女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記― 作:おかひじき
一週間という時と初めての依頼 ※リザルトあり
あれから長い長い時が流れた……いや長い時って言っても1週間だけどさ。
それほど長くは感じなかった。
その1週間の間に、オレ達は阿形さん達と合同で『片羽葦原』に3回行って稼ぎ、その間の休日は情報収集やらコミュニティを重ねて、オレらの「時間城」や阿形さんの所属する「プロテスタントなんちゃら会派」や「ハチマン神社」にお互い顔見せをして、もちろんオレのセラフィックアイドルにうとしての配信活動も進んで、ようやく初のご挨拶動画をDDS動画に上げる事にも成功した。
それはいまだに再生数35の超過疎動画だけど。おかしい。
なぜこんなことになってしまったんだ……!無難過ぎたか?
もっとオレの中の悪魔を押し出すべきだっただろうか。
でもオレの配信はオレのやりたいようにやりたいしな。
無理して配信でストレス溜めるよりはありのままのオレで人気になりたい。
そう出来たら苦労はないって言われそうだけど。だがオレは諦めない!
それはそれとしてまあとりあえず、異界とコミュニティの1週間のリザルトがこれだ。
………………………………
リザルト:第3~5回 片羽葦原×3
マッカ:+12060 マグネタイト:+19166
アイテム:てっかめん×4、遁甲羅盤×14、アメジスト×30、宝玉×28、魔石×49
【宇佐野 美々加】サマナー/アームターミナル LV16(+6)
仲魔:電霊:セラフィックアイドルにう 銃・神経・破魔無効
【ゼロッチ/イッチ】LV15(+6)
スキル:休む、挑発、まもる、スウィートトラップ、怪音波、スランパ
スクカジャ(新)、スクンダ(新)、ザン(新)
悪霊:ゴースト LV14(+6)
銃・氷結・神経・技無効、呪殺反射、緊縛・突撃・電撃耐性、破魔弱点
スキル:プリンパ、シバブー
妖鳥:バー LV13(+4) 剣耐性、氷結・衝撃・銃弱点
スキル:ついばみ、介抱、羽ばたき(新)
凶鳥:ヒッポウ LV8(+2)(新)火炎反射、念動無効、氷結弱点
スキル:アギ、羽ばたき
【末吉 為軽】ペルソナ使い/ワイルド LV16(+7)
ペルソナ:死神:ヒネ・チタマ LV15(+6) 闇耐性
スキル:子守り歌、かみつき、エイハ、ドルミナー、ムド
ソウルブレイク(新)、トラエスト(新)
魔術師:ピクシー LV9(+5) 火弱点、風耐性
スキル:ディア、パトラ、ジオ、トラフーリ(新)
正義:エンジェル LV8(+4) 風・光耐性、闇弱点
スキル:ガル、パトラ、ディア(新)
愚者:ヨモツシコメ LV7(新) 氷結耐性、火炎弱点
スキル:ポイズマ、串刺し、デビルタッチ
戦車:スライム LV2(新) 物理耐性、火炎弱点
スキル:突撃、デビルタッチ
スガルコミュニティ:愚者/LV1 時間城のなかまたち
恋愛/LV1(+1)(新)網代 裕奈
星/ LV1(+1)(新)ゼロッチ
月/ LV1(+1)(新)瓜生 ヒナ
【同行者】(阿形 サリナ) サマナー/ガーディアン使い LV13(+6)
珍獣:ホネアリクラゲ (瓜生 ヒナ) LV9(+5) 水無効、物理耐性、炎弱点
電霊:セラフィックアイドルにう 銃・神経・破魔無効
(ロッチ)LV8(+7)
(網代 裕奈) ペルソナ使い/降魔 LV9(+5)
………………………………
3回も片羽葦原に行ったにしてはあまりレベルが上がっていないように見えるが、ある程度レベルが上がった後の3回目はかなりレベルが上がりづらくなっていたので、どうやら元ネタ準拠のレベル差補正的なものがあるようだ。むしろ雑魚狩りでここまで上げられて御の字と言ったところか。
スガルのコミュニティはオレの「星」コミュに加えて、仲間と過ごしているうちにまた2つほど発生した。裕奈ちゃんの「恋愛」とヒナちゃんの「月」だ。
ミミカと阿形さんのコミュはまだ発生していない。ないってことはないだろうけど。
そうそう、仲間と言えば……。
「あ、ゼロッチ先輩!オハヨーゴザイマス!」
リアル世界じゃ正月くらいしか見る機会の無かった紅白の巫女装束。
当然のように黒目黒髪のお下げ巫女スタイルに、クソダッサイ赤縁眼鏡。
そう、新たなる転生同志の、八畑 ちおちゃんである。
「宇佐野さんも末吉さんもハヨーっす。アレっすか依頼っすか?」
今日オレ達が3人と仲魔でここ、ハチマン神社に来たのは他でもない。
ある程度の地力、レベルが上がった事で時間城の主から紹介された依頼があったからだ。
と言っても何のことは無い、以前行った事がある「渋田海岸」の深部「松方湖」のボス狩り、ボス周回による異界のコントロールという、悪魔業界の「日常業務」だ。
「しかし現金報酬だと高く見える……いや、命懸けだと思ったら安いのか?ボス1回討伐で5万円ってのは」
確か渋田海岸、松方湖のボスは悪霊デプスLV15、こいつを1回倒して5万円か。
相場がよく分からない、オレ達はエンジョイアンドエキサイティングで異界攻略をやっている。
「まあ、リアルの方の常識だと金銭感覚壊れそうだよね。レベル上がるともう言い値だっていうし。裏の経済とかどうなってるんだろうね」
悪魔が実在する分仕方ないとはいえ、一般人に無関係の裏経済が膨れ上がるのは何だかな。
いやそういう当のオレもその裏の一員なんだけどさ。
「あ、オレっちが見届け人やっていいっすかね?オレっち派遣の巫女だし、玉前神社でも『同志』なんでイマイチまだ馴染めてなくて……」
ちおちゃんは北の隣町の玉前神社の巫女という『設定』で、豊玉姫……乙姫様に転生させてもらったらしい。乙姫様は時間城の主やハチマン様よりも少し多く6人の転生を行ったらしく、隣町からこのハチマン神社に巫女を派遣するヨユーもあるんすよってちおちゃんが言ってた。
「その……オレっち以外は転生者ではあってもフツーに女の子なんで……それでもフツーに接して仲良くしてくれるいい子達ばっかりですけど、やっぱその、まだどう接したらいいのか分からないっていうか……分かってくれますよね、先輩!」
「あーうん、そう、そうね。そうかも?」
「時間をかければまあ、何とか……でも一番最初が一番距離感掴みづらいっすから」
何か……こっちの世界でも職場あるある(?)は変わらないんだなって。
世界と姿が両方変わっても変わらないものにショッギョムッジョ?を感じながら、オレ達はいつもの車で「渋田海岸」へと向かった。
「先輩、諸行無常ってのは変わらぬものなど何もないって意味っす」
「んなこたー分かってんだよちおちゃんよー!」
途中、オレ達は「スーパーふえんじ」でしっかり弁当を買う。手抜かりはない。
「先輩方は自炊とかはなさらないんすか?」
「これがこの世界じゃなきゃやってたけどね……」
「それな」
「暇があれば何か起きてないか調べないと気が済まない……リアル以上にネットで時間が潰れる……」
今はこの世界への適応やら情報収集やら、色々やるべき事が多くて時間が取れない。
だが電霊で化身多数のオレなら時間が取れなくもないし、オレ自身ちょっとした料理なら作れなくはないのだが、それには重大な欠点がある。
「オレが食えないものをオレが作りたくねぇ!」
やっては見たよ?でも、プロじゃないんで毎回料理の出来上がりが違う。つまり毎回別アイテム扱い。つまり毎度登録しないとオレはオレが作った自炊料理が食えない。どうしてもオレが作らなきゃいけない状況でもなければオレが食えない自炊料理なんて作りたくない。証明終了。
「そういう料理とか出来そうな異界、サイバー空間の方に新しく作ろうかな……太閤異界だと自炊くそムズイんだよね……」
そうすりゃ栄養はともかく自作料理を楽しむことは出来る。
でも新しい異界作るとまたマグネタイト消費しそう。もうちょっと待ちかな。
「何にせよ、稼がないとなぁ」
オレとイッチが戦闘に出て稼ぎ、戦闘に出ない化身はレベル1でもいいから料理含めた後方担当。後方担当以外はちゃんとレベリングして戦力化しておく。ああ、悪くないな。
車は渋田海岸の駐車場に到着し、オレ達……スガル、ミミカ、ちおちゃんは戦闘装備に着替えるために例の公衆トイレに入った。
「ヒャー、先輩方気合入ってるっすねー!マジ半端ないっす!」
ミミカとスガルの戦闘装備、初見のちおちゃんが声を上げた。本来なら巫女装束に鉢金や小手をつけて長めの杖みたいな超ロングお払い棒を持ったちおちゃんも十分派手な部類だが、ハイレグアーマーバニーのミミカとスク水ギロチンアクスのスガルに比べたら十分常識的な部類だろう。
今回の目的はボス討伐周回であり、南の入り口から出来るだけ短時間で北の潟湖を目指し、そこにいる「デプスLV15」の集団と霊の群れを倒し、一旦異界を出て再度攻略して……という討伐周回の依頼だ。
警戒すべき点としては、ボスのデプスはボスでありながら1~6体で出現する事、スクンダを使って来ること、そしてデプスのみならず数多くの霊、ゴーストやポルターガイストが同時に出現する、あるいは引き寄せられることが多いという事だ。
「ふっふっふ、だが今回はアイテムを用意して来たからな」
我に秘策あり。秘策って程ではないが、要するに対策アイテムを使ったごり押しである。
オレとイッチに今回はゴッチも動員して、ミミカとスガルも合わせて回復道場で仕入れた「たまがえり」を使いまくるという作戦だ。……ほとんど最速のミミカだけでけり付いてそうだけど、もしそうなったら次投げるかは臨機応変にだな。
まあ計5回のたまがえりで5回「マハンマ」が飛ぶまでには悪霊系は壊滅するだろう。
たまがえりは効果の割に安い(気がする)から、そんなに投げても報酬で黒字である。
何という気持ちのいい仕事だ!
「お、早速来たな……何だマッドスラッグか」
異界に足を踏み入れてすぐに悪魔と遭遇したが、ただのマッドスラッグ2体だったのでオレ達のスウィートトラップとスガルのギロチンアクス一閃で終わる。成長したなオレ達。
その後も散発的に襲って来るピンクルーパーやグリーンスライム、ポルターガイストその他を蹴散らしつつ、オレ達は「初めての異界」の時には近寄りもしなかった渋田海岸北部、潟湖の「松方湖」周辺に足を踏み入れた。
かまどやいろり料理は流石に無理ゲー