.C.と二人で向かうことにした。道中謎の生命体…甲冑の男の話ではこの世界に多数存在する魔物と言う生き物らしい…に出会ったが、拳で殴ったら逃げたので問題はないだろう。
一度、ガウェインを草葉で隠してから俺達は街へと向かった。街に着いたので取り敢えず飲食店に入り栄養を補給することにしよう。
「…おいルルーシュ。お前、支払いはどうするつもりだ?まさか店員を殴って食い逃げなんて…」
「食い逃げ?そんな犯罪犯すはずがないだろう。金ならある。」
俺は甲冑の男達から迷惑料として財布を拝領していたのだ。これで食い逃げにはならない。
「…カツアゲも犯罪だと思うがな」
そう言うC.C.だが、店員に渡されたメニュー表を受け取るとなんの遠慮もなくメニュー表を開いていた。
「…ルルーシュ、文字が読めない」
「…言葉は通じたから文字も通じてると思ったが…異世界はそう甘くないか」
一応俺もメニュー表を覗いてみたが、俺にも読めなかった。仕方が無いので店員を呼び出し、事情を説明してメニューを選ぶ事にした。
「あの、すみません」
「はいはい〜」
俺の呼びかけにやってきた店員の背はかなり低い。1mもない背丈に童顔、思わず子供かとも思ってしまうが恐らく彼女が「はーゔぃん」なる種族の人物なのだろう。
「実はこの国の文字を我々は読めなくて…」
「おやおや〜これは困りましたね〜。ではどんなものをご用意致しましょうか?」
するとC.C.に体を叩かれ、そちらを向くとどうやら指を指しているようだった。視線をその先に向けると蒼い髪の少女が美味しそうに何かを食べている。
「はわわ〜!シェロさんのお店のキノコシチュー美味しいです〜!」
…ふむ、キノコシチューか、いいだろう。きのこは低カロリーな上に栄養素がたっぷりだからな。
「彼女が食べてる…キノコシチューを二つお願いします」
「かしこまりました。シェロちゃんにお任せを〜」
すると、蒼い髪の少女と同じテーブルに新たに二人の人物が腰を掛けた。
一人は赤と青の目出し帽…というより覆面だろうか?を被る俺並みの筋肉を持つ男…マントの下にはパンツらしい履物以外は身につけていないようだ。…少女の様子から知り合いなのだろうが…犯罪者じゃ無いよな?
そして同じようなガタイのもう一人は…いや、一人、人…?人なのか?こちらに向けている背中には羽らしきものが見えるが、あまりにも矮小だ。それに…うむ、尻尾があるな。全身オレンジだし…。というか何も着てないし履いてないな。どうやらこの世界には秩序というものはないらしい。すると、彼らにこちらのことがバレてしまったようた。
「なんだぁ?オイラ達をそんなにジロジロ見やがってよぅ。オイラは見せもんじゃねぇ!」
「…済まない、そこの彼女が余りにも美味しそうにシチューを食べていたので」
「はわっ!?見られてたんですね…恥ずかしいです…」
よく見ると彼女の机には…シチューの皿が…あー…10皿はあるな。どうなってるんだ…?胃袋…。俺のチートデーより食べてるんじゃ無いだろうか。そして目出し帽の男は俺のもとまで歩いてくると手を差し出してきた。握り返すと彼は空いている手でサムズアップし
「ナイスバルク」
と言ってきた。その言葉に俺もサムズアップで返し
「ナイスバルク」
と答えた。
すると、先程の店員がシチューを持ってきたようで、俺たちの近くにやって来た。
「おや〜?グランさん、もしかしてまた依頼でも受けたんですか?」
…依頼?彼はもしかして騎空士とやらなのだろうか?魔法や魔物のいるこの世界には何でも屋のような存在が有る…それが騎空士、浮いた島と島とを騎空艇なる空飛ぶ乗り物で移動して人々を助ける…要は正義の味方だな。
「いえ、まだ何も依頼はして無いんです」
「そうなんですね〜。でもまだって事はこれからされるって事ですね〜。それではごゆっくり〜」
そうして彼女はシチューを置いて店の奥に消えた。俺とC.C.は自分の分のシチューを持ち、彼らと同じテーブルに着く。
「俺の名前はマッスル、彼女はグレーテルだ。実は困ってることがあって、ここであったのも何かの縁…って訳で依頼をさせてもらいたいんだが、良いだろうか?」
俺が困っているという話をしただけで蒼髪の少女…自己紹介ではルリアと名乗っていた…はグランと呼ばれたマッスルガイに「力になってあげましょう」などと言っているあたり、彼らは恐らくお人好しだろう。そんな彼らに偽名を名乗るのも少し憚られたが許して欲しかった。
こうして俺達はグランを団長とする騎空団と行動を共にし、騎空艇「グランサイファー」に乗り込むことになった。
「なぁなぁ、お前らと一緒に積み込んだ黒いゴーレムだけどよぅ」
声をかけてきたのはグランの相棒のビィ。グランと共に修行を積んでいる間に今のような姿になった自称ドラゴンだ。俺がイメージとして知ってるドラゴンとはかなり風態が異なるが…まぁ、そういうこともあるのだろう。多分。
「黒いゴーレム…あぁ、ガウェインのことか」
「それそれ、実はよぅ、うちの団にも居るんだぜぃ」
「誰が?」
「ガウェインって名前の奴がだよ!いつも仮面してて仏頂面なんだぜぃ!」
まぁ、この世界が異世界とはいえ…そう言うこともあるのか…?…。まさかとは思うが…
「なぁ、もしかしてこの団にランスロットって奴は居るか?」
「お?なんで知ってんだ?もしかして知り合いか?」
「いや…知り合いではない…」
…。
異世界って…不思議だな!
「コードギアス 〜反逆のルルーシュ〜 蒼穹に散るゼロ」が(グラブルとのコラボ)が原作ならクロスオーバーにならないのでは?(トンデモ理論)
クロスオーバータグつけちゃうと語弊が出る気がするんですよね…。
●登場キャラクター紹介●
・グラン
ルルーシュ達が世話になる騎空団の団長。年齢はまだ10代半ばほどだが、ルルーシュの如きマッスルガイ。マントとブーメランパンツのような格好にレスラーのマスクを着用しているものの、素顔は普通にイケメンの部類に入る。寡黙だがお人好し。
・ビィ
グランの相棒にしてライバル。幼少期に両親と離れ離れになったグランの代わりに常にそばに居続けた自称ドラゴン。元々は40センチほどの体長だったが、グランと共に鍛錬するうちにいつのまにかグランと変わらないマッスルガイ(?)に成り果てていた。一人称はオイラ。
・ルリア
グラン達と行動を共にする大食い女。調子がいい時は自身の体積の倍以上の肉塊を胃袋に収めた。蒼く長いストレートヘアに、割と際どいミニスカートな上に若干透けてる白いワンピースに身を包み、足場の悪い崖だろうが、岩山だろうが、鬱蒼とした森だろうが、じめじめとした沼地であろうが、灼熱の大地だろうが、砂漠だろうが、猛吹雪の極寒の地だろうが裸足で歩く強靭な足の裏の持ち主。故に彼女は心のマッスルウーマンである。
・シェロカルテ
大人でも身長が1メートル程度という種族「ハーヴァン」の成人女性。よろず屋を営んでおり、人の斡旋や武器の製造販売、道具の製作販売、物品交換、人身売買、密航、飲食店経営などその事業は多岐に渡る。
噂では彼女に逆らった島が一つ地図から消えたとかなんとか