女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記― 作:おかひじき
「よう、色々報告があるぞオレ」
警視庁からやって来たオレの化身の1人、エーワンに話を聞く。ミミカ達は既に帰宅して阿形さん達と合流しレトロゲーム三昧。今日は落ち物パズル系のなんかお金を落として連鎖するゲームのようだ。……オレこのゲーム知らないんだが?何であるの?怖ぁ……。これが終わったらオレも合流してゲームしよう。できる暇あるかな。
エーワンが今日やったのは、動画の撮影と生配信での電霊のお披露目だった。まあ、そうなるな、
セラフィックアイドルにう、しかし天使ではありません!それを伝えるためだけの1分動画と、初配信(初配信ではない)自己紹介生配信。人にあだなす悪い電霊と人を助ける良き電霊、すなわち電霊ということになった悪魔達とオレらがいるってことだけは伝えられたと思う。
ほぼ警視庁からのリクエスト通りの動画と配信だけど、一気にオレが目標としてた段階を通り越していった感があるな。瓢箪からコマというか、警視庁公認で電霊はそのまま公表されて表の知名度広げられるなんて、上手い話過ぎていいのかこれ?って気分になる。一連の騒動の影響はオレが想定するより大きかったのかも知れんな。
あとは転生者同士の繋がりもありそうだが……転生者もデスマーチに駆り出されたり大乱闘ガイアブラザーズに参加したりで大騒動の一部になってしまっているのは変わらんだろう。そんな中で結構大きなひとかたまりとなって動けた転生者の集団が警視庁であり、アルカナ、メガテニスト……オレらも加えていいかな?オレらは小規模だけど。
まあ、オレの目標とか生存に関係なかったり一致してるなら細かい所はいいか。続いてのエーワンの報告、配信とか以外での活動の話だ。まずは良い電霊アピールの活動、悪い電霊、つまり悪魔退治。フツーだな!そして警視庁の捜査活動全般に対する協力。常駐セラフィックアイドルにうのさらなる派遣。電霊能力を生かした各種IT系のお仕事。その他色々、各種依頼がエーワン・エーニの所へ届いているらしい。
おお、とにかく今までと比べて依頼の数が半端ないな。こりゃ一気に化身の数増やして依頼処理に当たるのもアリかも知れん。ただ、そうなるともう少し事務処理能力があった方が良さそうなんだよな。公権力というか表の商取引の慣行と言うか、依頼報酬の支払いにタイムラグがある依頼がかなり増えてるんだよな……。裏なら即日以外拒否が普通なんだけど。
アニマウイングスはオレらとリアル転生者の助け合いを目的とした組織で、そういう表の大規模経営の企業みたいになる事は考えてないし、そうなるとやっぱり神社復活!古いコネ総動員!で規模拡大するのはありだな。
それまでの急場は何とか凌ぐしかないか。まあ何ヶ月も何年もかからなそうだし、そうひどい事にはならんだろう、多分。
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翌日、オレ達は再度分かれて行動する事にした。まずオレら、オレとミミカとスガル、その他愉快な仲魔達。オレらは喪神山攻略に向かう事にした。オレらのレベルは佐部利メシア教会、現「ラロヘンガ」のバランサーの群れと全能のバランサー討伐で一気に上がったので、喪神山でも問題なく攻略可能なレベルになっていたからだ。
神社勢力を復活させるなら先に攻略しておきたいしあわよくば確保しておきたいからな。あ、美夜は流石に阿形さん達と一緒にレベル上げだ。流石にレベル1で喪神山はないからな。
阿形さん達は、『舟方島異界』の方へ行くらしいので、その途中の『吊浜』で初戦闘だ。ヒナちゃんのリフトマがあるので、地形の消波ブロック地帯の危険度も問題にならないのは大きい。
安全に吊浜で初戦を飾れるだろう。阿形さん達の言うその先、『舟方島異界』は海中洞窟なのでどうするのかと思っていたが、どうやらヒナちゃんがついに分裂するらしく、海中で分裂してそのまま慣らしついでに行ってみたいんだという。ヒナちゃん何体ぐらいに分裂すんのかな。オレみたいに同期出来たりするのかな。ワクワクが止まらないぜ!
しかし分裂直後のヒナちゃん「達」だけでは不安だという事で、ミミカの「イソラ」と阿形さんの「ナタタイシ」をトレードして見守ってもらう事になった。海中洞窟のレベルは雑魚一桁レベルらしいので、まあヒナちゃんとイソラさんがいれば問題ないだろう。
そして最後に、色々対応力を増やすために、にう13の後の14人目~24人目の化身と、Aナンバーズの4人目~14人目を作る。計22人の新しいオレの化身だな。Aナンバーズの方はすぐに警視庁の非戦闘依頼の方へ送り出し、無印オレの方は暇があれば太閤異界でちょっと鍛えておく予定だ。ローテーションでな。
「ほら行くぞゼロッチ」
「おう、待たせたな」
ミミカのアームターミナルに移り、喪神山へ向かう。邪神系の異界でボスは邪神:LV58 テトカポリトカらしいが、今のオレ達なら勝てるだろう。邪神は耐性が面倒なのが多かった気がするからオレのアナライズが大活躍するだろうな。ウデガナルゼー!
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「往生せいやー!」
「グワー!」
はい。今フィクションめいた叫び声を上げて倒れたのが喪神山ボス、邪神:テトカポリトカさんです。いや違うんですよ、本当はもうちょっと苦戦するかと思ってたんですよ。でもフツーに雑魚の群れに混じって出てきたバフォメットさんがやばくて。
いや、バフォメット自体はそうやばくはないんですけど、この喪神山に入ってすぐ出てきたバフォメットの群れを倒したら、『ファーガスの剣』が2本手に入ってしまったんですよ。アイテム登録されてたんでデータ参照したら、攻撃力132、命中32、力+1、体力+2、攻撃回数4~6回で魔封の追加効果ありです。結構な長さの剣なんですが、スガルさんこれを持って二刀流を始めまして。
素人のいきなり二刀流とか無理だろって思うでしょ?何か出来ちゃったんですよこの子。スガルのステータスはオールラウンドな伸びで力、あるいは強さも伸びてるんで、重さ的には軽々と振り回せるし、「なんか斧とかカマより使いやすいなこれ」ですってよ、ちょっと聞きました?
レベル高いのもあるけど本当に天才肌なんだよな。それを言うと「お前が言うな」って言われるんだけど。解せぬ。
まあつまり、攻撃回数の多い快速剣2本×鋼鉄シンデレラで何回攻撃してんだ?っていうハイスピード曲芸剣士が誕生してしまったわけで。
現実で見るこういう攻撃回数の多い武器ってのはまー速いね。スガルはアニメかゲームみたいな回転切りで複数の悪魔に切り込んだり剣を振ったらそれはフェイクでペルソナ攻撃で敵を翻弄したり堅実に剣二本で攻撃を受けて防御かと思ったらペルソナ発動したりで色々大技から小技まで織り交ぜていて、これで武術の経験ないとか嘘でしょ?てなレベルの領域に突入してるんだけど、ガチで経験は転生してからの実戦だけっぽいんだよね。
これで見た目は筋肉のかけらも見えないスク水眼鏡美少女だから初見詐欺だよなぁ……。
「わ、わわっ、何これ!?」
お、ボスを倒したらカラスと兎がどこからともなく大量に湧いて来たぞ。カラスはヤタガラス、ウサギは玉兎とイナバシロウサギが混じってるっぽいな。
「とりあえず、代表を仲魔にして、神降ろしの儀式とかもしちゃったらどうかな?」
「そ、そうだね。私がやらないと。ほーらマッカですよー」
いや、もう懐いてて戦闘の気配も皆無なのにその交渉はどうかと。若干の不安をよそに、その後あっさり霊鳥:ヤタガラス、珍獣:イナバシロウサギ、聖獣:玉兎が仲魔になってくれた。何か「しょーがねーな……」みたいな感じに見えるのはきっと気のせいだろう。
「これで、私も魔法使えるようになる?」
「いや、どーかな……」
記録によるとサマナー/ガーディアンスタイルの姫巫女も結構いたらしいので、魔法使えるかどうかは分からない。まあ何にせよ戦力強化に繋がるので儀式を済ませよう。この……姫巫女のミミカがカラスか兎を仲魔にして、このボスがいた社でミミカが瞑想して神が降りるのを待つ。
「……瀬賀ドラミニ2の発売日っていつだったっけ」
「あとにしろ教えるから」
「……うん」
しばらくして。予想通りというか何と言うか、どうやらイナバシロウサギを神降ろし出来たようだ。……イナバシロウサギ?
「そいつただの野生の悪魔じゃなかった?」
「ん?ええと、今までそんな高レベルの兎系姫巫女がいなかっただけで、出来る子が来てくれて嬉しいって言ってたから……まずかったかな?」
「いや、まずくはない。そうか前例がなかったから野生と勘違いされてただけか、でもイナバシロウサギ……ミミカらしいっちゃこの上なくらしいけど」
一応アナライズして確認しよう。えーとミミカはサマナー/姫巫女/アームターミナルに表記が変わってるな。イナバシロウサギのLVは50、それはまあ、普通は出来なくても仕方ないねってLVか。
スキルはリフトマ、スクカジャ、リカーム、ラッキーステップ、月夜のもちつき。イナバシロウサギが持ってるスキルは揃ってる感じだな。リカームは分からんけど個体差か、成長性ありか。この世界の経験から言うと後者っぽいかな。
「リフトマ!」
「うわ!危ねぇ!やめろよ!」
ミミカがいきなりリフトマを使って、オレら皆が宙に浮く。流石にこれで転んだりするのはいなかったが危ない。調子乗ってんなミミカ。
「えへへ、めんごめんご」
まあ、このレベルになって初めて魔法が使えるようになったんだから気持ちは分かる。
「何かこの異界のボスになった感覚もあるんだよね。人間でも異界ボスなのかな?それとも実際にボスになってるのはイナバシロウサギさんとか?」
そこまで詳しく分かるかな?あ、いや、『送神山:イナバシロウサギ』って表記があった。流石に人間が直接異界ボスになったりはしなかったらしい。
しかしこれって、オレ(教会跡)、ミミカ(送神山)、スガル(ラロヘンガ)の3人がそれぞれ異界を持った事になるな。強くなったなあオレ達。
「この後どうする?周回するか?」
「そうだな……LV58のボスがいなくなってLV50のイナバシロウサギになったけど、雑魚敵はまだ変わってなさそうなんだよな。これもしかして隠しボスとかいるのか?」
他の異界だと、ボス攻略して交代したらすぐ雑魚敵も変わってたからな。
「山の裏っ側は通らなかったからそっちか?周回っつーかマップ埋めみたいになるけど行っちゃいますか」
オレ達はボスになったイナバシロウサギを残しその場を後にした。それほど高い山でもない丘だけど、一旦ふもとまで降りてそこの社から山すそを回って裏手に出るという道を辿り、そこから裏を登って頂上付近にある朽ちた社にたどり着くまで狭い道をグネグネと曲がり続けた。敵のレベルもなんか上がってたので若干きつかった。
あー疲れた疲れた。たどり着いた社、裏山のボスは堕天使:ムールムール LV63。何かLVがおかしかったし相性が氷結・電撃反射で斬撃無効だったのでフツーはやばかったんだろうけど、オレのインストールソフトも活用したアナライズで相性もばっちり見えるんで苦戦はしなかった。剣攻撃が効かなくても銃が効いたからね。ミミカとスガルのダブルおうごんじゅうで攻撃力は十分だったです。はい。
何でこんな裏に隠れるように社が建ってて、そこに堕天使がいたのかは知らないが、こいつを倒しても何か変わった気はしないな。ミミカも不思議がっている。異界の確保は出来てるはずなんだが。
「あれ?まだ道があるよ?」
みる子が見つけた道を辿ると、また社がある。これ裏ボス複数のパターン?
小道を辿り、次の社では堕天使:バルバトス LV56、その次はバルバトス、そのまた次もバルバトス……バルバトスだけかい!
「めんどくさっ!」
スガルの思わずもれた叫びに同意する。次々にバルバトスを倒し、最後ようやくミミカが異界を掌握したようだ。獣や鳥系の悪魔に、何と珍獣がメインで、霊鳥や聖獣も出るレアな異界となったようだ。イナバシロウサギ効果かも知れんな。
結構レベルは上がった。ミミカがLV56、神降ろしのイナバシロウサギが55になったぐらいに。
今日の異界攻略、レベルも稼げたしスガルがめっちゃ強くなったし、レア悪魔の出る異界も掌握出来たしなかなか良い結果だったんじゃないかな。
支払いは月末締めで……月の真ん中払いで……期末精算で……半年後でもいいかな?