女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記―   作:おかひじき

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 PS1あたりの人生は面白い


メシア廃教会と佐部利メシア教会

「んじゃ、オレらはネットで情報漁るから」

 

 オレはミミカのアームターミナルからデスクトップCOMPに戻り、暇な化身総出で情報収集を開始した。今日もとりあえず1・2時間はオレとイッチで配信する予定だが、それ以外の時間……裏方のニッチと遊び担当のヨッチ、阿形さんとこに派遣したロッチと旅人のセブン以外は全て情報収集に参加。つまり配信時間外のオレとイッチ、マグネタイトがもったいないのであまり実体化試験出来ないサッチ、色んな所で補助役をするのが板についてきたゴッチだ。

 

 ……今日はこの4人での配信にするのもいいかな。ただ前回の配信では、「誰が誰だかわかりにくい」ってコメントもあったんだよね。

 

「そらそうよ」

「コレガワカラナイ」

「オレらにだって……時々分からない」

「同期で中身まで揃っちゃうからね、仕方ないね」

 

 そうだな。オレとイッチは双子芸で百合営業やるからそれはそれでいいとして。

サッチはポニーテールに、ゴッチはでかいリボンでもつけようかな。

 

「いいね×4」

「個性出ちゃわない?」

「配信の時だけでいいだろ。どうせ同期で戻る」

「あっ……そっかぁ」

 

 配信を予告したのは、あと2時間後か。じゃあそれまで、情報収集にいそしむとしましょうかね。

 

 

 

………………………………

 

 

 

 特に何事もなく、情報は集まった。

 

● ボスのアークエンジェルは必ず1体、取り巻きのエンジェル2~6体を引き連れて異界の奥の礼拝堂に出現するらしい。

 

● 悪魔交渉が不可能な天使が混じっている。属性LIGHTで誰かに既に従ってる天使だと思われる。

 

● とにかく天使には破魔属性連打されるから気をつけてね。

 

● 堕天使は天使より少し低レベルなのでここの天使に勝てるなら問題にはならない。堕天使は会話不可能なのはいないし仲魔には手頃かも。

 

● ブログ的なページに攻略日記があった。ロザリオとかエンゼルヘアーとかのメシア教会で売ってるようなアイテムが隠し部屋にあったらしい。なお回収済み。

 

 

 こんな所か。んんーやっぱり破魔無効の人間組とオレらで行って、他の仲魔は無しで行った方がいいかな。ムド系アイテム安かったのか大量に買い込んできたから大量にあるし。多分大丈夫だろ。

 

 配信の時間が来たのでサイバー空間の方に移動する。今日も今日とてゲーム実況。ゲームの楽しさを伝えたくて配信してるまであるからね。仕方ないね。

 

 

 

………………………………

 

 

 

「セラフィックアイドルにうのゲーム実況、はじめるよー!」

 

 今日も配信は……着てくれる人達の中では盛り上がってるが、視聴者数は138人。こんなもんか?まあDDS.comっていう業界人しかいない場所だから、一般サイトより人が少ないのは仕方ないけどさ。でもDDSでもトップ層なら登録者100万人ってのもちゃんといるんだけどなぁ。

 

《月とすっぽん》

《すっぽんに失礼》

《すっぽんゼロッチ、冷えてっかー?》

 

 ぐぬぬ。まあ、コメント数が終始一桁で終わるみたいな、リアル世界でもよく見た超過疎配信に比べたら、コメントがちゃんとある程度あるのはありがたいんだけどさ。

 

 やはり人生ゲー(PS1)をオレ達4人対戦は今更過ぎたか……?

 

「モラル来いモラル来い……」

「モラルなんていらねーんだよ!」

「やめろ……やめて(泣)」

 

「ここでさらに子供を追加」

「子沢山ねぇイッチちゃんねぇ!」

 

 だんだん盛り上がってわけの分からないトークになっていたが、まあ視聴者達の受けはよかったから良しとしよう。

 

 配信が終わると暇になった。いや、眠る必要がない分オレらは人間に比べて常に暇があるんだけどさ。とりあえず入ってるインストールソフトの確認でもするかな。

 

 マッピング系のハニー・ビーやスキャニング・ゼロ、ギボ・アイズや百太郎、Mr.サプライズなんかの戦闘支援系、ダーク・マンやダブルバリューなどの悪魔交渉支援、ヒロえもんももちろん常駐させている。

 

 残念ながら使う機会がなさそうな合体系支援ソフトは一応デスクトップCOMPの中にだけ確保はしている。そもそもミミカも阿形さんもまだ悪魔合体してないしな。一番暇があるオレが合体計画とか組んでやった方がいいかな?合体検索出来るソフトとかもあるし。

 

 まあ、オレ自身は合体NGなんだけどな!

 

 ちょっと見てみよう。ええと、ゴーストさんの合体結果はイマイチだな。これは保留として。

バーとヒッポウで堕天使になるのか。凶鳥と妖鳥でいるよりは堕天使の方がいいかな?

鳥系悪魔ならまた片羽葦原で捕まえてくればいいしな。

合体結果は……堕天使カイム?うーん、急いで合体するほどでもないか?

 

 しっかし……ミミカは好きでサマナーになったんだからもっと悪魔交渉にも積極的かと思ったらそうでもないんだよな。なんか最初に意気投合したゴーストさん以外、バーもヒッポウも命乞いからの仲魔入りだったし。まあ最悪オレが化身で頭数を補えばいいんだけどさ。

 

「ゼロッチ、セブンが帰って来たぞ」

「ん?」

 

 旅に出たはずのセブンがすぐに帰って来た。なんかあったか?

 

「なんかサイバー空間にでっかい異界あった」

「え?」

 

 オレはいぶかしみながらセブンと……ついて来たヨッチと一緒に、「見たらすぐ分かる」という異界を見に行く。

 

 オレのデスクトップCOMPから、地理的には北北西、十字教式の幼稚園と墓地と……メシア教会がある場所、のはずであったが。

 

「うーん、でかい」

「これは高い高いですね……」

 

 基本暗いデータ空間の中が、白く輝く聖堂と謎の塔に照らされて明るくなっている。

門には堂々と「佐部利メシア教会」などと看板もある。

 

「どうする?」

「なんかめんどくさそう」

「ていうかくさそう」

「気が進まないっピ!」

 

 全会一致。今日の所は引いておく事にしよう。

まだメシア教会にかかわるのは早い。多分。

 

「これ、隣街のメシア廃教会とは関係ないよな?」

「まあ関係ないだろう。あっちはもう廃教会になったの20年以上前のことみたいだし」

「こっちの佐部利?メシア教会はさ。前見た時こんなじゃなかったよね?」

「ん……そりゃ、こんな高くて輝いてる塔なら見れば分かったはずだからな」

「それじゃさ。これ犯人はオレらの同類じゃない?メシアのなんなのかは分かんないけど」

 

 あー……そういうこともありうるかな?例えばオレと同じように電霊を選ぶやつはいるだろうし、ハッカーや技術者枠でこっちに転生したのもいるかもしれない。

そしてオレらみたいに、大組織とのかかわりを避ける選択をするやつばかりでもなかったり?

 

 でも、それならオレらとは方針が違うってことで。

 

「かかわらない方が良さそう?」

「ちょっち遠慮しますね……」

「デコイ乙!」

「同志ならワンチャン?いやごめんやっぱ無理」

 

 っかー、美しく可憐なセラフィックアイドルにう様にそんなハイリスクな最速攻略みたいな真似無理だわー!メシアの本気と共倒れ狙うしかないわー!

 

「取りあえずミミカたちにも話しとくとして……DDSで情報集めだけして触らないようにしよ」

 

「メシアの本気でやられたら……どうなるんです?」

「立派なブッチャーになりそう」

「ターミネーターかも」

「ただのきょうしんしゃでは?」

「はいやめ!この話やめ!」

 

 もう寝る!オレは「太閤」異界の中に作った一室の布団にくるまって、スリープという名の休むモードに入る。

 

「スヤァ……もう食べれないよームニャムニャ……」

「流石ゼロッチ、恐ろしい子!スリープ即で寝言テンプレートとは……」

 

「戦国時代に今のようなフートンなどないって突っ込むのは女々か?」

「いやそれ登録して持ち込んでるし……」

「あ、そっかぁ」

「だから色々持ち込めるようにする必要があったんですね!」

「ガバ回避」

 

 オレがスヤァと休むしているその頃。「佐部利メシア教会」では責任者とサマナーと雇われ技術者が電脳・実体両面で異界化したサーバルームを攻略しようとあの手この手で24時間の攻略戦を繰り広げていたが、別にヒーローでもメシアンでもないオレにはその攻防戦は知るよしもなかった。

 

 

 

………………………………

 

 

 

 翌日。しっかりと阿形さん達と合流したオレ達は、2台の自動車でメシア廃教会へと向かった。

オレのはシルバー、阿形さんのはシルバーブルーの軽自動車だ。

 

「ここが天使たちのハウスね……」

 

 道路をふさいで立ち入り禁止にしてあるはずのロープと鎖すら潮風で朽ち果てて、誰でも入れる状態になっているのが今のメシア廃教会の異界だ。

 

 周りは全て低いササに覆われた篠地で、その篠地を苦労して切り開いて作られた空き地に建てられた教会とその門、門前には今は草が生え放題ではあるが、草を踏み倒して車が入った形跡のある駐車場があり、そこに車を駐めて外に出て、門から入る。

 

「あれ、阿形さんと裕奈ちゃん、装備変えました?」

 

「ええ、思い切って隣の隣の……新源市まで行って防具を新調してきましたわ。かなりの金額を使いましたけど、命には替えられませんものね」

 

 うーん……それはそうだよな。オレらは実は初期装備が優秀だったから防具新調はまだだけど、身体防具は良いとしても細々した手足や頭、アクセサリーなんかは揃えに行ってもいいかもしれないな。とりあえずこの異界攻略が終わったら阿形さんに色々聞いて、それからかな。

 

「それでその……それは天使?」

 

 他は普通の……裕奈ちゃんは学校のジャージ、阿形さんは白のワンピースに真っ白な一対の天使の羽がそれぞれくっついてるように見えるけど、それが防具?

 

「エンジェルウイング。何か特別に見えますけど、ちゃんと『原作』にもあった普通の装備ですわ」

 

「え、こんなんあったの?」

 

「しらねー」

 

「おぼえてないな……」

 

 オレも「原作」は色々やったけど、全部暗記するほど詳しくはないしな……知らない装備もあるか。

 

「……っと、来ましたわよ?」

 

 阿形さんが気合の入った縦ロールを揺らして、サブマシンガンを構える。現れたのは……堕天使のセエレとニスロク。レベルは両方10か。とりあえずオレ達……オレ、イッチ、ゴッチ、ロッチは4連スウィートトラップで省エネ攻撃だな。先は長い。考えてみるとこれも結構凶悪な攻撃な気もするが……まあオレがやる分にはいいよな、最強だし!

 

 




 素早さと判断が同じだからどんな攻撃でも大体4連攻撃になる
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