というかギルガメッシュ系オリ主の他にもロマン系オリ主が居ても良いんじゃなかろうか。
装備が強いとか、武器をコピーするとかじゃなくて単純に魔術が強い強キャラ、老バーン様みたいな感じが良いと思う。
「ここは・・・?」
ふと、目を覚ます。いや、瞼が存在する訳では無い。意識が覚醒したと認識出来た事を生きていた時と同じように表現しただけだ。
「やあ、ようやく自我を再構成できたようだね」
目の前にスーツ姿の男が居た。良く印象がないのが印象的と表現される小説があるが、目の前の男は正にそれだろう。実際、今は既に存在しない目を逸らしてもその顔を覚えていることが出来ないぐらい印象が薄い男だ。
だが、その雰囲気だけが、人と異なることを彼に教えていた。
「貴方は?それに僕は、確か・・・生き残れた?いや、それにしては・・・」
思い出す。彼は、車道に突っ込んできた車に引かれたのだ。一瞬、生き残れたのかと、彼は思ったが、肉体の実感がなく、三次元で表現できない場所に存在していることから、それは違うと彼は思った。
「そうだね。死んでしまったね」
「そうか・・・というと此処は死後の世界で貴方は、三途の川の渡し守・・・というよりは、え~と・・・誰?」
「ん?ああ、このスーツ姿じゃわからないか。まあ、神様みたいなものだと思ってくれ」
雰囲気こそ異質だがサラリーマンにしか見えない男は閻魔に天使にも見えない。角が生えている訳でもない。翼も無い。これで特殊な気配を放っていなければただの人間にしか見えないだろう。
「神様って、何処の神話のですか?」
「二次創作界の転生神話」
「なんじゃそりゃ!そんな信仰もクソもないような神話の形すらないデウスエクスマキナ・・・ん、転生?」
スーツ男のあんまりな言葉に声を荒げるが、その内容にふと意識が向いた。
「おめでとう!君は事故死した人間の中から選ばれた転生者になれたんだよ!」
「マジか。いや、人気のあるジャンルだけど実際にこの身に起きるとか。っていうか今更だけど死後の世界とか魂とか神様とか実在するのか・・・」
人が想像する死後の世界、それがこんな俗物的なモノとは、と彼は遠い眼をして吐息を溢す。神聖さのへったくれも無いからだ。
「まあまあ、そんなことどうでも良いじゃないか!君は転生する!僕たちはその本分を果たせて面白いものが見れる。お互いwin‐win、それで良いじゃないか。さあ、特典を選んでくれたまえ!」
「人類の積年の謎がそんなに軽くて良いのかな・・・知識だ」
ノリの軽さに肩を落としつつも彼は答えた。
「ん?」
「僕の選ぶ特典は知識だ」
「ほうほう?その心は?」
アルカイックスマイルで彼に問いかける。
「そりゃあ人間の一番の武器は知識だからさ。例えファンタジーな世界でも体の鍛え方や凡人でも戦える知識を知っていれば対応できるし、SF世界なら言わずもながでしょう?よくある固有結界とか魔力無限大とか無くても必要に応じてそれに代わるものを用意すれば良いだけだしね」
その答えを聞いたスーツ男は表情を無にする。特徴の無い顔から表情が消えると、まるで人形にしか見えなかった。
「・・・・・・」
「えーと・・・何か拙かった?」
その異様さに腰が引けつつも事態が進まないので声を掛ける。ある意味、強気な行動だが単に空気が読めてないだけの蛮勇である。
「・・・とんでもないっ!君の様な存在を待っていたんだ!!」
「お、おう・・・」
満面の笑みで迫ってきて、彼は思わず後退る。
「それじゃあ、これを受け取ってくれ!」
「えっ、今渡すの?・・・指輪?」
彼の目の前に複数の指輪が浮かんでいた。何の装飾もないシンプルな指輪だ。
「一つ、二つ、三つ・・・十個か。ん、十個ってまさか・・・」
だが、その数こそが問題だった。
「そう!君の特典はソロモン王さ!何せ、彼も神に願ったのは知識だからね。君にふさわしいだろう?」
「ソロモン王って、この場合だと何らかの創作のかな。ってまてよ最近のソロモン王と言うと・・・」
彼の脳裏に浮かぶのは緩くてふわっとしているがそれでもなお偉大な大馬鹿者の力のない笑顔だ―――。
「それじゃあボッシュートで~す!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
足元に穴が開く。縦も横も存在しないような空間に空いた穴は確かに彼を飲み込んだ。
「・・・さて、これでよし。これで歴史は新たな分岐を始める」
彼が墜ちた穴が消えたの見届けるとスーツ男は再び能面のような表情になり、数瞬後、姿を消した。
***
紀元前1000年前後、イスラエルにある王が居た。
彼は、よく人々を見定め、よく法を定め、よく国を治めた。賢く、優しく、愛の多い王として民に敬愛され、彼の知恵の深さと数多の知識は周辺諸国にも知られ、彼との親交を求めてやってくる王や使者が絶えなかった。
その彼が作った宮殿で彼はある存在に己に智慧を伝授していた。
「さて、私から教えれる事は以上だ」
目の前の初老の男性を前にして白髪の青年は教鞭を置いた。双方とも身なりが良い事から貴種である事が伺える。
「確かに契約は、なされたようだな。・・・しかし、惜しいな。先生が悪魔であれば、否、千無き事か」
初老の男性、悪魔は惜しむ。目の前の青年が自らと同じ種族であれば、己すらも従える偉大な魔王となったことだろうに。
「ああ、私はイスラエルの、人の王だからな。では、機会があれば、また会おうか。ゼクラム公」
だが、彼はあくまで人間で人の王として君臨する存在、いかに敬意を抱こうともその道は異なることを、初老の男性の見た目をした悪魔は知っている。
「うむ、また会おう、ソロモン。先生の要請となれば我ら72柱、無下にはしない。悪魔に魔法を齎した偉大なる人王よ」
「さらば、破滅の力を持ちし悪魔の大王バアルよ」
ゼクラム・バアルは、彼―――ソロモン王に別れを告げる。イスラエルの王ソロモンは、今まで家ごとの固有能力しか持たない悪魔に魔法というものを想像し伝授したのだ。そして、今日その授業が終了した。各家の悪魔が挨拶に来て、最後に彼らを束ねる大王バアルと面談していたのだ。
「これで歴史は私の知るモノになるはず・・・」
≪ソロモン・・・ソロモンよ・・・≫
「この声は、・・・天上におわす我らが父か。」
≪その通りだ。ソロモンよ。なぜ悪魔に法を教えたのだ。お前は世界を善き方向へと導かなければならない。なのになぜそれに反するような事を行う≫
「いいえ、父よ。私は貴方が課した使命に反しておりません。これは人の未来への一歩への足掛かりなのです」
≪・・・≫
「魔法と引き換えに悪魔たちは人の政治や営みに介入しなくなります。する必要が無くなりましたからね。恐怖と絶望が無くても、魔法と契約で彼らは生きていける。そして、それは他神話への抑えになります」
≪だが、それは人が神の庇護から外れることを意味するのは分かっているはずだ≫
「それこそが必要な事なのですよ」
≪何?≫
「ビルガメシュ王の誕生から神代という時代は終わりつつあります。親の元から子が巣立つように人も自分自身の足で立つ時が来たのです」
≪私の元を離れると言うのか、ソロモン≫
「そこに未来があるからです。偉大なる我らが父よ。私は、未来を、世界を、見ました。人は醜い。その本性は悪といっても良い。だからこそ、人は善く在ろうとし、汚泥より生まれた何よりも正しく美しいモノには価値がある。最初から美しいモノには無い価値が」
≪価値だと?泥より生まれたモノに何の価値があろうか?≫
「文明ですよ。金は最初から輝いています。ですが、原石は磨くことにより美しく輝きます。その磨くことこそが文明という智慧であり人の持つ未来です」
≪わからぬ。私にはわからぬ≫
「では、見定めてください。その上で裁定してください。人が貴方の庇護下に居なければ何も出来ない存在かどうかを。」
≪・・・良かろう。私が与えた知識から導き出した結論、この
「千年か・・・。救世主よ、後は貴方に任せよう」
「ああ、しかし・・・」
「また、人として生きたかったなぁ」
続かないと言うとか連載あるから続けれない。後半の描写が書いていないのは力尽きたからです。
余談だけどソロモンの国、イスラエルを滅ぼした国はバビロニアなんだが、バビロニアを調べているときに見つけた新バビロニア帝国の別名がカルデア帝国で思わず変な笑いが出た。
折角だから、どんな戦闘方法か書いてみる。
「ほう、王の財宝か。テンプレ中のテンプレとは、いえそれだけ強力だと言う事だからね」
「フハハハハハ!どうだ、モブ。今なら首を垂れるなら許してやらん事も無いぞ?」
「・・・ふむ、どうやら君は私の様に王として生まれたのではなく、王の力を持つだけの様だね。・・・ところで君は英雄王がどのような人物か知っているかい?」
「はっ、何をいまさらな事を。慢心しなければ勝てる英雄などエルキドゥぐらいであろうよ。それが英雄の頂点、英雄王であり我だ」
「そうだね。それと私の・・・ソロモン王のスキルを君は知っているかい?」
「なんだ、ゲーティアでも呼ぶのか?光帯や時間神殿を待たぬ奴に何ができる。そもそも制御できるはずが無かろうよ」
「それは、君にも言える事だよ」
「・・・何だと?」
「我がスキルには、こういうものがある」
「72柱の魔神の伝承がスキルとなった召喚EXがね」
「それがどうした。あの素材の肉柱如きで我に勝てるとでも思っているか」
「いいや、召喚するのは、魔神ではない。英霊だよ」
「何?英霊をだと?贋作者でも呼ぶつもりか?エアの前には固有結界など無意味だと知れ」
「ふふふ、僕が呼ぶのは、彼さ。普通なら召喚しようとするなんて無謀でしかない、彼をね」
≪召喚魔術発動するソロモン≫
「・・・誰の許しを得て、我の財に触れている、雑種」
「な、なななな!?ま、まさか!?」
「王の財宝は、チートだけど、それ以上の約ネタだよね。何せ英霊召喚を可能とする世界な本来持たない単独顕現のスキルを得てでも彼が、英雄王ギルガメッシュが殺しに来るだろうからね」
以上が、主人公のオリ主ソロモンの戦法。投影魔術?自分で使わずにエミヤ召喚すれば良いじゃない。それが主人公。更に言うと魔術王の魔術で呼び出したサーヴァントを強化するから、生半可なオリ主や踏み台チート転生者では、勝つのが難しいでしょう。
正に型月の魔術師的な足りないなら他所から持ってくれば良いじゃない理論。