ありふれないクラスメイトと平行世界のクラスメイトのトータス入り 作:ユラシ仮面氏
※平行世界の生徒や教師は名字呼び。
我等が強個性の方々は下の名前呼びで表記するとお知らせします〜
辺りの空気を絶対零度の如く凍らせ、美術品の様に繊細な紋様が施されたテーブルを破壊した愛子はギロリとイシュタルに睨む。
だが、メイドや執事達も畑山達の発言を聞いて怒りで顔を歪めていたので、周囲の空気は元から冷めていたが。
その目には殺意と怒りが込められていて周りのメイドや執事、果てはイシュタルに追従していた護衛と思われる者をも、その体を震わせて絶え間ない汗水を流させた。
さながら虎に狙われた獲物の心境だろう。
「アァ…ァ…!」
「ヒッヒォ!?」
「なっ何なんだ、この殺意の濃さは!?」
今直ぐ逃げなければ殺される。そんな共通の恐怖心から生まれた言葉を全員が思っていても、イシュタルは表情を変えず、愛子の眼を見やるのみ。
「如何なさいましたか使徒様?」
まるで何事も無かった様な声色。そのイシュタルの心境は、愛子が何に怒っているかを測りかねていた。
愛子と同じ容姿である畑山が述べたエヒト様から与えられた使命を拒否する言動やその生徒達の怯え。その逃げの一手に対しての怒りなのか。
ソレとも畑山の様に、エヒト神から与えられた役割を捨てる気か?とその内心では別の意味で穏やかでは無い心境で愛子の次の発言を待つ。
もし、愚かにもエヒト神により与えられた
そんな思惑をおくびにも出さず、その耳を澄ませるイシュタルに愛子は怒りを表情にも隠そうともせずに歪めて、吐き捨てながら自分の心情を述べる。
「巫山戯るなよ、人の生徒を何に巻き込もうとしてるんだよジジイが。テメェ等の事情に命を無理矢理賭けさせようとしてんじゃねぇよ!」
イシュタルが最も愚かだと感じていた可能性のレールに沿った愛子は、イシュタルだけでなくこの場に居るトータスの人間全てに怒りを向けながら、何よりもイシュタルに絶大な憤怒を露わにした。
「ナーニが、使徒だ勇者だ。全部お前等の戦争の尻拭いの為だけの生贄に、随分御大層な肩書を寄越して、ソレでまだ世の中を知り切れてない高校生を酔わせたい腹積もりか?」
丁寧語も尊敬語もかなぐり捨て、ただ嫌悪と怒りだけで話していた。
相手に対する話し方では無いにも関わらず、誰も口を挟めない位に愛子は恐ろしい存在に思えた。その身長や見かけなんて関係無い。
一緒のフロアに居るだけで周りに恐怖を振りまく。
(お前達は神様に選ばれたんだから、その命を賭けて救えってテメェは何様だぁ?ソレで拒否したら子供の癇癪みたいに怒り出すメイドや執事共も、一番偉そうなジジイも一緒に居るだけで胸糞悪りぃ)
コレが自己の為であったら兎も角、愛子は生徒達を第一に考えての行動を取っている。
そんな生徒達と一緒に転移した時こそ、周りに散らばっていた生徒達の心配を最初はしていた。しかし、全員動揺こそすれど恐怖を抱かなかった。
だから黙って成り行きを見て、いかにも生徒達の転移の理由を知ってそうなイシュタルの案内にも従っていた。
だが、今イシュタルが話した内容は度を越しているのだ。イシュタルに詰め寄ろうと椅子から降り、ゆっくりと恐ろしすぎるオーラを纏いながら進む。
「我等の滅亡の危機と聞いても、貴方様の心は変わりませんか?」
イシュタルの言い放ったその言葉は非常に重みがあり、思わず足を止めさせ_られなかった。むしろ、ハッと愛子は鼻で笑う。
「尻尾出したな、この狸ジジイが。結局使徒だか何だか喚いていたが、テメェ等は人を言葉の鎖で抑え込もうとしてるグズだよ。しかも、まだ子供のこの子達を利用しようとするドクズ共だっ!」
今のイシュタルの言葉は悪手だとそのイシュタル自身も感じたが、もう既に発言した後に後悔しても遅い。
言葉で人の心を縛る行動にホレ見た事かと言わんばかりに、愛子はイシュタルに嫌悪の目を向ける。
「そもそも、人を巻き込むなって話なのにさっきからココに居るクソ共全員が、帰りたいって発言だけで殺意やら嫉妬やら撒き散らしやがる」
「ソレが人様にモノ頼む奴等の態度か?そんなのも理解出来ない愚鈍で、そんでもって子供に命を貼れよって要約して言ってくる連中ならよ。サッサと滅びろよ、クソを煮込んだイカれサイコ共が!!」
その発言には苛立ちと「お前に何がわかる!」という殺意すら込められた視線がメイドや執事もイシュタルの側仕えも全員が愛子に向けられるが、知ったことかと無視した。
「確かに勇者様や使徒様に掛ける言葉では御座いませんでしたが、我等とて必死なのです。ですから一度落ち着きを…」
事態の収拾を図ろうとした側仕えからの言葉でも、愛子はその意思を変えずにイシュタルへ向けて歩を進める。そんな言葉、子供に殺意を向けた事実を帰れる力などないとばかりに愛子は吐き捨てる。
「フンッ!必死?メイドに執事をこんなに大人数雇ってる姿を見せられて、一体何が必死だと見せたいんだよ。説得力も皆無過ぎるんだよ、このダボが!」
「そんな余裕あるなら大好きなエヒト様の為に、サッサとテメェ等自身も戦争で特攻して種族の役に立てよ!悠々自適に安全ライフ満喫してるテメェ等には、一番お似合いだろ!」
ファックサインで「おととい来やがれ!」と最悪な態度で返答して、最早教師なのこの人?と思わせる言動。
因みに強個性生徒達は「愛子先生がガチギレしてる!?」「おい、不味いぞ早く止めないと!」と騒いでいたが、その間に一人の生徒が愛子を止めに掛かる。
「待ってください!あいっっ、御婦人!」
愛子はその引き止める声に聞き覚えはあったが、感情が滅多に籠もらない子だった筈だが?と怒りの中に疑問文を広めさせながら、声を掛けた方へと振り返る。
愛子を引き止めたのは光輝の髪を茶髪にし、感情がある版にした状態の青年だった。
「何故、私を止めるんですか?」
怒りを一先ず鎮めて、教師としての口調で問い掛けるとその青年は口を開き、愛子へと反論の言葉を口にする。
「貴方は今の話を聞いて、何も思わなかったんですか!?
今、人間側は劣勢に追い込まれている!この時間にも何人が死んでいるか予想も出来ないのに、貴方はソレを考えた上で今の発言しているんですか?
勿論、転移等の行為自体を全肯定するつもりはありません!ですが、イシュタルさん達の事情を考えれば仕方がない!!そうは思わないんですか!?」
ソレはまた事実だ。
劣勢に追い込まれているからこそ、褒められた行為じゃないとはいえ誘拐紛いにまで手を伸ばしたくなるのは分かってしまう。
一日に何百人もの人がゲーム感覚で消費され、それでも尚戦局は不利に傾きつつある。
(そんな状況で希望の光を照らされれば、誰だって例えソレがどれだけ残酷な行為をやるとしても縋りたくなる。
人道的な行いをしろ!と今にも殺されそうで、殺すという人道とはかけ離れた行為を無理矢理強制されている今の人間族に、貴方は何故そんな事を言える?)
青年の心情は一方では愛子が言いたくなる気持ちを分かっていても、もう一方では仕方ないじゃないか!と怒りを感じていた。
だが、愛子はその言葉を受けても哀れんだ目で青年を見る以外では変化しなかった。
その言葉に一切の感銘を示さず、そんな人を慈しむ青年を利用しようとするイシュタル達への怒りが増すばかりだった。
「貴方の言う事は正しいです。全滅の回避の為には仕方がなかった、こうするしかなかったという意見は正しいです」
むしろ、こんな状況でも相手の心情を考えて行動した青年の優しさに愛子は称賛を言いたい気持ちを堪えて、愛子は話を進める。
青年は自分以外の生徒達の事を考えて発言しているかは不明だが、そこまで頭が回らないのは仕方がない。
突然、超常現象で見知らぬ場所に連れてこられて戦争をしろ!と要約で言われていても、相手を尊重するだけでも充分素晴らしい事だと愛子は思っている。
「ですが、先程あのクソッタレボケジジイやこのフロアに居る連中は何の表情をしていました?」
敬語のままで、イシュタルをクソジジイと言ったのに青年や周りの強個性以外の生徒達は驚きを隠せず、その口を開きっぱなしにしていたが、愛子は気にせずに話を続けた。
「我々に、一回でも誰かが同情心や罪悪感のある目や感情を見せていましたか?」
「カッ感情?イヤ、そういうのを感じ取るのは…」
表情なら分かるが、感情が見えたか?と言われても青年は人間観察が得意では無い。
と言うよりも、大人でも分かる人間は少数だろう。流石に無理難題を着せたのを自覚したのか、愛子は「すみません。分かりやすく良いましょう」と言い直して告げる。
「言い方を変えますとね。あの衣装だけ豪華なジジイは私達を勇者や使徒等と言って称えきましたが、一度でも謝罪の意を述べましたか?」
「ソレは…」
その言葉には青年も口をモゴモゴとさせて、何も返答を口に出せなかった。
ソレは一度も言われなかったからだ。むしろ、自分達の立場を羨む様な感情さえ感じさせる者も青年が分かる位に、隠そうともしなかった程だった。
「そんな自殺志願者達の為なんかに、生徒達の命を賭けさせるなんて私が絶対に認めません」
原作ハジメ)今日はカオスが全く無いと言ったな?
そっそうだ魔王!だから手抜きを
原作ハジメ)その分、次回はマシマシにしろ。
ウワァァァァ(゚д゚)!!!
畑山愛子。 二つ名:小さな鬼神
教師にして、その昔不良生徒として他府県にまで進出して縄張り争いと称し、その街の不良と喧嘩をして負かしていた経歴の持ち主である。
今でこそ更生し、勉学や教養を学んでいるが生徒や家族、友人に手を出されれば昔の片鱗を覗かせる。
好きな事 恩師や古川太一との飲み会 家族の手伝い 生徒達の授業をする事
2つ目は一回休ませて…