ウマ娘。それは周囲の想いを背負って走り抜く生き物である。そんなことを考えながらあらゆるレースを走っているウマ娘がほとんどだと思う。私、「シルヴィレア」もその1人だ。だが、そんな私は少し変わり者だった。
求めているものが勝ちたいという気持ちではないのである。
もちろん勝利への欲望がないわけではない。当然、勝ちたいという気持ちはあるし負けたらそれなりの悔しさも感じる。しかし、それ以上に走り続けたいという気持ちの方が強いのだ。
ウマ娘は平均で5年、長くても6年で引退してしまう。怪我だったり成績不振だったり燃え尽きだったりして理由はさまざまだ。しかし、私はそんな僅かな年数では我慢できなかった。最低でも8年、欲を言えば10年走り続けたい、レースに出たいと考えているのだ。
私は自分が入学する予定のトレセン学園はそのための肉体を作るところだと考えてきた。
「まーた難しい顔してるよ、シルちゃん」
隣から声をかけてきたのは、幼馴染であるマヤちゃんことマヤノトップガンである。ずっと友達としてライバルとして競り合ってきた彼女と入学式に向かっているところだ。
「ごめん、マヤちゃん。これからが楽しみでもあり不安でもあって」
「楽しみは分かるけど、不安?」
「うん。自分の走りが通じるかどうか気になって」
マヤちゃんは私の言葉ににこやかに答える。本当に可愛いなあ、この娘。
「大丈夫だって。シルちゃんの凄さはマヤが保証するから」
「ありがと、マヤちゃん。あ、そろそろ始まるみたいだよ」
音楽が流れ、ようやく入学式が始まった。理事長挨拶、シンボリルドルフ生徒会長の挨拶と続いていく。自分は上の空で聞いていたが、少なくとも歓迎してくれていることは分かった。マヤちゃんは少し船を漕ぎつつあったが。
それにしてもさすがクラシック3冠を含むGⅠ7冠の生徒会長だ。威厳に溢れていて惚れたりするウマ娘もさぞ多いに違いない。かく言う私も微かな憧れの念を抱きつつあった。
その後、新入生挨拶も終わり入学式は幕を閉じた。体育館から出たのちマヤちゃんが聞く。
「シルちゃんはこれからどうするの?」
「どうするって言ってもなあ……。とりあえずはデビュー戦で勝って、早く重賞獲りたいかな。マヤちゃんは?」
私がデビューを急ぐのには事情がある。私の適正である中距離以上の未勝利戦は数が少なく、早いうちに勝っておかないと不得意なマイル戦に出ざるをえなくなってしまうからだ。
「マヤはまだ考え中かなぁ。そうだ、シルちゃん。寮の部屋割り聞きに行かない?」
「そういえばトレセンは寮が分かれてるんだっけか」
さてどうしようかと思っていたら、後ろから声をかけられた。
「君たち、新入生だよね? 少し時間あるかい?」
私たちが振り返るといかにもカッコいい雰囲気を纏ったウマ娘がいた。
「えっと、あなたは……?」
「私はフジキセキ。これから君たちが所属する栗東寮の寮長をやっているウマ娘だよ」
そう彼女は言って私たちにプリントを手渡した。どうやらそこに部屋割りが書いてあるらしい。
私はマヤちゃんと同室になるのだろうと思っていたら、彼女の同室にはトウカイテイオーという名前が書いてあった。少し残念と思いつつ自分の名前を見つけるとその隣には……。
ナリタブライアン。
のちに私の憧れとなる三冠ウマ娘の名前が書かれてあった。
口調が分からない……
もっとしっかりキャラを知りたいと思います
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