ありふれないクラスメイトと平行世界のクラスメイトのトータス入り 作:ユラシ仮面氏
太陽の光と同じく、直視すれば目の網膜が一時的にダウンする激しい光に覆われてしまった。目を開けども、見える景色は直射した光の影響で真っ白に写っていた。
(つうっ一体何が…!?)
謎の陣の出現と光。その2つをつい30秒前に味わったハジメは、チカチカする目が回復したのを皮切りに真っ白だった景色に、インクで彩られる様に徐々に色が与えられた。
「ココは…?」
今自分が立っている場所は屋上の床から一変し、鉄筋コンクリートから大理石の床へと踏み締めている床が変わっていた。勿論床の素材だけでなく、場所自体も移り変わっており、屋上から大理石で囲まれたフロアにチェンジしていた。
「っ…」
無論、ハジメはこんな部屋に見覚えはないし移動をした覚えもなかった。
動揺を押し殺しながら周囲を見渡すと、ハジメのクラスメイト達もハジメの様に、大なり小なり戸惑いと動揺を隠せない様子(感情を出せない光輝は例外)だった。
「鈴の原稿用紙がぁ!?何処ぉ!?マジで編集さんに提出遅れたら殺されるぅぅぅ!!」
鈴が完成した筈の原稿を探し回り、見つからない事が分かるとムンクの叫びの様な表情で「殺されるぅー!嫌だぁ!!まだ鈴、書きたいストーリーやキャラ達が沢山有るのにぃぃ!!」と叫んでいた。
「この突然の場所移動で怖がっただけなのに…この快感…!!」
頬を赤らめて、重吾はまた派生した新たな
「もうヤダこの変態ゴキブリ…」と周囲の生徒達は顔を顰めて、泣きそうな心情を他の皆とシンクロさせている。
「わっ我のジャッジメントチェーンが無いィィィィ!?諭吉を消費して、やっとの思いで召喚したのに!」
説明しよう!ジャッジメントチェーンとは、HUNTERHUNTERのクラピ○氏の持つ鎖であり、一部の中二病が欲しがっているアイテムなのである!
因みに、そのジャッジメントチェーンの為だけに信治は諭吉を2枚も使った。
「ハァッ!?信治テメェ、また新しいの買いやがったのか!?しかも諭吉って、そんな大金何処から…ハッ!最近バイトに手を出したと思ったら、無駄遣いグッズの散財の為だったのか!」
良樹は最近、信治のお袋さんから「ウチの息子が急にバイト始めたんだけど、心当たり無いかしら?」とライ○で聞かれたので疑問に思っていたが、今解き明かされる。
「断じて無駄遣いでは無いぞ良樹よ!人々も己の欲望の為に、漫画やアニメという娯楽に諭吉を使用するだろう!?それと同じで、とても重要「問答無用!ロシアン十字固め!」待てぇ、話せば分かっグェェェッッッ!!!」
言い訳を口から放つ信治に反省の色なしと見て、良樹は信治の右肩をロシアン十字固めで痛め付ける。
ギブを必死に訴える声も無視し、関節が外れるギリギリまで伸ばしに掛かられた信治も流石に反省し、後日信治は(諭吉は一枚だけの召喚にしよう!)と反省しているのかよく分からない心掛けを覚えた。
「こっ光輝君、僕とっても怖くて…側に居させて?」
恵理が強張った表情を見せながら懇願する様は、中々絵になる光景だ。しかしハジメや演技系の個性が強い生徒が見れば「演技臭い」と言うだろう。
「うん、良いよ。ソレで恵理が怖くならないのなら」
無論、そんなのを知る由もない光輝は、懐に仕舞っていたお陰か一緒に転送されていたOKと書かれているプラカードを見せ、恵理を自分の右肩に寄せる。
「あっありがとう…」(あー、光輝君の匂いが身近に…駄目だ、朝飲んだばっかなのに血液が、光輝君の一部が欲しくなってきちゃった♡)
訂正。コイツラは不測の事態でも、まだこの程度では普段のテンションのままだった。しかも一部は、この状況を利用してイチャコラをしだす始末。…爆発しろ。
「こんな状況でもイチャイチャっておかしくない!?ホラー映画だと真っ先にやられるバカップルじゃないかよぉ!!ウギギギギッギギィ゙ィィィィィィ……ッッ!!」
最早、何を言いたいのか支離滅裂。ハンカチを噛みながらありったけの感情を乗せて奇声を発する昇は、狼顔負けの叫びとうねりを上げていた。
「落ち着け昇ぅう!!そんな事したら周りの女子にドン引きされて恋愛も上手くいかねぇって!!」
明人がその尋常では無い様子の昇を必死に掴んで口元を塞ぎ、既に手遅れだが周りに聞かせてはならない叫びを覆い隠そうとする。
「みっ皆〜!今の昇は正気じゃないだけだからこの姿は忘れてやってくれ!コイツ後で自分の行動後悔するタイプだから!!昇が憤死しかねない!!」
淳史は謝り倒す勢いでクラスの皆に昇への配慮を求め、別の意味で慌てている様子しか見せない。
「ハジメ君…どこぉ?どこなのぉ?」
因みにハジメと一緒にこの部屋に転送された香織は、同じ部屋に居るには居るが、何故か微妙に位置がハジメと違う所に転送された。
ハジメを見つけるまで香織は、棒アビスの探窟家である不動卿が見せる目鼻口が真っ黒になった表情で、不穏な雰囲気を漂わせながら捜索していた。
「ヒィィィィ!??化け物ぉぉぉぉぉぉ!!!」
「神様助けて!!普段、別に神様なんて一ミリも信奉してないけど、今回だけ哀れな子羊である私を守り給えぇえ!!!」
「たっ食べないで下さいぃぃ…!」
なので、ついでとばかりに周りのクラスメイトのSAN値は削られて行き、転移という非科学的な現象ソッチのけでぶっ倒れかける事態に突入している有り様。
「なんと…」
すると老人特有の低い声でありながら、よく頭に響き渡る人当たりの良さそうな声が聴こえてきた。視線を移すと法衣を身に纏った老人や他の法衣を来た男女がハジメ達を見て、誰からも分かる位に喜びで表情を変化させていた。
「ん?あの爺さんの後ろに居る連中が着てる格好って、俺達の高校の制服じゃねぇか?」
その後ろにはハジメ達と同じ年代の男女全員が、同じ高校の紋章が貼られているブレザーを着ていた。
目敏く最初にその事に気が付いた龍太郎は、普段から筋肉観察という謎の観察を取る男なのだ。だから微細な変化も見逃さない彼の指摘に、周りの生徒の視線も自然と相手の格好に移っていく。
「確かに…でも、向こうにいる顔触れに見覚えが有るんだけど…イヤ、有りえないわよね。他人の空似よ」
雫が老人の後ろに立っている生徒の服に着いている紋章と、自分に着いている紋章を見比べて全く同じだと龍太郎同様の結論を出した。
しかし、老人側に居る生徒達の顔を見て見覚えがあるのか、怪訝な顔で雫側のクラスメイト達を見渡してから、空似だと呟いた。
「でも空似にしては、容姿が被っている人数の割合が殆ど。偶然にしては出来すぎている」
光輝は感情の無さから突然の転送にも動揺をせず、周りよりもいち早く向こう側の顔と自分側の顔とを見比べていた。しかし、向こう側とコチラ側で全く一緒の顔や背丈の生徒が多く、その割合は実に九割。
「でも、偶然以外に他に何かあるの光輝?そりゃ、顔のダブり率の多さは明らかにおかしいけど…」
そんな偶然があり得るのか?と思案をする光輝だが、それ以外には有り得ないだろうと雫は言うが後半の言葉になるに連れてその自信も無くなっていく。
ドッキリ番組が自分達の容姿に似せたマスクを被せた俳優や女優をセッティングした可能性もあるが、その場合だと陣の出現と元いた場所からの瞬間移動への説明が付かない。
この陣と瞬間移動への現実的な説明なんて、雫にも出来ないから言っていた雫自身も自信を失った。
「…超常現象だと思うんだ。今、俺達の身に起きているのは」
場を和ませようというジョークでもなく、光輝は本当にその可能性を検討した上での発言だ。
周りの生徒は「イヤ有り得ないだろ」と笑い飛ばしてやりたかったが、既にその目と体で見て体験したばかりだから、言葉を詰まらせて何も言えなかった。
「光輝君は"殺輝"みたいな、説明が付かない現象が今回も起きたと見ているんだね?」
恵理は、既に過去に起きていた超常現象じみた例に出して光輝に質問をする。光輝はフードを着て、あの忌まわしくも最悪な笑みを浮かべるイカれた女の記憶を掘り返しながら、恵理にコクリと頷き返す。
「俺の予想を話すよりも、どうやら向こうのお爺さんがアクションを起こすと思う」
その言葉で、全員は法衣の老人を見る。光輝の言う通り、老人は感極まった表情で涙すら浮かべながらコチラに近付き、神聖な御方を見る顔でこう告げた。
「ようこそ、トータスへ。エヒト様より遣われし使徒様方」
その言葉を合図のように、老人の側にいた生徒達もコチラ側に近付いて来た。
その生徒達の顔は、不安と怪物か何かを見る様な目で向けてくるトゲトゲとした視線だった。恐らく、自分の姿形ソックリな生徒を見ての心情だろう。一部には、明らかにイチャついている生徒への嫉妬が混じっているが。
しかし老人の言った言葉にも気になる発言が多くある。
まずトータスという単語に全員聞き覚えがなく、エヒト様と呼ばれた恐らく人物名すら誰なのか不明。更に、自分達に視線を送りながら「使徒様」と述べた事にも生徒達は混乱する。
使徒という単語の意味は、イエス・キリストの弟子や宗教の指導者群を指す言葉らしいが、明らかにどちらも関係無いメンツで構成されている生徒達にとって、何故自分達をそう呼ぶのかが分からなかった。
「申し遅れましたな。私の名前はイシュタル・ランゴバルドと申します。聖教教会の教皇を務めさせていただいている者であり、貴方様方を迎える様にエヒト様より天啓を受けた者で御座います」
イシュタルの言葉を聞きながら、気になる言葉を己の脳内バンクで検索し始めるハジメは表面上は戸惑いの表情を浮かべる様に調節する。
(天啓って…神の意思を伝えられたってニュアンスだっけ?そうだとすると、神の意思で僕達を誘拐しましたとでも言うつもりか?もしそうなら、カルト宗教の中でも危険な組織…にしては陣の謎もあるし…)
そう、結局。超技術にしか見えない陣の展開された理由は解明されていない。
(タハハッ、光輝や恵理の超常現象が一気に現実見ましてきたぞ)
笑えない状況に陥った事実を再確認し、既に現実の常識が通じないと予想を立てながら、ハジメは目の前で祈りを捧げているイシュタルの様な宗教着を身に纏う集団を警戒した眼差しで見やる。
無論、バレない様に表面上はオドオドした演技を忘れずに行いながら。
そしてハジメは、イシュタルの目に光るのが自分と同じ口八丁で騙し合いや駆け引きを行う者特有の、ガラスの様ななんの感情も無い目だと、己の経験則で感じた。
嘘を吐き続ける人物とは、常日頃から嘘を言う為の土台として相手を警戒させずにむしろ親しみやすい表情と声で相手に近付き、相手からの印象を良くする。
しかし普段からそんな事を行っていると表情だったり、声のトーンだったりが『その演技が当たり前』と脳が認識してしまい、永遠にその嘘の代価として固定されてしまう事がある。
イシュタルの場合は、ガラス細工と見前違えさせる生気も濁りも籠もらない目だったのだろう。イシュタル自身がその目の現状を知っているかは、他人のハジメには全くの解読不明だが。
「さて、使徒様に立ち話をさせるのも失礼ですし今の我々は大所帯となっております。ココは一つ、落ち着いて話や説明が可能な部屋へ移動しましょう使徒様方」
ハジメの中で急上昇する警戒心に応える様なタイミングで、イシュタルは人に親しみを覚えやすくする顔を貼り付けて、混乱の収束を図ろうと提案する。
手招きをして案内を買って出るイシュタルが言う様に、ハジメ達やハジメよりも前から居た生徒を合わすだけでも60人。ソコにイシュタル等も加わるので、今居るフロアではギュウギュウ詰めとは行かずとも少々手狭となる。
実際にもっと広い別フロアに移動する必要はある。だからその提案は特に怪しくない_
(っていう正論の裏で、色んな策を練ってんだろ?もう騙し合いスタートってか?)
本当の事、つまり事実を言いながらもその事実の裏側で少しでも自分側の布石を打って、全ての真相に気が付いた時にはもう遅い罠を仕掛ける。
しかも、ハジメ達は初見の建物や、動揺と困惑を掻き出さられた今の状況に陥っているので相手を疑う冷静さを持てている生徒は数人しかいない。
イシュタルもソレを計算して、布石を今の内に打っておこうと表情を親しみやすい顔にしたのだろう。だが、イシュタルにも大きな誤算がある。
幾つかあるのだが、最も大きいのは_
(この僕相手に腹の探り合いって、久しぶりに楽しめそうじゃないか。イシュタルだっけ?アンタには僕の同級生を攫った罪をシーッカリと精算させてやる♪)
南雲ハジメというペテン師の存在だ。
天之河 光輝 二つ名プラカードマン
祖父を目の前で殺され、その犯人を殺害したのをキッカケに人格分裂を起こしてしまった過去を持つ。元の人格は消え、今の表情滅多に動かせないマンの光輝ともう一人の殺輝のみが残った。
昔は自身の事を天之河一家から『天之河光輝を奪った最低な人格』と認定していたが、今は美月のお陰もあって平和に暮らしている彼女持ち。
好きな事:モフモフ動画や動物特集の番組を見る事 皆の笑顔を見る事 恵理との時間
中村恵理 二つ名カニバリズムの暴食者
間男から逃げ出せたifのルートを辿った過去を持つ。5日間何も食べず、幼い身なのもあって、今すぐにも飢餓で死にそうな時に光輝に助けられた。
しかし、栄養不足による脳のバグと[食べたい]という欲望のせいで光輝を食料品の肉と誤認して、腕の一部を食らってしまった。←(光輝は、その傷をトックの昔に完治しているが)
それ以来、好きになった人の血肉を食べないとパニック衝動を起こしてしまう体質となった。←最近では、好きになった人の血肉を食べる事で興奮を鎮める効果も現れている。
飢餓による経験があってか、何よりも空腹を恐れてしまい3人前をペロリと食べれる体質に自主的になっている。
好きな事:食べる事 母と面会して話す事 光輝の体の一部を食べる事 光輝との時間
ニコニコ!オマージュ集っ!
ジャッジメントチェーン←HUNTERHUNTERのクラピカさんの武器からご登場していただきました!
メイドインアビス←丁度アニメの二期絶賛放送中だよ!不動卿の二つ名を持つオーゼンの十八番の顔芸を使いました。