――幻想郷。
そこは妖怪や魑魅魍魎が跋扈し、神々が自ら信仰を集め、人がそれらを畏怖する世界。
私達が住む世界とは境界一つで仕切られているだけで、密接な関係がある世界。
しかし、それでも実際に知り得ることはできない(例外を除き)世界。
幻想郷には様々な有名人がいる。
嘗て妖怪の山を仕切っていた、『山の四天王』と呼ばれた鬼達。
幻想郷の管理者であり、創造者である、『妖怪の賢者』と呼ばれるスキマを操る妖怪。
幻想郷の片隅、『太陽の畑』にて花と共に過ごす、
『四季のフラワーマスター』と呼ばれる花を操る妖怪。
一人一人言っていけばキリがないほどに、いる。
そして、誰もが考える通り、その有名人のほとんどが人ではなき者だ。
しかし、その中に一人、明らかに異質な者がいる。
種族:人間
能力:空を飛ぶ程度の能力
二つ名:楽園の素敵な巫女
備考:幻想郷上位の実力、妖怪に対して無慈悲
名は―
『博麗霊夢』
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『天高く馬肥ゆる秋』。
簡単に言うと、秋の過ごしやすい気候のことである。
この言葉は実際正しい。
気温も丁度よく、作物は稔り、川からは魚が取れる。
山は紅葉で紅く、染まる。
生活もしやすく、風情がある。なんと完璧な気候なのだろうか。
しかし、時は進むのだから、当然秋も長くは続かない。
現在12月9日。
既に秋は終わりを告げ、秋を司る二人の秋神も元気をなくした。
それと同時に冬を司る妖怪が長い眠りから覚め、彼女の能力により冬が訪れている。
気温は下がり、もう秋の服装では厳しくなってきた。
人々は(妖怪もだが)、少しずつ服装を変えていくだろう。
しかし、そんな中でも服装を変えないものがいる。
人里から離れた山にある寂れた神社。
いつだってそこに参拝客はいなくて、静寂に包まれている。
それらの要因は廃墟かもしれないという予想すらさせる。
しかし、境内は綺麗に掃除されていて、掃除した後に落ちたのであろう落ち葉が幾らかある程度だ。
そこから誰かいるという結果までは辿り着ける。
しかし、そんな考えを巡らす必要は少したりともない。
この神社の住人は幻想郷ではあまりにも有名で、知らないものなどいないからだ。
神社の裏から寒そうに身を縮めながら小走りで境内に向かってくる女性が一人。
その女性の服装は冬に着るような代物では到底ないほど露出が多いもので、寒そうにしているのも頷ける。
そのまま彼女は賽銭箱へと向かい、ゆっくりとそれを開ける。
そして、開けるのと同じように、ゆっくりと中身を覗く。
それと同時に彼女の表情は疲れ果てたかのような表情に変わる。
彼女はポツリと呟く。
「賽銭なしか··············」
彼女の名は博麗霊夢。
幻想郷の有名人の一人である。
久し振りの投稿です!
一応転生者の後釜です。