殺しはしないけど容赦なくボコります。
今回のオリ主?オリキャラ?には名前はありません!
特に決めてなかったし。
もう誰も近寄らない廃ビルの屋上。
ある男が人でない禍々しい見た目と雰囲気を醸し出した何かがいる所に何の警戒もせずに近付いていた。
「グ……ギャア!!」
そんな男へと禍々しい何かは襲い掛かった。
「………」
男はそれを焦りもせずに軽々と躱していく。
「グッギャアァァァ!!」
その事に苛ついたのか禍々しい何かは大きく体を動かして男に攻撃しようとした。
「───」
男が何かを呟いた瞬間、
「終わりだな」
もうそこには禍々しい何かは存在していなかった。男は箱を取り出し、周囲から何かを取り込んだのを見て、また箱を仕舞った。
「あれ~?呪霊がいなくなってるね~……君の仕業かな?」
「………はぁ」
男が廃ビルから出ようとした時に、別の存在が入ってきた。男はそれが誰かを知っていた。むしろ、この業界で知らない者を探すのが大変だと感じるくらいには有名である存在だった。
「ねぇ~聞いてんだけど~?」
身長が190cmを越え、珍しい白髪に加え、一見して特殊なプレイをしている変態に見えるように両目を黒い布で覆っている奴が………五条悟がいた。
「チッ」
思わず舌打ちした男は自分は悪くないと思った。
五条悟
呪術界においての御三家の一つ五条家の当主であり、数百年振りに五条家特有の呪力を見通す瞳の六眼と無下限の術式の抱き合わせを持った最強各の1人である。
「話す気はないの~」
おチャラけた雰囲気で話しかけているが、これは男自身を全くの格下だと思っているからに他ならない。
「怠っ」
その瞬間に五条悟は男に拳を放とうとしていた。
2人の間にあった距離はないかのように五条悟は男に接近していた。
「ほ~ら♪」
楽しげに繰り出す拳による攻撃を男は避ける。
「───」
男は先程の呪霊を消滅させた時と同じように何かを呟いた。
五条悟もそれに気付いていたが自分には効かないと考え放置した。
「グッ!?」
それが間違いだとすぐに思い知らされた。
「……どうなってるんだ?」
五条悟の心境は驚きで埋め尽くされていた。
五条悟は自他共に認める最強の存在だと認識している。それは無下限の術式による絶対的な防御があるからだ。昔に存在した弱点も反転術式を会得してから、その弱点も無くなったと言える。
それでも弱点が全て無くなった訳ではないのだが、ともかく、男は五条悟が最強と呼ばれる理由も知っていた、それは本当の最強ではなく対処法が幾つもある穴だらけの最強だということも。
「君さ~本当に何者なわけ?」
男は五条悟の攻撃を避けながら、質問に対して無視していた。
「君ってさ~僕に勝てるとでも思ってんの?」
「…………」
男は五条悟の問いに対して無言でいた。そこまで攻略が難しいという訳でもない。
ハッキリと言うならば五条悟の無限の術式や六眼も更には領域展開すらも男にとっては何の脅威にはならないのだから。
「まあ~いいか~」
そして、またもや唐突に攻撃を繰り出してきた。
「……」
しかし、それを男は何事もなかったかのように避けた。
「えぇーなんで当たらないんだよ!」
「本当に怠いな」
男は後の予定に支障をきたさない為に手の内を曝さずに避けていた。そもそもの話として男は五条悟と戦うつもりは全く無いのだ。
「うわっ!めんどくさ~い」
五条悟は自身の持つ無下限呪術により全ての攻撃が無効化されてしまう為、戦闘経験を積むことが非常に難しい。
それでも実戦による慣れや、身内との鍛練でそれもある程度はカバーが出来ているからか早々には負けないのだ実情である。
「……面倒だな」
男は少し考えた後に懐から取り出した札のようなものを取り出して地面に叩きつけた。すると、そこに大きな陣が出現して光を放った。
「え?なにこれ?ちょっとヤバくない?」
五条悟は自身が放った術式がどういう効果を持っているのか理解して焦った。
何故なら自分が知らない未知の術式が発動しようとしているからだ。
「これはちょっと、ヤバいかもね」
男はこれにより五条悟が次に打つ手を予想していた。
(止める力の蒼の対になってる弾く力の赫だな……コイツは間違いなく)
五条悟はニヤッと笑い、
「──術式反転、赫」
そう言った瞬間に指の先に出現させていた赫のエネルギーが男の方に放たれた。
「───」
だが、男は慌てずに次の行動に移った。
「ふっ!」
「ッ!!?」
五条悟の赫と同規模の威力を男は拳を振るっただけで生み出して悟の術式を相殺した。
「……マジ?」
流石にこれには五条悟も驚いた。赫と同規模の威力を出せることには驚かない。実際に特級の分類の中で最上位クラスに位置付けされる存在は出来るのだから。
故に五条悟が驚いたのはそこではない。全く別の事であった。
「……お前、本当に人間なのか?」
そんな疑問が自然に出た。それほどまでに男は常識外れだった。
「……失礼な奴だ」
「ッ!?」
男は一瞬で距離を詰めると五条悟の顔面を殴ろうとした。
「クッ!!」
本能的にギリギリで反応した五条悟は腕を交差させてガードしたが、
「ぐぁ!!?」
ガードごと吹き飛ばされた。
(どうして無限があるのに、さっきから僕に攻撃を届かせているんだ!?)
「まだ終わらないぞ」
「……クソッ!!」
男がまたもや接近して殴りかかってくるのを見て、咄嵯に無下限を発動させた。
「甘いな」
「……へ?」
男は拳ではなく蹴りを放っていた。それもただの蹴りではない。自身の呪力を纏わせたものだ。
「グッ!!ガァァァ!!?」
そう男は今まで五条悟に対しての直接的な攻撃の際に呪力を込めてない打撃で攻撃していたのだ。
そう五条悟が疑問に感じていたのはそこであった。呪力を使わずに自分の赫を消し飛ばした事に驚いたのだ。
男が呪力を纏った打撃の際にその呪力は黒く輝いていた。
本来であればそれは呪力と打撃との誤差が0,000001秒の時に起きる現象である。
それの名は《黒閃》
「グッ!ゴホッ!ゲホォッ!」
男に蹴られた腹部を抑えて咳き込む五条悟。
「ほら立てよ」
「……」
男は立ち上がりかけた五条悟の顎を掌底打ちで撃ち抜いた。それも黒閃を発生させていた。
「ガッ!カハァッ!」
そのまま五条悟は倒れ込んだ。
(僕が一方的に殴られるなんてあり得ない!何かしらの秘密がある筈だ!)
「これで少しの間は動けないだろ」
男は倒れ伏した五条悟を放置してその場から消えた。
そして男が消えた場所を見つめる悟は、
「は……ははは。……ゲホッ……面白いじゃんか!」
楽しそうに笑っていた。旗から見たら一人目隠しした変態が突然笑い出したという気味の悪い光景ではあるが、その場には他に誰もいないのでそれを知る者は誰もいない。
「これ以上、面倒なのに見つかるとか最悪だな」
現場から離れた男はそう呟いた。男は先程までいた廃ビルから遠く離れた場所まで移動していた。
「五条悟があの程度の案件に来るとは思わなかったな」
あの廃ビルにいた呪霊の実力はよくても一級下位程度だと推測していた。
確かに五条悟は腐った上層部からの嫌がらせで任務を色々と押し付けられているが、その五条自身も自分の任務を生徒や同僚に押し付けてるゴミ野郎であるから、あの任務にも他人を向かわせる可能性があったのだが、と男は思った。
「まあ、良いか」
男はそう言って自身のセーフハウスへと戻った。
「遅かったな」
男がセーフハウスに戻れば、そこには招かねざる客がいた。
「何故いる?」
「ふん!ワシも来るつもりは無かったが夏油にここでしか獄門彊が受け取れないと聞いたから来たまでだ」
「あぁ、あれか」
男は招かねざる客である特級呪霊の漏瑚に五条悟封印の要である獄門彊を渡した。
「それにしてもいいのか?貴様は呪術師であろう。我々のような呪霊にこんな物を渡してもよいのか」
漏瑚はニヤニヤと嗤いながらこちらを見てくる。
だが、決まって俺の返答は誰に対しても変わらない。
「俺の邪魔をしない事、俺の仕事に文句を付けない事、俺の敷地内で勝手をしない事。これらを守るのであれば、俺としては他はどうでもいい」
それを聞いた漏瑚はそのまま男の前から姿を消した。
「はぁ………人も、呪いも、呪術師も、世界さえも………俺からしたらどうでもいい」
男は先程の戦果の箱を取り出し、窓から見える月を眺めて、
「気楽に、無関心に、怠惰に、好き勝手に、楽しく生きられればいいんだから」
数多の特級呪具を造り出した男は呟いた。