今回は水甲さんの「二人は夢を歩む」がゲスト出演します。
東京駅構内を警戒していた南と高山は、1人の女の子が声を掛けた。
「あっ、歩夢ちゃん。」
「どうして、ここに。」
「うん、実は友人と一緒に旅行へ行くから切符をお願いしているの。」
「うーん、あのね、僕らは国鉄の中でも鉄道公安隊なの。」
「えっ、そうなの。」
「切符やったら、みどりの窓口へ行ってくれるか。」
「えっ、そこへ行けばいいのね。」
と、そこへ怪しい人影が。
「これが、歩夢か。」
男は、写真を見たら歩夢を襲った。
キャーッ!。
と、歩夢の悲鳴が聞こえた。
「高山。」
「うん。」
と、2人は男を確保した。
「くそっ、何だてめぇは。」
「鉄道公安隊だ。」
「お前を恐喝と窃盗の容疑で逮捕する。」
と、高山は男に手錠をかけた。
南と高山は歩夢を連れて東京中央鉄道公安室に連行した。
「ほう、名前は田中 龍吾か。」
「だけど、5万やると言われてたんだ。」
「誰にです。」
菅原は田中に言った。
「それは知らんが、こいつを襲って奪って来たらお金やるからって、言ってたんだ、いいバイトかなと思ったら、公安に逮捕されるなんて。」
「そりゃそうだろ、構内の暴力やひったくる事は犯罪なんだから。」
「それで、誰に頼まれたの。」
「ああ、見知らぬ人からこの女の子を襲ってバックをひったくってくれ言われて。」
「なるほど、すると君はその見知らぬ人に頼まれたって事ね。」
「はい、相手は男の人です。」
「その男は何歳ぐらいの男か覚えているか。」
「ああ、確か24歳から32歳ぐらいのね。」
南と高山は、歩夢に話を聞いていた。
「この写真に見覚えは。」
「ああ、これ私が侑ちゃんと愛ちゃんと一緒に長野と軽井沢へ行った時の写真よ。」
「ほう。」
梶山と菅原は高杉に報告した。
「班長。」
「何か分かったか。」
「実は、田中っていう人は見知らぬ人に頼まれてやったと言ってるんです。」
「ほう、誰かに頼まれて恐喝とひったくりか。」
「ええ。」
「誰なのかは、名前も言わないんです。」
「ほう。」
「誰なんですかね。」
次の日、歩夢は侑と彰とかすみと一緒に東京駅で東北新幹線「やまびこ」を待っていた。
「わくわくするわね。」
「おう、俺も一度乗って東北へ行きたかったんだよ。」
「うん、東京から盛岡へ行くには便利になったな。」
1991年6月、東北・上越新幹線が東京に開業された、東京と盛岡へは2時間36分で行けれる、盛岡では連絡特急が運転されている、青森と函館へは「はつかり」、秋田へは「たざわ」が盛岡駅で新幹線の連絡特急である。東北新幹線「やまびこ」と特急「たざわ」に乗れば4時間28分、「やまびこ」と「はつかり」に乗ると4時間54分、盛岡へは2時間36分である。
「これが、東北新幹線「やまびこ」ね。」
「そうだよ。」
「かすみんもワクワクしてきましたよ。」
歩夢と彰と侑とかすみは午前8時発の東北新幹線「やまびこ1号」に乗り、盛岡へ向かった。
ファーン!。
「私、東北初めてなの。」
「本当か。」
「私は、遠野と三陸海岸へ行って見たかったの。」
「ほう、遠野か。」
「夏になると、カッパがいるらしいの。」
「へぇー。」
「私、行って見たいな。」
10時36分、東北新幹線「やまびこ1号」は定刻通り盛岡へ到着した。
盛岡から遠野までは釜石線を利用するのだ。車両はキハ58系で運転されている。
遠野市は、北上山地のほぼ中央に位置する断層盆盆地で、昔は、内陸と沿岸の中間地点にあることから、重要な交易の場でありました。釜石港からは海の産物、花巻・盛岡など周囲の里からは米や山の産物が運ばれ、それぞれを持ち込む人、運び出す人で賑わっていた。又、藩政時代は城下町として発展し、明治の頃は馬市で知られた。 遠野盆地は、早池峰山、六角牛山(1,294m)、石上山(1,038m)の遠野三山をはじめ、標高1,000m前後の山が点在し、これらをつなぐように準平原面遺跡として700mほどの高原が続いている。平坦部は標高230mから330m位です。盆地という地形から、高度成長期の変革の影響をほとんど受けなかった景色と人々がここには存在する。
・曲り家は、人と馬が同居する独特のスタイルで、冬の寒い地方ならではの生活の知恵が駆使された建物である。厳しい寒さに耐えながら温かい春を待ち、いろりを囲み、親から子へ、子から孫へと語り継がれた民話は伝承文化となり、今も遠野に残っている。その代表的な建物が上のタイトル部分の写真で、千葉家の曲り家である。約200年前に建てられ、163坪もある豪壮なもので、昔は作男15人を含め、25人の家族と馬20頭が同じ屋根の下で生活していました。
「へぇー、そうなんだ。」
「ああ、俺も本で読んだけどな。」
「本当なの。」
「うん。」
そして、歩夢達はカッパ沼へやって来た。
カッパ沼
遠野はカッパの天下でもある。至る所に居たが、中でも有名なのは常堅寺のカッパ淵で、2代続けて河童の子を孕んだ者もあったと云う(-59話)
遠野のカッパは人々を驚かし、いたずらをしたといわれ多くのカッパ伝説が遠野物語で知ることができます。
川辺の小さなほこらは、お乳の神様です。また、近くの常堅寺境内には、カッパ狛犬があります。
「本当にいたのかな、カッパは。」
「本当だよ。」
そして、歩夢達は温泉で1泊して、三陸へ向かった。
公安特捜班
「じゃあ、田中が見知らぬ人に頼まれて歩夢を襲ってくれと言われ、バックを奪おうとしたのか。」
「はい。」
「ところで、襲われた歩夢達は。」
「昨日から2泊3日で東北へ行くと言って東北新幹線で行ったそうです。」
「そうか、それで南と高山は。」
「今、盛岡公安に居ます。」
「そうか、その男って言うのは。」
「班長、この男です。」
「馬込 竜文。」
「東京都新宿区、傷害致死で3年の実刑、恐らくこの男が田中に指示したんでしょう。」
「よし、すぐに南と高山に連絡しておこう。」
高杉は盛岡公安に連絡し、南と高山に伝えられた。
「えっ、この男が。」
「と言う事は、犯人はこの男か。」
「ええ。」
「高山、すぐに岩手県警に連絡を。」
「はい。」
次の日、歩夢とかすみ達は10時06分発の急行「陸中1号」に乗り宮古へ向かった。
「ここか三陸海岸ね。」
「とても、美しいわ。」
「うん、かすみんも来てよかったよ。」
と、その時だった。
「見つけたぜ。」
「えっ、何であなたが。」
「奴か捕まりやがって、今度は俺が歩夢を狙うのだ。」
「動くなっ、鉄道公安隊だ。」
「あっ、助かったわ。」
「大丈夫か、歩夢ちゃん。」
「この男よ、私を狙ったのは。」
「そうか、やっぱり。」
「てめぇ、ぶっ殺されたいかっ!。」
と、南は馬込を倒した。
「ぐはっ。」
高山は馬込を手錠をかけた。
「馬籠竜文、恐喝、窃盗、及び教唆でお前を緊急逮捕する。」
「ちくしょー。」
「田中が自供したんだ。」
「よかった、よかった、歩夢ちゃん達も無事で。」
「うん、とても怖かったよ。」
こうして、歩夢達の東北新幹線の旅は歩夢がひったくりから始まり、事件は解決に導いたのであった。
東北新幹線を舞台に、歩夢が狙われるとは。
水甲さん、ありがとうございました。