ポケモン世界に転生したと思ったらイリエワニだった件   作:ミミック

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第二話 初めての狩り

 

 

さて、方針も決まったことだし、早速獲物を探しに行く。

 

何故か本能で泳ぎ方が分かった。

足は動かさず、尾の力を使い、水面から目のみを出して泳ぐ。

やって見ると簡単だった。遺伝子の神秘を感じた。

 

俺の体はまだまだ小さい。おそらく、20センチ位だろう。

外敵に襲われたらひとたまりもない。

普通は親ワニに守られる年頃だが、育児放棄されたため、自力で生き延びるしかなさそうだ。ユルセネェ

 

ワニはそもそも夜行性で、夜になると狩りを始める。

夜は獲物も寝ており、ライバルが少なく、外敵に見つかりにくい。

何かと都合が良いのだ。

 

そのため、夜まで身を隠す住処を探さなければならない。

ここで、人間様の叡智の出番だ。

 

まず、湖の岸に穴を掘り、そこに入る。その後、土で穴を塞ぎ、じっと待つ。

ワニは元々、長時間潜水できるほどの肺活量があるため、息継ぎは数回で十分だ。

 

…誰だ?俺の作戦を鼻で笑ったのは。食うぞコラ。

 

 

 

 

作戦通り、穴に入り、夜を迎えた。

意外といい作戦だったようだ。俺も鼻が高い。

 

まぁ、自画自賛はほどほどに、早速食事に向かう。

手っ取り早く大きくなるには、やはり大量の栄養を摂取するに越したことはない。

 

幼少期に、どれほどの栄養を摂取できたかで、その後の体の大きさが決まるのというのは、よく聞く話だ。

 

よって、今夜は思い切って少し大きな獲物を狙うこととする。

幸い、ここら辺の生物はほとんど眠っているようで、気配をあまり感じない。

狙うは魚。それも、俺と同じくらいの大きさのだ。

 

獲物探しを始めて数分、手頃な餌を見つけた。

サシカマスだ。

俺よりも少し大きい。しかし、眠っている。

 

つまり、夕食だ

 

狙うべきはもちろん首。そうそう、反撃できないし、頚椎を傷つけてしまえばこちらの勝ちだ。

 

気配を消して忍び寄る。

ワニ独特の泳法は獲物に接近を悟らせない。

 

…射程範囲に入った。

俺は、顔の3分の2ほどを占める大きな口を開き、渾身の力で噛み付いた。

 

途端に暴れ出すサシカマス。どうやら、一筋縄ではいかないようだ。

だが、こちらも負けてない。ワニの強靭な咬筋力を持って、決して獲物を離さない。

 

相手も必死だ。ポケモンらしく、水鉄砲っぽいものを乱射し始めた。

 

でも、俺だって命懸けだ。こちらも切り札を使う。

ワニはその体の構造上、獲物を歯を使って切り裂くことができない。

そのため、編み出されたのが

デスロールだ

 

獲物に噛み付いたまま、体ごと高速回転する。

それによって、獲物の傷を抉り、肉を食いちぎる。

 

俺も幼体とはいえ、世界最強のワニだ。そこらの魚なんぞに、耐えられる道理はない。

本能のままに、回転する。

 

サシカマスの水鉄炮など、何の意味もなさない。

確実に殺すから、デスロールなのだ。

 

グシャッ

 

俺は奴の首の一部を抉り取った。

弱肉強食、それだけのことだ。

俺は確かな充実感とともに、奴を丸呑みにした。

まぁ、デカ過ぎたので、少しグチャグチャにしたが。

 

初日の狩りは大成功に終わった。

俺は悠々と帰宅し、酸素補給用の穴を少し開け、土に埋もれて一晩を過ごした。

 

 

 

 

 

 

 

この世界に来て、数ヶ月が経った。俺はそこそこの大きさになり、今じゃ60センチかそこらになった。

あと、めちゃめちゃ太った。

ガタイが凄く良くなった。体重は多分30キロくらいはあるんじゃないだろうか。たぶん、食い過ぎだ。

2メートルのワニの体重が約60キロのことを考えると、確実に太りすぎだ。

しかし、その分筋力もついているようで、動きが鈍くなったりとかは感じてない。

 

まぁ、人間と違って、野生動物は太ったほうがモテるんだから、あまり悩む必要はない。

 

そう、俺はワニにモテたい。俺はワニと結婚したい。子を作りたい。

美的感覚も、鱗や牙第一になった。

…ちなみに、この前、あのワニノコ達を遠目で見たが、よく見ると、ブスばっかだった。全員鱗がなってない。俺の鱗と釣り合わないね。

 

まぁ、完全に人じゃなくなったが、構わない。

どのみち、人も食う予定だしな。

 

ということで、俺は少しワニ探しの旅に出る。

別にイリエワニじゃなくていい。ワニっぽいポケモンとでもいいから、仲良くなりたいのだ。

 

もうそこそこデカイし、昼間から出かけても大丈夫だろう。

なんて考えた俺は、はやる心を抑えきれず、昼間から出かけることにした。

 

 

今思えば、危機感が足りてなかったんだと思う。

なまじ、この数ヶ月間うまく暮らせてたから、少し慢心してたんだ。




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次は、お待ちかね、トレーナーとのバトルです!

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