最近、行方不明者が多発しているそうだ。警察も捜索しているがまるで音沙汰も無く時だけが無為に過ぎていった。だが、自分たちの力で解決しようとした者達は探索者となり真実への足がかりを掴んだ。
・人のようで人とは思えない化け物に郊外の森に運ばれていった
・郊外の森には、古ぼけた館がある
彼らはこの二つの情報を手がかりに町の外へ出る。そこに宇宙的恐怖が待ち受けているとも知らずに・・・。
「ねえ・・・麗華ちゃん、本当に行くの?」
「当然よ、ここまで来て尻尾を巻いて逃げる訳にもいかないわ!」
「・・・オジサン的には女子高生は帰って欲しいんだけどなー」
彼らは中年男性一人に女子高生二人の変わった組み合わせだった。女子高生達は行方不明になった友人を探すために、そして中年男性は探偵として行方不明者の調査に当たっていた。彼らは数奇な運命により出会い、行動を共にしていた。
「あ、あれ・・・?あそこにいるの矢坂君と愛奈ちゃんじゃない?」
「ほんとだ、こんな所で何してるのかしら、あの二人?」
「・・・お二人さん、あのカップルは知り合いかい?」
「はい。矢坂大悟君に飯綱愛奈ちゃん、私たちのクラスメートでカップルなんですよ!」
「・・・あれはどちらかというと飯綱さんが矢坂君に言い寄ってるだけじゃないかしら?」
「ほうほう・・・で、そのカップル二人は何でこんな所にいるんだい?」
「え~と・・・肝試し?」
「今は秋よ・・・。というか、あの二人がそんな感じのデートするなんて普段の様子から想像が出来ないんだけど」
「とりあえず理由を聞いて、家に帰したほうが良い。ここは危険だ」
「そうですね・・・。おーい、矢坂くーん!愛奈ちゃーん!」
探索者たちは相談した結果、二人組みに声を投げかけた。その声に気付いた二人は探索者たちを見つけた。
矢坂大悟は少し茶色の黒髪の中性的な少年だった。飯綱愛奈は、長い黒髪の女性的なメリハリのある体形をした世間一般で言う美女だがどことなく妖艶とは別の意味で妖しい雰囲気を持った少女だった。
「あ、楓ちゃんに麗華さんじゃないですかー!どうしたんですか、こんなところで。というか、そこのいかにも冴えない中年男性はどちら様で?」
「ちょ、ちょっと落ち着いて愛奈ちゃん・・・!」
「落ち着け、テンション上げすぎた、愛奈。長谷川さんが困っているだろう」
「おっと、こりゃ失敬・・・でも、なんでここに居るんです?」
「貴女の疑問に答える前に私たちの質問に答えて頂戴。・・・貴方達はどうしてここに居るのかしら?」
「ここに居る理由ですか?そうですねぇ・・・ボランティア?」
「・・・確かにボランティアって言えばボランティアかもしれないけど」
「ボランティアでこんな森に来るってどんなボランティアよ」
「といってもなあ・・・」
「ちょっと、ちょっと、そちらの質問に答えたんですから私たちの質問にも答えてくださいよー!」
探索者たちは矢坂大悟と飯綱愛奈に自分たちの目的を話した。そして、ここが危険だということも説明し、早く帰るよう促した。だが・・・。
「なんと、みなさんもそれが理由でしたか。私たちもなんですよ!」
「お、おい、愛奈!」
「えっ!?大悟君に愛奈ちゃんも?」
「ええ、私たちは、こういうことの専門家ですから、ですので帰ったほうが良いのは貴方たちだと思いますよ?」
愛奈は探索者達に笑いかけながら言った。その相貌は光と影の影響か、顔に影が掛かり、その端正なで愛らしい顔が黒く染まり、彼女の目は燃え上がるような目と嗤っているような形の亀裂のような口のように感じられた。そして額にも目と同じように燃え上がっているナニカがあった。そのあまりにも異様な錯覚に探索者たちは身の毛が竦む様な恐怖に陥る。そして、恐怖の重責により心のバランスが崩れようとした瞬間
「あっぐがっい!?」
「怖がらせるな、アホ」
愛奈の頭部に白銀に輝く三つ又の食器、フォークが刺さっていた。
「な、何するんですか、大悟さん!乙女の頭に毎度毎度フォークを刺すなんて!というか刺すならどちからいうと・・・」
「あ”あ”ん?」
「すいません、なんでもありません。・・・ううう、こんなに想っているのになんてセメントなんでしょう」
「お前の所業を考えろ」
「あれは前のことであって今のことじゃないですよ!」
「相変わらず、矢坂君と愛奈ちゃんは仲良しだな~」
「これを見て仲良しだななんて思うのはあなただけよ、楓・・・」
「いや、おじさん的にも仲良くじゃれ合ってる様にしか見えないどね(何だ今のはまるでこの世の物とは思えない名状しがたい何かが・・・)」
「話を戻すけど、ここから先は危険だから君たちは戻った方が良い」
「ジョーダン、サチを見つけるまでは戻らないわ」
「わ、私もです・・・!」
「おじさんも仕事で来てるからね最低限の情報は掴んでおきたいのよ」
「・・・危険な目に会うかもしれないんだぞ?」
大悟は厳しい顔で探索者たちに警告する。その目は邪魔者を見る目では無く、純粋に探索者たちを心配する目だった。
「なら、私たちと共に行動するっていうのはどうですか?」
「!?愛奈、何言ってんだよ!」
「ここで追い返しても彼らはテコでの動きませんよ。だったら一緒に行動して近くで守ったほうが良いじゃないですか」
「それは・・・そうかもしれないけど」
「待ってくれ、守るって事は何かあるのか?」
「・・・ここを突き止めたなら貴方も話ぐらいは聞いてるんじゃないですか?・・・化け物の話をね」
「あ、ああ、だけど、化け物なんて、実際に・・・」
「いますよ。彼は実際にね」
探索者は彼女が嘘をついてないことが本能的に分かった。そして、常識では計り知れない生き物が存在することを理解した。理解してしまった。そのあまりにもおぞましい真実に探索者たちは目眩や吐き気に襲われる。だが、顔を青くした探索者たちを落ち着かせるために話しかけたため探索者たちは一時的な狂気から逃れることが出来た。
「大丈夫か?深呼吸して気持ちを落ち着かせるんだ」
「え、ええ・・・ありがとう、矢坂君」
「おやおや、実物を見てないのにもうグロッキーですか?そんなんで大丈夫なんですかねえ?」
「・・・いや、さっきお前が怖がらしたのが一番影響で回と思うんだが」
「そりゃあ1d10/1d100くらいは減りますからねえ。まあ、大悟さんを見ればSAN値も回復しますよ!能力的に」
「はいはい、戯言は良いから。・・・それで、そんな化け物たちが居る所に行くわけだけど、それでも着いて来る?」
矢坂大悟の言葉に探索者たちは沈黙する。これから先に未だ想像も着かない化け物がいる。そして、真実を得るにはそいつらを超えていかなければならないと言う事を理解した。
「・・・私は、いくよ」
「楓・・・」「楓の嬢ちゃん・・・」
「良いのか?この先にお前の友達が居るとは限らないし、居たとしても五体満足で無事かどうか分からないんだぞ?」
「分からないよ・・・でも、だからこそ分からないままにしておきたくない。サチちゃんの事も行方不明になった人たちのことも」
「そっか・・・」
「私も楓と同じよ。」
「麗華ちゃん・・・」
「サチは私の大切な友人だもの、こんなところで逃げたら私は一生後悔する」
「おじさんもそれには帰らないよ」
「鈴木さん・・・」
「おじさんは何度かこんなヤバめな経験もしたことがある。・・・もっともこんなファンタジーでホラーな展開は無かったがな。それに女の子を置いて逃げるってかっこ悪いじゃない」
探索者は、矢坂大悟に自分たちの決意を告げる。この先に待ち受ける恐怖に殺されるかもしれない。だが、彼らは選んだ。真実の探求を・・・。
「ふふふ・・・良いですねえ、良いですねえ!!」
「愛奈・・・」
「これだから人間は最高ですよ!人間、人生で正義の味方になるのは一回ぐらいが良い所なんですがこういう場面に立ち会えるとは!!」
「愛奈」
「いやー!いいですねえ、良いですねえ!貴方たちの無謀な勇気を祝福しましょう!お祝いしましょう!!そして、出来れば悪役をぶっ飛ばすようなハッピーエンドに!!」
「てい」
「ぎゃんきゃのーん!?」
再びフォークが刺さった。見た目美人がハイテンションに喋るのも名状しがたい物があるが、それにフォークを刺す姿もまたシュールである。
こうして、探索者は矢坂大悟と飯綱愛奈の二人と行動を共にする。これから先、彼らに立ち向かう運命は、それは残酷な物となるだろう。だが、光も同時に彼らを見ているということを気付いているは混沌しか居なかった。
【後編に続くんじゃね?】
はい、イメージ元はニャル子さんでした。ただし矢坂大悟の方は名前から気付いてる人も居ると思いますが、また別の作品の要素もあります。それこそ作品の題名の謎がわかるくらいのヒントになってると思います。