女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記― 作:おかひじき
まず最初に、プログラムらしくオレ自身をコピー出来ないかと思い立ち、それを実行する。そして【化身】としてオレのコピーを作る事が出来た。もちろんオレが本体で、化身とはデータ共有を行い同期出来る。あまりに増やすのも何となく怖いので、今の所オレの他に化身4人で四天王。名前はイッチ、ニッチ、サッチ、ヨッチとした。
データ容量次第で際限なく増えそうだからな、名前は単純明快。とにかくこれでデータ収集速度が段違いに加速、次の事が判明した。
・実体化はマグネタイト消費が増える。実体化の際に大きく消費し、その後の存在
の維持マグネタイト消費も大きい。
・現状、バーチャル空間でのマグネタイト消費は無視出来るレベル。
何もしなければほぼゼロ。
・コピーが「化身」となっているのは多分時間城の主の影響。いわゆる「分霊」設定
とは微妙に違うらしい。 全員が2次的な本体の記憶と、セラフィックアイドルに
うの一部でしかないという意識を共有していて、本体のオレは原作、原典、公式、
運営であると思われてるらしい。
「原作とか言うな!二次創作ジャンルかお前らは!」
「そうだよ」
「二次創作だよ上等だオラ」
「当たり前だよなぁ?」
「公式は絶対。はっきりわかんだね」
こ、こいつら……。オレのコピーだし仕方ない気もするが、オレを増やして果たして大丈夫なんだろうか?不安になって来た。
「ゼロッチファイト!」
「ゼロッチとか勝手に言うな!オレか?オレのことか?」
「ゼロッチはゼロッチだから」
「ゼロナンバーはロマン」
「これで仲間……いや、仲魔だね……(暗黒微笑)」
「黒歴史と共に生きていく覚悟」
あーもうむちゃくちゃだよ!とりあえずこいつらを、セラフィックアイドル四天王として色々使ってみようと思って作ったけど、どうすっかな、こいつら。
「とりあえず、イッチはオレの近くでオレの補佐と代行、ついでに影武者的な役も頼む」
「ほう……影武者でござるか……」
「いや言葉遣いは普通でいいから」
せっかくバ美肉したからには配信もしたいし、でもメガテン系の悪魔として配信で生きていけるとは思わないので、このオレ入れたら5人いる四天王で最初から役割分担して、その中で配信を回してそれぞれ休みを取っていく予定だ。もちろん増やせるならもっともっと化身を増やしていく。
ゼロとイチはどちらが主体なのか分かりづらく、万が一、悪魔的な意味で命の危険が迫っても、最後の最後でどちらを狙っていいのか迷う……そんな小知恵もあるが、そんな機会は訪れないことを願う。
「ニッチはネット上でリアル世界と違う部分の捜索と、データ収集を引き続いてやってくれ。入れなかったり見えないところは、無理に行かなくていい。あと、こちらのオレのアカウントの他に、セラフィックアイドルにうの情報を発信するためにアカウントの取得と、公式サイト開設のための調査や準備も頼む」
「ハイハーイ」
「サッチは実体化関連の実験と、リアル……こちらの世界での実体の世界、当面はオレの部屋、オレの家のリアルと違う部分の調査を頼む。家の外には出ずに、窓にもあまり近寄らないように。今のオレらはセラフィックアイドルにうであって、サマナーのオッサンじゃないからな」
「そうだった」
「うっかりしてた」
「まる出しするところだった……」
「ゼロッチさすが頭いいな!」
本当に大丈夫かな……。
………………………………
DDS掲示板 新世界スレッド part169
260:京葉メシアン 02:33
だから世界は書き換えられたんだって!
ソースは神託
261:名無しの人間 02:35
>260
嘘乙
262:名無しの人間 02:35
>260
メシア脳乙
263:名無しの人間 02:37
>260
ネゴトワ=ネティェ(1999~1999)
264:京葉メシアン 02:38
お前らだって現状おかしいのは分かってるだろ?
明らかに悪魔のレベルが高すぎるじゃん!
なのに許容量越えた異界ですが維持管理してくださいって
特殊事例多すぎるし!
265:名無しの人間 02:40
>264
現実がつらいのはよく分かるが、それでも俺らは
高レベル悪魔に土下座してでも生き延びるしかないんだ
266:名無しの人間 02:42
>264
協力的な悪魔が多いのはいいことでは?
267:京葉メシアン 02:45
神託で許可というか推奨されたから言うけど
うちの市内で天罰持ちドミニオンが徘徊する異界が5つあって
ロウ属性天罰無効の上級メシアンが市内と周辺地域に俺しかいないから
全部俺が管理してるんだぞ?攻略とか破壊じゃなくて管理だぞ?
268:名無しの人間 02:47
>267
えっ何それは……?
269:名無しの人間 02:48
>267
いや異界情報漏らしたらアカンだろ……って神託マジなの?
270:名無しの人間 02:50
>267
実際天使系の異界多いよな。いつからこんな状況だったっけ
271:名無しの人間 02:52
>270
戦後GHQが日本の悪魔業界に手を突っ込んで天使放流
→徐々に日本の神仏その他に置き換わるって流れだったはずだけど……
あれ?いつから天使が?
272:名無しの人間 02:53
やっぱメシアンはこっそり勢力拡大してたんだな
これだからメシアンは
273:京葉メシアン 02:55
だから世界が書き換えられたって言ってんだろ!
明かに管理出来るキャパ越えてんだから!
もう野良でもガイアでもいいからいくつか奪ってくれ
歓迎するとは言えんけど黙認するから
274:名無しの人間 02:59
でも今のガイア祭りなんだよなぁ……
なんか上級幹部と取り巻きが独占してた技術が
大嘘のハッタリだったのがばれてヒャッハー祭りだって
275:名無しの人間 03:03
自称ガーディアン使いはひどい事件でしたね……
異世界の植民地化に成功したってのもあったな
ただの頭ガイアだったのがばれたけど
276:名無しの人間 03:05
フリーは低レベルしかいねえし政府系は悪魔っつーか
宗教にすら触れたがらんから
元名家のボランティアにかなり頼ってる始末だし
悪魔メインの裏の裏組織に頼るのは論外だし
あれ?メシアンのデスマーチに頼るしかなくね?
277:名無しの人間 03:07
そんな……メシアンが悪魔業界を支えてるなんて信じられん
何かの間違いじゃ?
278:京葉メシアン 03:10
(支えたく)ないです
………………………………
「ヨッチはニッチとサッチからの送受信、何かあったらオレたち、ゼロッチとイッチに伝えてくれ。あとこのパソコンのセキュリティもな」
「かしこまりっ!」
とりあえず指示は出した。あとは結果待ちかな?うちのパソコン最新式ってわけでもないし、電霊が動いたらどれだけ負荷がかかるのか分からないのは不安ではある。いやー買った時は最新式だったんだけどなー。収入が安定したら新しいパソコンでも買うかな。
オレとイッチは何もしないのも何なので、2人のイメージ画像でも撮影しておく事にした。最初から複数人体制ですよってことをガンガンアピっておくために、積極的に2人で撮影。若干ゃ百合営業っぽい感じだが、こういうのは営業ぐらいの按配が丁度いいだろう。
とりあえず拾った背景画像のネタが尽きたあたりで撮影を切り上げる。
「うーん美しい」
「流石だよなオレら」
とりあえず撮影した画像はニッチの作業フォルダの中に突っ込んでおく。てきとーに使うだろう。あとはそうだな、本格的なのが作れるかは分からんが、このパソコンのデータ内にオレらのたまり場空間的なものを作ってみたい。いつまでもこの古典バーチャル空間だと落ち着かないしな。拠点製作要素のあるゲームとか参考に作れないかな?ただのおっさんだったらそんなの無理だけど、電霊ならちょいっと作れそうだよね。
しばらく色々調べつつ試してみたところ、どうやらこのパソコンで稼動実績のあるゲームのデータを参考にして、ごく小規模な電脳異界をデータ上に作成出来そうだ、ということになった。
いやはっきり理論立って分かったわけじゃないけど、電霊というか悪魔的な感覚でマグネタイト使えば異界作れそうだし、そのマグネタイトは元サマナーという設定により1万くらい確保されている。
「やらないという選択肢はないやろ?」
「ないなぁ……」
残念ながら、データと所有権を完全に運営サーバ側で保持している、ソシャゲネトゲのデータは活用出来なかった。こういう系統のゲームが活用出来ればかなり充実した拠点に出来たのに、出来ないから仕方ない、ある程度諦めるしかない。
パソコン内部のゲームデータを探し、拠点を持ててそれを異界に流用出来るゲームとして『太閤』を選ぶ。城主以上の城拠点は今は無理そうだが、浪人の初期拠点なら今すぐ作れる。というかほとんどノーコストで作れた。
一応戦国時代の家具一式もあって、暮らせる事は暮らせる。ただサッチが色々試した所、パソコンのような高度な技術の品を持ち込むのは難しい、正確には多大すぎるコストがかかってしまいそうだとのこと。元にしたのが戦国時代題材のゲームだからか?
マグネタイトで包み込んで無理やり持ってくれば通りそうだったけど、維持にもコストかかりそうなので保留。そういう高度な技術の仕事はバーチャル空間でやればいいしな。
オレがもうちょっとパソコンでゲームやりこむ人間だったら、拠点もSF拠点とかに出来て不自由しなかったんだろうけどなー。他にもゲームデータはあったけど、かなりやり込んだゲームじゃないと異界にはしにくいっぽいんだよな。
太閤は数百時間、全作合わせたら千時間はやりこんだゲームだから、これ基準だとすると新しくインスタントにゲームやって異界作るのも現実的じゃない。
などと色々考えながら、イッチと共に囲炉裏をかこんでお湯を沸かしてみる。うん、煙が出るし時間かかるし火打ち石なんて初めてだったけど、ネットで調べて何とか沸かして白湯で飲んでみる。
ただのお湯の味だけど、今まで色々ありすぎてあわただしかったのがようやく、ようやく一息だけつけたような気がしないでもない。板の間の一軒家とちょっとした庭と畑、井戸に柿の木。
その外は無限に広がるサイバー空間だけど、ようやくセラフィックアイドルにうの異界、悪魔としてのオレの家が作れた感じがする。
ボスはオレか?ボスにしてはレベルが低いっつーかレベル1だが。
「マグネタイト大量に持ってるからかな、フツーの悪魔がここまで溜め込んだら、レベルアップに使うか変異や進化する気がするけど、俺らはフツーじゃないし」
あそっか、オレが元人間で、マグネタイトの使い方もまだ慣れてないからこんな事になってんのか。マグネタイトの使い方使い方……どうすりゃいいんだろうなぁ?
勝手に名前が決まる主人公がいるらしい