日本殺人ルート 列車は殺意と共に   作:新庄雄太郎

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次は熊本・天草の事件を書いてみました。


第10話 特急「有明」天草・三色ツツジ殺人事件

三色ツツジ、それは熊本県の民話である。

 

昔、天草の栖本(すもと)の白戸海岸に、きれいな若い娘の水死体があがりました。肌は白く透き通り、鼻筋もとおった美しい顔立ちをしておりました。村人たちは、この見た事もない娘を可哀そうに思って、海が見渡せる丘の上に墓を作ってあげました。そして数年がたち、不思議な事に娘の墓から一本のツツジが芽を出しました。このツツジは、花の色が赤白黄色と三色に分かれていて、とても美しいツツジでした。ある日、一人の村人がどうしてもツツジの花が欲しくなり、一枝だけ折って自宅へ持って帰りました。するとどうしたことか、村人の腹が痛みだし、ツツジの花はその日のうちにすっかり枯れてしまいました。このツツジは誰が折っても、同じように腹が痛みだすという事が続くようになりました。何だか薄気味悪くなってきた村人たちは、お坊さんを呼んでツツジにお経をあげてもらいました。村人たちは、念のために和尚さんにツツジの枝を一枝折ってもらうと、まもなく和尚さんの腹が痛みだしました。村人たちは「お経の功徳も効かないので、このツツジはあの死んだ娘の化身に違いない」と考えました。あの若さで死んでしまって、きっと心残りだったに違いないと、村人たちは娘の事を憐れみ、墓を大切にしました。

 

と、言う話である。

 

そして、天草で女性の水死体が起きた。

 

「何と可哀そうにな。」

 

「こんなきれいな娘が、一体どうしたというのじゃろ。」

 

「おい、発見したのは君かね。」

 

「はい。」

 

「海に浮いている所を発見したんです。」

 

「なるほど。」

 

被害者の女性にはツツジが飾っていた。

 

「これは、何の意味なんですかね。」

 

「うーむ。」

 

この日、南と高山と小海は九州の特急「有明」に乗って警乗をしていた。

 

「どうしました。」

 

「私の財布がないわ。」

 

「私は、金指輪がないのよ。」

 

「高山、状況を確認してくれ。」

 

「わかりました。」

 

そこへ、南が1人の女に声を掛けた。

 

「あのー、さっきの列車スリの事なんですけど。」

 

「何か、知ってるんですか。」

 

「ええ、私はスリを目撃したんです。」

 

「何歳ぐらいの男ですか。」

 

「35歳ぐらいの男です。」

 

と、目撃者と一緒にグリーン車へ向かった。

 

「あっ、この男です。」

 

「間違いないですか。」

 

「はい、この男です。」

 

「げげっ、やべぇ。」

 

「鉄道公安隊だ、お前を逮捕する。」

 

と、小海は40代の男に手錠をかけた。

 

「さっ、来るんだ。」

 

「本当にドジ踏んじまったぜ。」

 

南と高山と小海が乗った特急「有明7号」は定刻通り12時10分に到着した。

 

ホームには鉄道公安隊が到着していた。

 

「お願いします、これ男の所持品です。」

 

「はい。」

 

そして、南と高山と小海は熊本公安室で待機した。

 

「えっ、熊本で女子高生が行方不明。」

 

「ええ、一昨日から門司港公安から捜索願があったそうです。」

 

「なるほど。」

 

「天草辺りかな。」

 

「とにかく行って見ましょう。」

 

「ええ。」

 

早速、南と高山と小海は天草へ向かった。

 

「おい、人が集まっているぞ。」

 

「行って見よう。」

 

「ええ。」

 

何と、女性は死体となって発見されていた。

 

「やっぱり、あの女だ。」

 

「ええ。」

 

「間違いない、捜索願の女だ。」

 

天草警察署

 

「被害者の身元は、東京在住の木村 あかねさん23歳です。」

 

「それで、死因は。」

 

「解剖の結果、溺死と思われます。」

 

「それで、事件の手がかりは。」

 

「はい、現場にはツツジが残されていました。」

 

「えっ、ツツジが。」

 

「ええ。」

 

「犯人は、誰なんです。」

 

「ええ、我々も聞き込みをしていますが、見当もつかなくて。」

 

「ほう、犯人は女性を拉致して海に遺棄したって事も考えられますね。」

 

「ええ。」

 

「わかったよ、犯人が使ったトリックが。」

 

「えっ、わかったのか高山。」

 

「うん。」

 

「犯人は、そこで木村を拉致して佐世保で遺棄して、白戸海岸で発見される。」

 

「それで、殺害方法は。」

 

「犯人は木村に睡眠導入剤を注射させ、海に沈んで殺害した。」

 

「なるほど、犯人はそれを利用したって事か。」

 

「はい。」

 

「それで、犯人はどの列車を利用したのか。」

 

「ええ、見当はついているよ。」

 

東京発19時05分 寝台特急「あさかぜ1号」に乗車

 

博多着10時57分 下車

 

博多発11時17分 特急「つばめ11号」に乗車

 

熊本着12時34分 下車

 

「犯人はこれに乗った可能性があるのだが。」

 

「まてよ、東京から熊本へは寝台特急「みずほ」があるじゃないか。」

 

東京発18時00分 寝台特急「みずほ」に乗車

 

熊本着11時09分 下車

 

「と言う事は、高山犯人はそれに乗って熊本へ行って木村に会い、殺害したのか。」

 

「ええ、かんがえられます。」

 

「仙道警部、目撃者が現れました。」

 

「おう、何か分かったか加藤刑事に小松刑事。」

 

「熊本駅で眼鏡をかけた男が熊本駅で目撃しています。」

 

「やはりか。」

 

「あの男が。」

 

と天草署の山波警部補と桜田刑事は言った。

 

「ええ、帰りは熊本から東京へは特急と新幹線だ。」

 

熊本発10時20分 特急「有明14号」に乗車

 

博多着11時14分 下車

 

博多発11時48分 東海道新幹線「ひかり14号」に乗車

 

東京着17時32分 下車

 

「わかったよ、犯人はこれに乗って東京へ行ったんだよ。」

 

「そうか、犯人はこれを利用したのね。」

 

「その通りだよ。」

 

「高山君、犯行現場は分ったの。」

 

「ああ、恐らく犯行現場は佐世保の海岸だ。」

 

そして、犯人内海良介が熊本で逮捕された。木村を拉致して殺害したことを自供した。

 

「これで、事件は解決ね。」

 

「ああ。」




これは卑劣な犯行な事件ですね。

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