女神転生転性転生―電霊:セラフィックアイドルにうと化したおっさん転生記―   作:おかひじき

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 多分5月か6月くらい?寒くはない


異界:第1回渋田海岸 ※リザルト表示あり

 意気込んで異界に足を踏み入れたしばらく後、はるか北と思われる方向の空に小さな赤い炎の玉が見えた。

 

「これは……攻撃系スキルか、アイテムか?」

 

「どうも潟湖のあたりに同業者がいるっぽいな」

 

「どうする?会っておくか?」

 

 偶然なのかそれとも、目をつけられてる?いや流石にそれは考えづらいか。

あとは異界は思ったより込み合っててこれが通常営業とか?

だったらこんなことで躊躇してはいられないが。

 

「いや、オレ達は予定通りに稼ごう。何となくそれでいい気がする」

 

 数分話し合ったが、結局アナライズデータの「運」を参考に、それが最も高いオレの意見を採用して予定通り行動する事になった。

運のステータスが実際どうなってるのかは知らんが、リアル世界でお祈りするよりはマシな結果になるだろう、多分。

 

 午前中の砂浜付近、砂地の松林の中をうろつく、派手派手なハイレグアーマーバニーとスク水と銀糸ドレスの霊体。

しかも3人とも眼鏡っ娘。……何か思ってたメガテンと違う。

けどハイレグアーマーバニーもスク水も、これで下手な鎧兜より堅いってんだから分からんもんだ。

 

 重ね着しようとしてアナライズチェックしたら弱くなったので、多分アレだな、スケベ心満載の神々の遊びかなんかだなこれは。

そんな気がする。

 

「思ったより悪魔出ないね」

 

「エネミーソナーは赤黄緑3色でばっちり出てるんだけどなぁ……」

 

 どうやら昼間ってこともあって、弱いだけでなく出現頻度も低くなってるらしい。

 

「どうする?ここ出て午後から別の異界行くか?」

 

「いや、最初が一番危険なんだから、一番低LVな異界を経験すべきだ。設定では悪魔との遭遇は済ませてるはずだけど、オレ達実際には悪魔なんて見たことないんだから」

 

「……お前悪魔じゃん」

 

「……そうだった」

 

 自分が悪魔になった事つい忘れちゃうよな。

今のオレは人生に疲れたおっさんじゃなくて、バーチャル経由で世界に降臨したセラフィックアイドルにうなのに。

 

「おい、あっちに何か居るぞ」

 

 そんなことを言っているうちに、周囲を警戒していたスガルが悪魔を見つけた。

 

 いつの間に近づいたのか、ピンク色で丸っこく、短い触腕のついた触手生物とも言い難い軟体生物の「ピンクルーパー」が1体出た!

 

 よし、戦闘準備だ。

 

「行くぜオラァァァァァァァ!!!」

 

 っと、反応する間もなくスガルがギロチンアクスを振りかぶって突撃し、袈裟切り気味に振り下ろした。

 

「あっ、くそっ!」

 

 しかし両断は出来ず、斧が抜けなくなって一旦距離をとるスガル。

すかさずオレはオレの家にあった「自律の重鉄」を上空に実体化し、動きの鈍ったピンクルーパーに「スウィートトラップ」を発動する。

まあこれは登録済みアイテムで重い大きいものなら何でもいいんだが。

 

 見事スウィートトラップが命中したピンクルーパーは動かなくなり、アナライズの状態は「DYING」となった。

 

 オレ達の勝利だ。

 

「いやー助かったぜ。もっとやわいと思ってたんだけどなぁ」

 

 ピンクルーパーに足をかけてギロチンアクスを引き抜き、反動でピンクルーパーを蹴倒すスガル。

顔と体とスク水に若干ピンクルーパーのナニカと体液が付着した、結構なスプラッタ状態である。

 

「うわっ汚ねっ、後で洗わねぇと」

 

 スガルはそれほど気にした様子もなく、地面に落ちている枯れた松の葉とか、乾いた砂をなすり付けて汚れを落とした。

若干砂っぽくなってはいるが、まあ場所的にはセーフの範囲だろう。

 

「私出番無かったな」

 

「サマナーだし、武器が使った事ない銃とナイフだっけ?それじゃ仕方ないよ」

 

 ゲームのメガテン・ペルソナでは、作品によって弾装備の概念が無かったり弾数無限とかの銃弾もあるけど、残念ながらこの世界ではちゃんと弾を消費してしまう。

軟体生物にナンブ2……拳銃とアタックナイフじゃあんまり効かなそうだったというのもあるけど。

ギロチンアクスでも結構浅い感じに引っかかっちゃったしな。

 

「それとスガル、メガテン・ペルソナで突撃思考は死亡フラグなんで気をつけてくれ。有名な反射悪魔とかは知ってても、マイナーな剣反射とかカウンタ系スキルに引っかかりそうで怖いわ」

 

「あー……それもそうだな。じゃあ一瞬待つか……」

 

 その後、突撃思考は変わらなかったものの、一瞬待つことを覚えたスガルの活躍により、順調に勝利を重ねた。

 

 スガルの初期ペルソナである「ヒネ・チタマ」の姿が見れたのは、結構後になってからだった。スガルすぐ自分が突撃するから……。

初期スキルが子守り歌とかみつき位しか無かったってのもあるけど。

 

 ちなみに見た目は色素が抜けた真っ白な肌に真っ黒な髪と瞳、ちっちゃいのにスガルのスク水より過激なヒモ水着を着ていて、所持スキルの「かみつき」をする時は、大きな口のついた真っ黒な尻尾でガブガブ……端的に言ってしまえば、某お船ゲームの深海なんちゃらみたいな姿をしている。かわいい。

 

 そうこうしてるうちにお昼となり、一旦異界を出て休息して2人は通常の砂浜で弁当を食べ、オレとイッチはアームターミナルからナロー小説を読み漁り、午後から再度異界突入。

 

 ただ、初回という事もあって大体15時で異界稼ぎを切り上げた。

ここは夜になると悪魔のレベルがぐっと上がるし、事故は怖いからな。

 

 

 

………………………………

 

 

 

リザルト:第1回 渋田海岸

 

マッカ:+260 マグネタイト:+368

 

アイテム:宝玉×6、魔石×10

 

 

【宇佐野 美々加】サマナー/アームターミナル LV4(+3)

 

 仲魔:電霊:セラフィックアイドルにう 銃・神経・破魔無効

    【ゼロッチ/イッチ】LV4(+3)

    スキル:休む、挑発、スウィートトラップ、まもる(新)

 

    悪霊:ゴースト(新) LV4 銃・氷結・神経・技無効、呪殺反射、

    スキル:プリンパ       緊縛・突撃・電撃耐性、破魔弱点

    

 

 

【末吉 為軽】ペルソナ使い/ワイルド LV5(+4)

 

 ペルソナ:死神:ヒネ・チタマ LV5(+4) 闇耐性

      スキル:子守り歌、かみつき、エイハ(新)

 

      魔術師:ピクシー(新)LV3(+1)火弱点、風耐性

      スキル:ディア、パトラ、ジオ(新)

 

 

 

………………………………

 

 

 

 イッチがまとめてくれたリザルトを、スガルのスマホに表示する。

これくらいなら指を動かすみたいな感覚で、なんか消費するとか疲れるとかは無い。

探索中はこのスマホもオレのクソダサリュックに入れたけど、やっぱアイテム登録した方がいいかな……。

 

 そうそう、探索中2人のステータスもアナライズしたが、ミミカが速さメイン・運がサブのスピードタイプ、スガルは意外にも全部平均のオールラウンドタイプだった。

初期ペルソナでメインのヒネ・チタマの補正で魔力、知恵が上がるっぽいが、今日はあんまそれ生かしてなかったっすね……必要無かったとも言う。

マジでワイルドなワイルドだな。

 

「何回ぐらい戦ったっけ、10回くらい?」

 

「あー、えーと16回、でもそのうち4回は視界の外で、オレとイッチがスウィートトラップで倒しちゃったけど」

 

「えっそうなの?気付かなかったなー」

 

 具体的に言うと連戦になりそうだった時に2回、稼ぎを切り上げて帰る時に2回。

何かどっちの時も2人とも気が抜けてて危ない気がしたし。

 

「んー……ちょっとマッカとマグネタイトの稼ぎが渋いかな?」

 

「この時間かけて戦闘16回、それでこの稼ぎは少ないか。でも魔石と宝玉は多めか、これは運のステータスが仕事してるか?」

 

「オレが運特化、ミミカが運サブで、スガルも運が悪くは無いからな。アイテムドロップに運が関係するタイプかぁ……原作にそういうのあったっけ?」

 

 こうなると分かってたら攻略サイトとか見まくったんだけどな。

当然そこまで詳しくはないのでこれが何かの原作システムかどうかすら分からん。

まあ、アイテムドロップが増える分には不都合は無いからいっか。

 

「あと、レベルアップでステータス自動振り分けっぽいんだよね……」

 

 レベルアップの際、ステータス振り分け画面なんかには当然なったりはせず、成長タイプ別に自動で上がるっぽいのだ。今のオレの運は14になっている。マジで運特化だな、他の基礎ステ上がらないの正直怖いんだけど。

 

「まあ、悪魔もレベルアップ出来る系だったのは正直助かった。これ合体必須とかだとやばかったかもな」

 

 勢いで転生したから細かい所に気が届いてなかった。危ない危ない。

 

「そうそう、電霊能力のアイテム実体化とスウィートトラップはマジで強かった。何がひどいってアイテム登録でもっと悪さの幅が広がりそうなのがひどい」

 

「おお、スガルは分かってるな!オレを褒めるとオレも化身たちも喜ぶから、積極的にもっともっと褒めていいぞ!ご機嫌になるぞ!」

 

 セラフィックアイドルにうは褒められたりオレツエーしたりすると喜ぶ、単純明快な悪魔である。もっと褒めて!

 

「あとお前悪魔なのに普通にアイテム使ってるのな?」

 

「ん?あ、そっか、そうだな、オレ悪魔なのにな?」

 

 忘れてた、というかオレフツーにアイテム使えたから、アイテムに関しては意識しなかった。悪魔はスキル無しじゃアイテム使えんよな。

元人間で、オレに出来ることしか出来ないのがかえって良かったのかな?

まあ、流石に悪魔のオレが何か装備出来るほど都合良くは無かったんだけど。

 

「スガルのヒネ・チタマって何だっけ?」

 

「調べたらニュージーランドの冥界の女神様っぽい。ムド系覚えて行くんじゃないかな」

 

「ムド系かー」

 

 ムド系と聞いて、ちょっと考えにふけるスガル。もちろん今もまだスク水である。

 

「天使に強いのはいいな!なのに別に光・破魔弱点じゃないってのもいい!」

 

 闇耐性以外は特にないが、レベル5の時点でこの耐性は普通に良い。

初期ペルソナなので進化して強いのになったりするかもしれない。

 

「それよりさぁ、何か言う事あるんじゃない?」

 

 ミミカがそわそわしている。あれか、新仲魔のゴーストさんか。

 

「そーだな、今のミミカすっごくサマナーしてるよな」

 

「そ、そう?」

 

 あからさまに嬉しそう。これで当人が満足ならいいことだな。

 

「さて、じゃあ今日はこれくらいにして、晩メシ買って帰ろう。あと明日以降の事も決めないとな」

 

 ミミカが音頭を取って、例の奇麗な公衆トイレでまともな格好に着替えた後、何事も無く帰路に着いた。

帰りにまずATMに寄って、ホームセンターで買い物するか。

ちょっとオレもメガテン脳が過ぎて、日用品の補充とかすっかり忘れてたからな。

まあ、悪魔の身体じゃそれほど必要なものは無いってのもあったけど。

 

 とりあえず現金を確保するために、口座のある「干潟信用金庫」に向かう。

着いてすぐオレが出ようとしたら止められた。何だ?

 

「いやお前悪魔じゃん……」

 

 そうだった。美しく生まれ変わったとはいえ、所詮は悪魔である。

行方不明となったサマナーの口座から、見たことも無い美しい悪魔がお金を下ろそうとしているのは怪しい、怪しすぎる。

 

「何か対策が出来るまで、オレのカネはネット経由専用にしといた方が無難かな……」

 

 支払いといえばオレの家、正確にははなれだが、リアル世界では仕事が決まって給料が出た後に、オレの各種支払いを祖父母と相談するって話になっていた。

多分こちらの世界でも支払い云々はそう変わるものでもないだろう。

 

 そう遠くないうちに、生まれかわった事を祖父母に説明する必要があるだろうな。

オレはこの世界のオレですって言ってもリアル世界の転生者ですって言っても、バ美肉悪魔転生っていう大恥は全く変わらないのが何よりひどいな。

カミングアウトしたくねえ……でもしないと。

 

 詳しい設定は……色々ニッチが調べてくれていた。

オレのデスクトップCOMPの機能を邪教の館の主人の協力で改造し、セーフティーロックを外して、ニュートラルのただのサマナーだったオレでも悪魔合体に使えるようにした上で、仲魔のポルターガイスト少女と人間ランダム合体を行った……という設定になっている。

一応合意って書いてあるけどホントか?いや架空の設定に突っ込んでも仕方ないけどさ。

オレのCOMPには元々メシア教徒・ガイア教徒の人間ランダム合体機能はあったので、改造は容易だったという。

 

 あれ、もしかしてスウィートトラップがすぐ使えるようになったのってこの影響か?

確かペルソナに出てきたポルターガイストが使ってたような。

霊体化関連の事が出来るのもそのお陰かも。

 

 あと、元と比べて性格がかなりてきとーになってる疑惑もあるんだが、それはもう元のオレとの比較が出来ないんでどうしようもないな。

考えても仕方ないか。

 

 ポルターガイストの影響があるとすると、作品にもよるが、スクンダ・スクカジャ・スランパ・自爆・ザン・仲間を呼ぶとか習得出来るかも。

 

 夢がひろがりんぐだな!

 




 原作の運はドロップ影響作品は少数派で全てに8分の1有利になるとか特定魔法回避とかそんなのが基本仕様だったかな……(よく分からない)
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