光を渇望する巨人の旅路【裏】2
そこは暗い部屋だった。そこは研究室であり、そこには四つ目を持った仮面を被った男が居た。
「戦乱は、英雄を呼ぶ、だがその英雄を束ねるには・・・」
彼は救世主たちを探し、集める為に策謀を練っていた。
「そう・・・奴らのような存在を束ねるには、イングラムのような存在が必要だ」
そう言うと彼は研究所のシステムを立ち上げた。
「さて、私の複製人間を作るとするか・・・。いや、この際だ、他の技術も取り込んでみるか」
彼は世界の事象を観測する。その結果ある因子を見つけた。
「これは・・・海鳴市か・・・。だが、リリカルではなくトライアングルの世界線のようだな。・・・少々事象に干渉するか」
そう言うと彼はクロスゲートパラダイムシステムを起動させた。そして部屋の中は光に包まれ、光が収まったときには彼は存在しなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ユーゼス博士、おつかれさまです。」
「ああ、ジェイルか。ご苦労だった、下がっていいぞ。」
彼は、アルハザードと呼ばれる都市に居た。彼は時空転移を行いアルハザードに行き、そこで様々な研究を行った。その世界で人工生命体、サイボーグ、次元力など多岐に渡る研究成果を発表してきた。
「さて・・・因果を読み解いた事象からして、もうまもなくか」
彼がそう呟いた。瞬間、施設の電源が落ちた。いや、電源だけではなく、ありとあらゆるエネルギーが尽きていった。それは生き物も例外ではなく、外で歩いていた人々は灰になっていった。
「約束されたアルハザード滅びの日・・・アルハザード文明を支えるZONEの暴走により周囲の次元力は根こそぎ吸収され、不毛の大地となる。暴走した次元力はアルハザードを虚数空間に叩き落し、エネルギーの供給が無くなった浮遊大陸は墜落し、西暦の時代には伝説存在となる、か」
そう言うと彼は光に包まれ、彼は姿を変え沈み行くアルハザードを空から眺めていた。
『不毛の大地は、サハラと呼ばれ、この災害により多くの人間が他の世界に飛ばされる。そう・・・これが多次元世界が成り立つ始まりの日だ』
この大災害によって世界は世界線Tから世界線Rへと移っていく。それは新たな闘争の因子が生まれたということである
『これで魔法系人造人間の技術は手に入れたが・・・まだ、足りぬな』
そういうと彼は再び時を世界を超える。次なる因子を求めて・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次に彼が求めたのは神秘だった。根源すなわちアカシックレコードを目指す、魔術師の研究は彼の興味を引いた。
「ふむ、世界に住むものの認識で効果が変わる・・・興味深いな」
そして、彼は魔術の人造人間を研究するに当たって、興味深い人物と出会う。ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン、アインツベルンの党首にしてホムンクルス。
だが彼が注目したのは、彼女の魔術回路だった。
「これは・・・あれに使えるか?」
彼はアインツベルン家と接触し、囁いた。根源への門を作らないか?と・・・。そして、その理念に賛同する物を集め、冬の聖女を大聖杯として改造した。・・・だが、改造する際に彼が独自の改造をしていたことを賛同者である御三家は誰も知らなかった。
「さて、聖書外典となるか零となるか・・・楽しみにさせてもらおう」
そして、彼は再び時の流れを見る。己の分身の素材と英雄を見出す戦乱の為に・・・。