或程度話が進めば、番外編でいろいろな日常回を書きます。
その時にでも恋愛模様を書いていこうかな、と思ってたり思ってなかったり。
side:ベル
『かんぱぁ〜〜〜いっ!!』
五つのジョッキがコンっと音をたて、それぞれの飲み物の雫が舞い上がる。
《ロキ・ファミリア》結成から早数年。あの時のようなギクシャクとした雰囲気、連携は見る影なく、今ではなかなかいい間柄になっていた。
また、種族間の問題も少なくなっている。やはり死線をくぐり抜けてきたことが大きいのだろう。
僕もなかなか危なかったものだ。守護を放棄すれば能力激減というスキルを逆手に、自身に枷をかけた。やはりと言うべきか、思うように動けなくて『お前が護られてどうするんだ!?』と怒鳴られたことは今となっては懐かしい。
そして未だ五人(一人は神)なのは《ロキ・ファミリア》自体の団員が増えていないからだ。ロキ様が、上の立場に立つもんの仲が悪かったら他の奴らにも影響するからな。と色々配慮していたらしいのだが、大きな原因としては、僕達四人が悪目立ちしていたというのがある。多分ファミリアに入りたいと思っても、この四人の間には入りたくなかったのかもしれない。
おかしい...何故僕も含まれている?
こんなことを言っているが、ベルもその一人だということを忘れてはいけない。
「いや〜、やっとLv.2になったなぁ。それも四人同時に。正直ベルは『ランクアップ』するんか?って懸念しとったけど、安心したで」
「ベルはいろいろと特殊だからね。スキルの影響で能力が激減してるのに、インファントドラゴンを一撃撃破したときの威力といったらもう驚いたよ。元々の能力が計り知れないな」
「いや、あのときは激減してなかったよ」
先日11階層に降り立ち、上層の実質的ボスであるインファントドラゴンの討伐にかかった。基本的には三人だけで戦い、たまに僕がサポートに入るというスタイルだった。
そしてようやく討伐に成功しお互いを労っていると、新たなインファントドラゴンが出現した。三人は疲労困憊気味だったので僕が請け負うことになった。
そうしたら''護る''という行為になったためか、能力が戻り更に補正がかかり、激減中の癖で強く剣を振り抜いたらオーバーキルしてしまったのだ。あのときの僕ら四人の?顔と言ったら傑作だっただろう。
「どちらにしても規格外なのは変わらんわい」
「ああ。特にベルが《アーツ》と呼んでいる技能に関してだな。教えてもらっているが、全く理解出来ん」
「僕も何となくでしてるから説明が難しいんだよね。それにあれを身につけるのに数百年はかかったから、一朝一夕で身につくもんじゃないよ」
「はなから期待はしてないからね、問題ないよ。あんなもの、簡単に身につけられたら苦労しないさ」
小さく笑うベル達。酒に食がドンドンすすんでいく。
「それで、これからどうするんだい?そろそろ団員も増やしていかないとダメなんじゃないか?」
「入団したいっていう話は聞くんやけどな、アンタら四人の中に入りたないっていう話もあんねん。そこんとこどう思う?」
僕らは一斉に視線を逸らした。正直心当たりはあるのでなんとも言えないのだ。
「ま、気楽に行こうや。自分らはまだまだ未熟やしな。急がんでもこのままいけば入団希望も溢れに溢れてくるわ」
主神がそう言うならいっか、と一時保留し、宴に騒いだベル達。
ちなみに余談だが、誰が一番飲めるか勝負にて、ベルが優勝したことを追記しておこう。
「ふっ...僕は状態異常耐性が高いのだよ。....酔い潰れたい」
酔いつぶれている三人と一神を見下ろしながら、気を落とし切実にそう言葉を漏らす姿も追記しておこう。
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嬉しいことに少しずつ増えてきた団員。増えたことにより食住を補えきれなくなり、この期にある程度大きい男女別の連結した屋敷を購入した。
これは仮屋敷で、ちゃんとした館を現在考えている。
そして先日、僕達四首領(なんか新人に呼ばれてた)はまたまた同時にランクアップを成し遂げ、Lv.3になっていた。
まぁ、Lvが上がったからといっても、それぞれ新たな魔法を覚えたりスキルを獲得したりするぐらいで何もなかった。また宴を開いたくらいだ。
新人育成に精を出しつつ、たまに四人でダンジョンに潜るをくりかえす日々。ホントに楽しくて仕方がないのだが、厄介なこともあったりする。
その筆頭が...
「『
「っ!?散開!!」
その詠唱が聞こえた瞬間、すぐ様身を投げる僕達。ゴロゴロと転がり、直ぐに起き上がって元凶を睨む。
「だから毎回毎回不意打ちで魔法を放たないでって言ってるよね!さっきのはホントに危なかったよ!?ねぇ聞いてる、アルフィア!?」
視線の先には、質の良い灰色の髪を持ち、その美貌はまだ幼いながらも完成している。また特殊なことに、目を開けるのも億劫と常に目を閉じている少女。
当時フィンの半分にも満たない年齢で、僕たちよりも後に冒険者になったというのに、既に僕達を超えるLv.4に到達している才女。世界最速ランクアップはまだ記憶に新しい。
アルフィアと初めて顔を合わせたのは、アルフィアがLv.2になった頃。
出会いのきっかけは、ゼウス様の自慢だった。所属は《ヘラ・ファミリア》なのに、自分の子供のように話している姿はあまりにもゼウス様らしく、苦笑した。
そのときからかな。こうやって目の敵にされたのは。
聞かされた自慢話に対して『まだ小さいのに凄いね』と褒めたら、気に触れたらしい。滅法機嫌が悪くなった。周り曰く、''子供扱いされた''から怒ってんじゃない?とのこと。どうしたらいいか分からなくなった。
それからも、実際、見た目も年齢もまだまだ子供なので、無意識のうちに''そういう''接し方をしてしまっていたらしく、とうとう機嫌を損ね、攻撃を仕掛けるようになってきた。
最初の頃は可愛げがあった。仕掛けられても簡単にあしらえるし、そのときに、からかって頭を撫でてやれば怒ったり拗ねたりするのが。
だけど、最近はただの厄災だ。厄介な魔法に飛び抜けた戦闘能力。もう触れることさえできない。
僕も超短文詠唱魔法欲しいぃ....
「ふん...ならば私を子供扱いするのはやめろ」
「子供扱いされてるって気にするあたり、まだまだ子供だね」
「『
「ガべしっ!!」
有無を言わさぬ殺人級の速攻魔法。直撃は避けたが、余波を受ける。
あぁ〜、頭がガンガンする。もし、激減状態だったらただじぁ済まなかったよ。まぁ、何度も受けてるから慣れてるけど。
ベルは避けようと思へば簡単に避けれる。もともとの能力もさることながら、《アーツ》もある。
余波を受けるのは言ってしまえば、普段モンスターの攻撃を食らうことがないので、耐久を上げるのに絶好のチャンスだからだ。
いつの日か「何故避けないの?」とフィン達に聞かれた際、このように説明したら引かれた。
今も三人は『ああ...また受けてる...』と呆れた目でみてくる。
「ねぇ、ベル知ってる?ベルって一部の人達に『受け』って呼ばれてるんだよ」
「どういうこと!?」
突然のあまりにも衝撃的な話に目を剥いた。フィンはニヤけた顔で続ける。
「その人たちは、攻撃の『攻め』の反対語は『受け』(守り)になっているらしい。今のベルみたいだね!」
「ぐはっ!!」
僕は膝から崩れ落ちた。耐久値を上げるため、良かれと思ってしていたことがまさかそんな風にフィン達に見えていたとはっ!?
「その人たちはまだ、今のベルを見てないからただ言ってるだけだけど、これを見られたら...動き出すよ?」
「.....」
のわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!もう絶対しない!!次からは絶対避ける!!見えない恐怖に
「ベル、貴様、自身の愉悦の為にわざと食らっていたのか?」
「ち、違っ!?誤解だよ!!」
僕を見下ろすアルフィアの瞳には、まるで屑ゴミや這い回る蟲を見る侮蔑が映っていた。
おぉ...やっぱりオッドアイかっこいい...
「この変態が....よかろう。そんなにお望みならば存分に食らわしてやる」
「まっ!待って「『
殺人級速攻魔法が直撃する。そして、勢いよくぶっ飛んでいったベル。
三人が慌てて安否を確認した際、あまりにもズタズタだったので『コイツ死んだんじゃね?』と1周回って冷静に考えてしまったらしい。
「ちょっとタイミングが悪すぎたかな...」
「考えれば分かるじゃろう。ホントお主らは見た目通り子供やのう。じゃから、ショタランキング1、2位を二人して飾るんじゃよ」
「今それ関係ないよね!?」
「フィン、お前が話した先程の話に続きがあるのを知ってるか?」
「え?いや、知らないな」
「そ奴らは、そういう話なったときその相手も妄想するらしい。良かったな、フィン。ベルの相手はお前だぞ」
「なん...だって...?」
もう一人、衝撃的な話に崩れ落ちた者がいた。
「...あの...呑気に、話してないで...助けて...」
『...あ』
早急に措置に取り掛かった三人。ベルは危篤な状態なのに、忘れられていた事実に二つの意味で(血)涙を流した。
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ベル
Lv.3
力 :I 0
耐久:I 0
器用:I 0
俊敏:I 0
魔力:I 0
幸運:I 0
幸運:H
魔道:I
《魔法》
【テア・オルディナヘイム】
詠唱式:
『我に与えられしは恒久の
・超広範囲防護結界魔法
・防護結界内いる者を持続的に治癒する
・全ての攻撃を遮断、反射する。
・魔力が無くなり次第、寿命を魔力へと変換する。
【レジナ・サン・ガウェスト】
詠唱式:
『
・長文詠唱広範囲殲滅魔法。
・『護る』の対象者には効かない。また、属性付与する。
・魔力が無くなり次第、寿命を魔力へと変換する。
《スキル》
【
・仲間を想うほどステータス中補正
・仲間を想うほど獲得経験値中
・守護放棄すれば能力激減
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これは、アルフィアがLv.3になった頃の話。
「首尾はどうじゃ?」
「ああ、上々だな。あれは、かなり意識してる」
とある夜、テーブルに一つの灯りを宿し、コソコソと話す二人がいた。
一人は、大神ゼウス。もう一人は、名をザルド。
「ダンジョンに行くたびに、さりげなく探しているところが見られる。一瞬のことで分かりにくいがな」
「ほほぉ...それは可愛いものじゃ」
「こんなにもアルフィアが他人に興味を持つのは珍しい」
「そうじゃな。ベルには感謝せんと」
アルフィアがベルを見つけては魔法を放ったり心を抉ったりと、他には見せない姿を見せるので、これは何やら面白いことに!と内々で騒いでいるのだ。
特に、仕掛けたはいいものの、簡単にあしらわれれ.からかわれて怒ったり拗ねたりする姿を見たときは、より一層話が弾むものだった。
「あ、そうそう。今日は頬っぺをムニムニされてたぞ。ときたま、ベルさんのからかいが過ぎるから、あとの対応に困ったぜ」
「いいぞ、ベル。もっとやるんじゃ!」
この秘密の語りは、アルフィアとベルと関わりが深くある《ゼウス、ヘラ・ファミリア》の男性で構成されている。
だが後に、アルフィアにバレてしまい、魔法の餌食になったことは言うまでもないことだろう。
そして、何故かベルにも八つ当たりが行われたことも追記しておく。
「因みに、ヘラはベルが相手なら歓迎と言っとったぞ」
「ヘラ様公認か...式はどうする?」
「ここなんて良いのではなかろうか」
尚、この話もバレてしまい、半殺しにされたのは言うまでもない。しかし、そこに慈悲があったらしい。もしされてなかったら...言わなくても分かるだろう。
ありがとうこざいました。
第五話からゆっくりストーリーが進んでいくと思います。多分。
次話は二つ目か三つ目の0時頃に出します。
次回、壊滅と神会
では、さようなら。