「キャァァァァ⁉️」
バシーーン!!
「ぶべぇっ⁉️」
1人の女性に声をかけようとした長身で両目とも目隠しをして全身黒服コーデをした不審者の男が
「ちょ、ちょっと⁉️」
叩かれた不審者の男がそれでもなお女性に手を伸ばそうとしたら、ガシッ!と手首を掴まれた。
「え?」
「現行犯逮捕」
不審者の男が目隠しをしているのに見たのは国家公務員の警察官であった。カチャリと手錠を不審者に掛ける。
「僕は不審者じゃないよ⁉️」
「その人は不審者です!いきなり声をかけてきて意味の分からないことを言ってきたんです!」
「違うよ!これには意味があるから!」
被害者の女性からそう言われて不審者は焦る。それでも冷静に不審者に手錠を掛けた警察官は不審者を引き摺る。
「詳しい話は署の方で聞かせてもらうからね」
「大丈夫でしたか?この不審者はこちらで署に連行しますので」
不審者に手錠を掛けている警察官とは別の警察官が被害者の女性にそう言って、不審者を乗せているパトカーへと向かう。
後日──
『これより昨日起こった事件をお知らせします。本日未明、○○市△△町にて女性が不審者から声を掛けられる事案が発生しました』
朝のニュース番組で事件のことが報道された。
『犯人と思われる男は五条悟28歳。容疑者は事件発生後すぐに犯行した所を警察官に逮捕されましたが本人は容疑を認めておらず、取り調べに対して自分は五条家当主などと供述しております。容疑者は薬物などに関わっている可能性から捜査を続けています』
「「ええぇぇぇぇぇ!!!???」」
「ッ⁉️」
これを見ていた不審者──五条悟が担当していた生徒の虎杖悠仁、釘崎野薔薇は叫び、伏黒恵はあまりの驚きに固まっていた。
因みに、この放送を見ていた学長の夜蛾は胃が痛くなり胃薬を飲んでいた。
取調室──
「それでなんで彼女を襲ってたの?」
五条悟は取調室で自分を連行した警察官から事情聴取をされていた。
「だから~襲ってもないし、誘拐もしてないよ~僕はさ~」
「嘘つくなよ」
警察官は五条の話を聞いて呆れたように言う。
「嘘じゃなくて本当だって!あの子を見た瞬間ビビッてきたんだよね~運命を感じたんだよ~」
「…………」
この男は本当の事を言っていないと警察官は思った。
五条悟が声を掛けた女性は呪力を持っていて更には術式も持っていることが六眼から把握していた五条は高専にスカウトしようと声を掛けたのである。
五条悟の運命を感じた発言は強ち間違ってはいないが普通の人達からすればやっていることは犯罪者と同じである。
「それよりさ~早く釈放してくれな~い」
「ダメだ」
「えーなんでだよ~」
「お前が本当に無実なら釈放するけど、どう見てもお前は怪しいし、まだ未成年の女の子に声を掛けるなんて犯罪だし、普通に通報されるようなことをしているんだぞ!」
「僕がそんなことするかよ!」
している。自覚がないとか本当に救いようがない。
「この僕がそんなことする人間に見えるの~」
普通に考えれば、全身黒服コーデをした両目とも目隠しをしてSMをしているようにしか見えていない筈の長身の男からいきなり声を掛けられて何処かに連れ去られそうになれば余程の頭が残念は人以外は犯罪者だと断定するだろう。
「むしろ、する人間にしか見えん!」
「酷い!?」
何も酷くない。正常な判断と言える。
「そもそも、お前は何であんなことをしたんだ?彼女から話を聞く限りだといきなりだったみたいじゃないか?」
「………」
五条悟は無言を貫く。時間を稼げば高専や自分の家から警察署に無実として釈放されるから気楽にしていた。
「やっこさん、全然反省してないみたいですね」
「みたいだな」
「現行犯なのにあれだけ余裕なのは裏金でも渡す手筈があるからですかね」
「そうなら、早い目に色々と証拠を掴まないと被害者が増えてしまうな」
五条悟の余裕でふざけた態度に警官の人達は賄賂による無罪放免の可能性を考えていた。
警察の人達はそうなる前に対処しようと動ける人達を総員し、五条家への家宅捜索を踏み切る。
「現行犯なのにあれだけ余裕綽々なのは何度も犯行を行い、捕まっても脅しや賄賂で今まで逃げれたからだろう」
「そんな奴の家なら証拠も消してるのでは?」
勿論、絶対とは言わないがそういう手慣れた犯行をしている犯罪者や大きな所は証拠を処分しているか見つからないように工夫をしている。
五条悟の同じであると警官達は察していた。
「それでも襲われている市民がいる以上、やらないという選択肢はないだろう」
「はい!」
そして、同日中に呪術界の御三家の一つ、五条家では警察からの家宅捜索が実行された。
「あれよあれよと出てきますね。胸糞悪い証拠の数々が」
「そうですね」
「まあ、当然でしょう」
五条家の中を隈なく調べた結果、とんでもない物が幾つも出て来た。
それは、五条悟が過去に起こした犯罪の証拠であった。
「こんな物を表に出せば、ここは終わりだな」
「えぇ、流石にこれは庇ってる所も庇いきれないでしょうね」
「これだけの悪事を犯しておいて、まだ権力にしがみ付いているとはな」
「呆れる他ありません」
警察官達が五条悟の悪事の証拠を纏めて出した。
「似たような家というのは連携しているものだな」
「何かありましたか?」
捜索していた警察官の元へ同僚の警察官が何を見付けたのかを確認するために近寄る。
「これだ」
「………ッ⁉️これは!」
そこには他の御三家の禪院家と加茂家に関しての資料が存在した。
それを見た他の捜査官達も直ちにその2つの家を家宅捜索すべく動き始める。
そんなことは露知らず、五条悟は取調室で文句を言っていた。
「もういいでしょ?僕を解放してよ」
「まだだ」
「えぇ~何でだよ~」
「お前が本当に何もしていないと証明されない限りは帰すわけにはいかない」
「じゃあ、どうすれば解放してくれるんだよ~」
「さっきから言っているようにお前がやったと思わしき誘拐事件についての話を聞かせろ」
「だから、僕はやってないって言ってるじゃん」
「お前が本当に無実なら今頃、大騒ぎになっているはずだぞ」
「……」
警察官の言葉に確かにそうだと思った五条は黙った。
「どうした?黙り込んで」
「いや…」
バタン!と五条悟が口を開こうとした瞬間に聞こえてきた。
「何だ」
(お迎えかな?)
扉の開く音に五条悟と取調をしていた警官はそちらを向く。
そこには片手に資料を持って急いで走ったからか汗を掻いている警官が入ってきた。
「どうやら、やっと解放されるみたいだね♪」
五条悟は自分が釈放されるのだと信じて疑わなかった。
「○○さん!こいつの家を調べたら!出るわ出るわ、様々な犯罪の証拠が出てきました!」
「そうか!」
その吉報に警官は喜び、五条悟は唖然としていた。
「……嘘でしょ」
これによって呪術界の御三家や上層部は隠蔽が難しくなり大量に刑務所へと呪術師たちが連行される事となった。
これによって世間に公表された呪霊による被害と原因も連日に報道され、高専の学生やまともな感性を持つ呪術師たちを中心として新たに対策部署が設立され、世界は平和に一歩近付いたのであった。
五条悟は腐った御三家に上層部の方々は懲役100年以上の罪から一生塀の外には出てこれません。
五条悟を含めた呪術師の無理矢理な勧誘と言う名の誘拐ってこうなる可能性を多大に秘めてますよね。
個人的には最高!って感じで気分がスッキリ!としました。