女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記― 作:おかひじき
一旦太閤異界から出て、悪魔召喚プログラムを詳しく見る。今はニッチが使ってるけど、ニッチの操作と同時にオレが電霊的に操作出来ないかも試すとしよう。
細かい細かい電磁干渉を繋いで行けば同時に操作出来そうだな。モニターに映像を出力する手間は要らない、作業領域でコネコネやってる感じはちょっと、人間では理解不能な感覚だったかも知れない。
ええと、何々……プログラム上のサマナーはまだオレで、仲魔なし。悪魔交渉のTALKでサマナーのオレが、悪魔のオレにマグネタイトを渡して……うん、意味なかった。減った分が帰って来てプラマイゼロになっただけ。
何かアプリでも入ってねえかなと、悪魔召喚プログラムの説明書を見たり、フォルダを漁ったりしてみたが、特に役立ちそうなものはなかった。
「時間城ファイルの方はどうかな」
まあ一応サマナーとして活動してたっぽいから、何かの手がかりくらいはあるかな。しばらく時間城ファイルの中を探して、『候補』と書かれた文書ファイルに2人の名前と連絡先があった。候補ってなんだ。ん?追伸があるな。
《これを見ているということは記憶を失ったか、完全に悪魔と化したか。
どちらでもいい、生まれ変わるのに比べれば些細な事だ。悪魔と化す以上、
サマナーを殺して成り代わってる悪魔ではなく、間違いなくサマナー本人
であるという証明、あるいはサマナーの意思を継いだ悪魔、または誰か
サマナーの仲魔であるという証明が必要になる。手っ取り早いのは誰かの
仲魔になることだが、誰でもいいというわけじゃない。そこでこの2人だ。
この2人にはバ美肉計画を話し、どうなるにせよよろしく頼んである。
時間城の裏の同僚として共に戦った仲間の後輩で俺の弟子、まだ高校を出た
ばかりだが、信頼は出来る。俺もこのくらいの子供がいてもおかしくない
年で、その同僚のように死んでいてもおかしくはなかったんだよな……》
……結構長いからあとは要約すると、一人目は標準的……標準的な?アームターミナル使いのサマナーで名前は……?
『宇佐野 美々加/ウサノ ミミカ』
今は寂れた無人状態の烏兎神社の後継者でもあるらしい。
2人目はペルソナ使い、ワイルドでワイルドな前衛志向。
『末吉 為軽/スエヨシ スガル』
まだこの業界に入ったばかりでペルソナも目覚めたてだが、ワイルドの上に戦闘センスがあるワイルドな奴なので強くなるだろう。
この2人と協力して生きていって欲しい。だと。
ん?続きがあるな。
―追伸の追伸―
《と、いうのがお前に用意した初期のカバーストーリーだ。
こちらの世界のお前達に当たる人間は、実は既に悪魔にやられて
存在しなかったが、今は彼の神の天罰により全てが足りない状況
なので、全てを新しく組み替えてねじ込んだ。宇佐野と末吉もお前
と同じく時間城の一員にしてあり、またバ美肉……いや人間
だからただの性転換転生になるか、それを行った同類でもある。
せいぜい仲良くすることだ。この世界で力をつけ、事態の主導権を
握れるほど強くなってくれるのを期待するが、別に何もせずに潜み
暮らして討伐者に怯え暮らしていてもいいぞ?約束された無様な
敗北もそれはそれで良いものだからな。 時間城の主》
クソが!そりゃ何の力もなければ、ただの人間だったら楽な方に流れる可能性もあっただろうけどな、勢いか趣味か自分でも分からんけど俺は自ら電霊、悪魔となる事を選んだんだ。
バトルジャンキーみたいに即異界に突撃!なんて事はしないけど、ちゃんと仲間を揃えて一緒に強くなろう、的な努力位はしてやるよ。まずはこの2人、初期仲間候補にコンタクトをとる事からだな。
よし、行くぞ。とりあえず、2人のメールアドレスが記されていたので、そこから手をつけてみよう。文面は……オレが電霊で、異世界転生者で、時間城の同僚という設定もある……事までは正直に記してもいいだろう。どうせあちらにも時間城の主経由でこの程度の情報は漏れるだろうし。
ん?もう返信が来たか。早いな。
《大体把握した。時間城で待つ》
となると、すぐに乗り込んで大丈夫かな?時間城の端末からでいいか?新しい化身、ゴッチを作って向かわせよう。多分大丈夫な気がするけどね。
ゴッチを改めて見ると、やはり新しいオレはやはり美少女だな……。
ニッチ・サッチの情報収集や調査とあわせて、これ以上何かすると情報過多になりそうな気がするので、イッチ・ヨッチと共にちょっと休憩にする。
ゲームフォルダを漁って、昔遊んだトーホーヒソーテンソクで対戦。コントローラーやキーボードじゃなくて、直接命令処理してる感覚なので大変だったが、対戦相手もオレも当然ながら同レベルのオレなのでとても楽しい対戦になった。やはりこういうのは同レベルでやりあうのが一番楽しいよな。
………………………………
そうこうしているうちに、まずサッチが実体化で色々試して帰ってきた。
SFっぽくモニターや画像、テキストで語るだけなら消費はほぼゼロ。ようは現実にある端末の機能を利用してるだけなら、悪魔的に超常現象を起こした時のような消費はしないってことだ。
ロボットアームとかあればそのまま使えそうだが、当然俺はそんなもの持ってないし入手方法も分からなかった。ああ、そういうマシンの敵が出たら干渉出来るか?それは実際出会ってからか。
そして本命の悪魔としての実体化だが、普通の人には見えない、ポルターガイスト的に物理の世界に干渉出来る、霊体を形成するのが一番楽っぽい。
一般人に姿を見せるだけならモニター越しにいくらでも姿を見せられるし、これがオレの基本形になりそうだな。
そして本人の実体を持った具現化は、結構な勢いでマグネタイトを消費したので断念したらしい。まあ妥当か。時間城の主も霊体の悪魔云々って言ってたし、実体化の才能はそんなにないのかもしれない。
確認を終え、サッチも加えて今度は三国志マルチ対戦の準備を始める。全員が弱小君主を選び、登録武将マシマシで強化に走る。流石オレ考える事は同じか。ニッチ用の君主も確保してゲームスタートし、一応セーブした所でニッチもやって来る。
通常のブックマークやデータからは目新しい異常は見つからなかったので、履歴を漁ってどうにか怪しいサイトを見つけ出したらしい。DDS.com、悪魔業界御用達の会員制サイトで、当然元のオレも会員だったが、写真登録もあるので今のオレがホイホイオフに出向いたりは出来ない。
掲示板で話し合ったりもしてるのだが、悪魔狩り系の掲示板でそういう身元不詳悪魔を狩ってる報告もあった。怖っ!
サマナーに従う仲魔なら会員登録も出来るようで、動画配信サービスもあるから、ここでそういう活動するのもいいかもしれない。
逆に言えば、一般の動画サイトで悪魔のオレが配信したら危険だったかも。ちょっと無警戒だったな、危ない危ない……。
結局この世界で悪魔として生きていくには、特に弱いうちはサマナーと一緒に頑張るのが一番だよな。1人独立勢力みたいなくそつよ悪魔になれるまではさ。うんうん。
時間城のサマナー達がいいやつだといいな。
再スタートした三国志で、オレが勝手に作ったゴッチ勢力を動かして捜索に向かわせたところで、ゴッチが帰ってきた。
例の2人、ミミカとスガルは、元々の「設定」もあるが既に組んでいて、こちらが電霊、悪魔転生を選んだと分かるとものすごく驚いたようだ。そんなに変かな?
そしてゴッチが化身である事を告げると、本体であるオレを仲魔にしたいと交渉されたらしい。ですよね。
オレ、本体である「ゼロッチ」以外の化身は、一見外見も中身も見分けがつかないが、オレと同類である転生者に限っては大きすぎる差異がある。
それは、化身達は実際にリアル世界で生きた経験がなく、この世界で生まれた悪魔であること。オレが電霊的に同期し情報を共有することで同一性は保たれるだろうが、それをせず放置したらだんだん悪魔寄りに変わるのは間違いない。
今は大丈夫だが、大量に増やすとなったら、システム的なものを考える必要があるだろうな。
「仕方ない、オレが行くか。本当は本体ヒッキーで、化身で稼ぎたかっんだけどな。とりあえずイッチはついて来て。太閤拠点は……ヨッチ、代行を頼む。皆1日1回は同期して、オレの指示があったら従うこと。それ以外は好きにしてていいぞ。情報処理と整理はニッチ。サッチは実体化・霊体化で、こっちの世界のオレん家を捜索して。特に業界関連のものを頼む。ゴッチはそれの補佐。頼むぞ」
それだけ言い残し、オレはゴッチから伝えられたアドレスに向かう。移動は一瞬だ。あっという間に、宇佐野美々加……サマナーのアームターミナルにたどり着いたのだった。
メガテン悪魔転生はそのまぁ……うん。そのね。