俺は仕事の内容を知らない   作:kagemin

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あくまでも夢の話

私は何の話か分からず混乱した

この人は何言ってるのだ?

夢の話とは?

将来の夢?それとも眠った時に見る夢?

 

私が混乱してると彼女は話しはじめた

 

「私に29歳の息子が居ます

息子はアルバイトで県外に行くと言って家を出ました

その後警察から電話があり息子が釣りをしていて波にさらわれたと・・・

ちなみに息子は釣りはしません

アルバイトに行くと言っていたのにおかしな話です

私は息子に何があったのか知りたくて自分でいろいろ調べたのですが分かりませんでした

そこで私の知り合いに勘の鋭い人がいるので相談してみるといいと聞きその人と会って話をしました

その人が言うには今日エトランゼという喫茶店に行きカウンター席に

座っている人に夢の話を聞いてくださいと言われここに来ました

息子の名前は柳田隆一です」

 

私は彼女用にコーヒーを頼み今朝の不思議な夢を思い出し彼女に話をした

 

彼女は話を聞きながら何か考え込んでいるのかボーっとしたり私の話を聞いているのか聞いていないのか分からない態度だったが構わず話をつづけた

 

私は一通り話を終えてこれはあくまでも今朝みた夢の話ですと付け加えると彼女はゆっくり頷いた

 

「息子はまだ見つかっていません。届いた荷物に60㎝くらいの金属棒がありました」

そう言って柳田さんはコーヒーを一口飲んだ

 

私は何を言っていいのか分からず無言でトーストを食べた

 

もしこの話をしたことで私が事件の関係者と思われるのは困るな、

早まってしまったかと思っていたら柳田さんは

「小説のような話で面白かったです。ありがとうございました。

うちの息子とは無関係な夢の話だと思います」

 

私は顔に出ていたのか柳田さんに気を使わせてしまった

そう思い柳田さんを見ると彼女は涙を拭いていた

 

「ごめんなさいね、あなたの話を聞いていたら息子を思い出してしまって。

歳をとると涙もろくなっちゃって」

 

私は今まで無感情だったが柳田さんの泣いている姿を見ると急に胸が苦しくなった

 

「まだ息子が死んだと決まってないのに涙が・・・」

 

私は彼女になんて言っていいのか分からなかった

息子さん早く帰ってくるといいですね、なんて簡単に言えない

 

柳田さんは「今日はありがとうございました」と言って紙の手提げ袋を渡され私の分の伝票を持ってレジに行った

 

私はこういうときなんて言えば分からなかったが「こちらこそありがとうございます」と何とか言った

 

柳田さんは素早く会計を済ませこちらを見て手を振った

 

私は頭を下げ顔を上げると柳田さんの姿はもう見えなくなっていた

 

紙の手提げ袋の中身を確認すると個別包装されたクッキーが入っていた

 

 

 

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