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前世銀蠅の思想に対して筆者は(少なくとも作中では)肯定も否定もしていないつもりです。他人の褌(二次創作)でそんな真似できるかっての。
お気に入り200件越えありがとうございます。
水銀妖精、銀蠅の前世は産婦人科医だった。
それも、かなり裏の稼業としての、堕胎専門の医者。免許の剥奪は免れていたため闇医者ではないが、やっていることは違法そのもの。
父親に無断での堕胎は当然、違法である受精23週以降の堕胎や、生まれた後に障害を持つ嬰児を縊り殺すことすら請け負っていた。
安価な料金で堕胎を請け負っていたからか、秘密を厳守するという噂故か、少なくない数の女性が彼女の元にやってきて、違法な堕胎や嬰児殺しを依頼し、感謝の言葉を口にして去っていった。
依頼する理由は様々。経済的な理由、学業や仕事に支障が出るから、性被害を公表できない、知識不足で合法的な堕胎の時期を逃した、気が変わった、など。理由を問わず、銀蠅の前世は依頼を受けた。
『胎児は自分の肉体の一部に過ぎない。盲腸と同じ価値しかない』
当時の彼女はこの教えを本気で信じていた。そしてその教えに基づく行動を起こせる知識と技術と度胸があったため、裏の世界の人間になったのだ。
当然保険も適用できず、安価な依頼料しかとらずにやっていける筈もない。銀蠅は苦渋の決断として、胎児と嬰児の遺骸を
最初から狂っていたのは事実かもしれない。しかし、食人愛好者の影響によって彼女の狂気は進行していった。
彼女と取引する食人愛好者のグループは上流階級の人間に占められており、彼らは選民思想モドキとも言える富裕層至上主義を持っていた。
医師であり常人以上の知能を持ち、接するうちに彼らのロジックを深く理解してしまったのが致命的だったのだろう、彼女は一つの結論に至った。
『私の行為は社会にとっての害や悪や弱さの種を取り除く聖なる選別である』と。
そしてより大規模に、より効率化させた堕胎組織を作ろうと画策し、食人愛好者らのコネクションでその構成員がそろった夜。
彼女は組織結成パーティーで胎児の肉を初めて口にした。胃の中にそれが入った直後、唐突に正気と罪悪感が彼女を襲う。いや、彼女にとっては一時の気の迷いに過ぎなかったのだろうが。
パーティーを抜け出し、自分の所業を一切合切世間に暴露したい衝動に駆られ、警察署に駆け込もうとして走る道で、トラックに撥ねられ……彼女は水銀妖精となる。
転生担当神と呼ばれる存在は彼女に伝えた。
「あなたは多くの人を救った。そして多くの悪をも為した。それを対消滅させればちょうど善人にも悪人にもなれない凡骨のクズと同程度の業になるでしょう。対消滅で発生したエネルギーはあなたの来世の力に転換してあげます」
転生後も、彼女は多くの禁忌に手を染め、多くを殺した。人間を誑かし、騙し、殺す呪霊の本能に忠実に。死の直前に正気に目覚めたのは一時的な症状だったのか、それとも呪霊になったことで元に戻ったのか。
しかしその片手間で、呪術師の真似事もしていた。呪術廻戦が彼女の心の癒しだったこともあり、呪術師という存在に憧れていたことも理由としてはあるのだろうが、前世の「社会にとっての害や悪を取り除く」と一致する呪術師の仕事を前世の自分に重ねていたのだろう。転生者を含む危険な呪霊を祓い、呪詛師を殺し、非術者の重犯罪者も攫って他の呪霊に食い殺させる。今世でも食人者の手助けをしているのは皮肉な運命だと半ば自嘲していた。
そんな日々を送りながら、自分のポテンシャルの引き出しと呪術の研究に時間を費やしていた彼女が、10年の月日を経て遂に五条悟に対面する。
「助けて あげようか?」
「誰、いや何だお前。お前の助けなんか要らねぇよ。こいつは俺が
「9歳で特級討伐なんていくら五条悟でも……いや、出来るかもね?でも危険だよ?」
『貴様は何者だ。魔王と勇者の対峙の邪魔をするな!』
「お前こそ、10年来の運命の出会いを邪魔するなよ、アンゴルモア。
アンゴルモアと五条悟の間に銀蠅が立ち、背を向けながらアンゴルモアを煽る。
『邪魔をするなら、容赦はしない』
アンゴルモアは頭のアンテナを光らせ、そこから光線を発射する。だが発射直前に銀蠅は水銀の盾、否、鏡を生成して防御した。
「事前に予想は出来てたけど、やっぱりか。分厚い重金属によって遮られるみたい。あなたの術式のモチーフは『核』、現代で世界の終わりといえば核戦争のことを指すからね」
『むぅ、ならば直接殴ッ』
「肉の盾~」
腰から銀色の翅を生やし、空を舞って五条悟の後ろに隠れる。五条悟はアンゴルモアの拳を無下限で受け止めた。
「と、相性抜群みたいだけど、どうする?」
「お前、呪骸、いや呪霊か?ともかく人間じゃねぇだろ。信用できねぇんだよ。俺とババア二人でやる」
「うーん、そっかそっか。じゃあ私は引っ込んでるね」
やけに素直に引っ込み、空を飛んで身を引く銀蠅と入れ替わりに、壮年の女性二人がアンゴルモアと五条悟の間に割って入る。
湊千尋が叫ぶ。
「ガキの身代わりになるのはジジババの使命なんだよ!引っ込んでろ五条悟!」
釘崎野菊が呟く。
「娘が結婚したばかりでな。死ぬ気はさらさらないが、六眼を守るためならこの婆の腕の一本や二本、惜しくはないわ」
五条悟が吼える。
「身内を殺されて黙ってられるかよ……!俺もやる、防御は任せろ。重金属で防げるなら無限で防げない道理はねぇ」
湊千尋が式神を復活させて、拳を頬に当て、手の甲を相手に見せる。ピーカブースタイルのファイティングポーズ、というよりは。
歴史上数少ない西洋呪術師の一人にして体系的オカルトの伝道師、アレイスター・クロウリーのポーズである。
「"闇より出でて闇へと帰れ 全ての男女は星である"」
"帳"――に似て非なる結界が降ろされる。それを黙って見つめるアンゴルモア。
その結界は、夜の星空を再現したものに見える。しかしその夜空は、既存のどの星図にも当てはまらない星の配置をしていた。
「"幻夜守鬼"、星辰の配置によってどんな姿にも変身する変幻自在の式神。そしてその配置は"星帳"によって再現することでも有効」
術式の開示。さらに呪力を増した湊千尋は、式神を変身させる。
『オオオォオオ!』
式神、幻夜守鬼の足は根に、頭は幹に、腕は枝葉に変化する。それは一本の肉の塔。三つの瞳で全方位を睨む、鬼というより邪神の化身がそこにはいた。
「幻夜守鬼・砲撃特化形態"燃え上がる三眼"。全力で制圧射撃!」
術者の呪力だけではなく、大気に漂う呪力、地中深くに流れている呪力も吸い上げ、呪力の砲撃に変えてアンゴルモアに向けて射出していく。
その間、釘崎野菊は五条悟に注射針のような小さな針を渡していた。
「この針を体に刺して、針から流れてくるエネルギーを受け入れるんじゃ。そうすれば肉体が再生する」
「大した呪具じゃないな。術式か?」
「ああ、古典的な芻霊呪法じゃよ。繋げた縁を通して遠くに呪力を流し込む。私が流し込んどるのは呪力ではなく反転術式で作ったエネルギーじゃがの。幻夜守鬼にもサイズ違いを持たせた、あれをアイツに刺せばザ・エンドじゃ」
遠隔で行う反転術式。つまり、不死身の兵隊を作れるということ。
単なる呪力を流し込むこともできるため、首輪としても機能する針。本来は針を心臓の近くに埋め込み、生かした呪詛師を奴隷として同時に複数特攻させる手法で数多くの一級・特級呪霊を祓ってきた。
その力と行動を危険視した日本政府と呪術総監部によって特級指定された彼女は、所有する奴隷部隊を奪われ、純粋な治癒要員としてのみ運用されることになる。
アンゴルモアは呪力の砲撃に目を細める程度でダメージを受ける様子はなく、一歩ずつ様子を見るように近づいている。反転術式に気づいた様子はない。
『さて、そろそろ逝こう』
アンゴルモアが、地面を蹴って三人に向かう。
一方帳の外。銀蠅は帳が下りる前に脱出し、その周囲を浮遊している。
そこに現場に来ていた"仄"のうち、一級呪霊クラスの三体と禪院希依子が姿を現す。
「よう、水銀妖精。殺しに来たぜ」
「……、何しにきたの?あくま君。それと
「殺しに来たと言ってんだろ。
裁屠はじりじりと退く。言葉とは裏腹に、怯えるように体を震わせながら。
「へぇ~……呪霊に成り下がったクズのくせに、あくま君もそういうの気にするんだ。じゃあ今私がしようとしてることも分かってるってことかな?」
銀蠅は水銀を精製し、腹を裂いて義体の内部から眼球ほどの大きさの黒く奇妙な球体を一つずつ取り出しつつ、裁屠を追う。
「五条悟にアンゴルモアをぶつけて、消耗した隙に何かしようって魂胆だろ?その程度で五条悟が削れるかどうか知らないがな」
「
「屑が……。悪質さでは
「えぇ~?そんなこと言われても困るなぁ。それに君だって智礼ちゃん以外の人間は死んでも構わないと思ってるでしょ。私のこと批判できる立場にない。」
(ハマった!)
地面に円状の呪力が突如発生し、裁屠の術式が発動する。それから逃れようとした銀蠅にナイフ型の一級呪具を複数投擲して回避を妨害する。義体の重りによって速度が落ちている銀蠅はどちらかを食らうことを選択しなければならない。
銀蠅は一級呪具の未知の術式効果を警戒し、既知の裁屠の術式を選ぶ。
「人間は人間が守ればいい。俺たちは俺たちで守る。そして俺たちの害となるお前を許さない!『
円の内部の地面が、奈落の底に置換される。それと同時に拡張術式によって、穴の側面の結界が地面の上にも拡張されて銀蠅を閉じ込める筒状の結界となる。ナイフは躱され、結界にぶつかりそのまま落下する。
「何が『許さない!キリッ』だよ。落とし穴は飛行タイプには効かないって……落とし穴だけじゃないね。出られない結界?10年前のとは少し違うな」
(あの黒い石が何かはわからない。だが油断してこれを食らってくれた。これで、あと数分待つだけで終わりだ)
その数分を早めるために術式を開示する。
「『失楽園』の底はどうなっている?どこと繋がっている?俺はそれをずっと疑問に思っていた。試しに低級の呪物や呪具を底に落としてみたら、穴の底から飛んできたのはどこか神々しさをもつ複数の小人だった。最初は呪霊だと思ったが、適当に傷つけても再生しないし、その癖どうやら呪力切れや体力切れという概念が無いらしくいつまでも俺に襲い掛かろうとしてきて厄介だったよ。これは何だ?と思って色々検証して、一つの結論に至った。これは一種の
ABRACADABRA
ABRACADABR
ABRACADAB
ABRACADA
ABRACAD
ABRACA
ABRAC
ABRA
ABR
AB
A
『ABRACADABRA summon from abyss
一つ目の鷹頭と四枚の翼に人間の男性の胴体と四肢、そして鏃が暖かな光を放つ弓矢を持つ天将が四体、奈落から羽ばたいてきて、矢を放つ。
「決まりだ」
矢は音速を軽く超越し、衝撃波を放ちながら銀蠅に迫る……が、それは突如発生した
「へぇ……異戒、ね。私以外の転生者呪霊でその結論に至ったのは君だけじゃないかな。見直したよ。私はまだ接続に成功してはいないんだけどね。異戒神将魔虚羅、
「何を……何を言ってる?何をした?」
筒状の結界には黒い閃光の炸裂によって罅が入っている。さらに黒い閃光がいくつも瞬き、その結果完全に『昇獄』による結界が崩された。
穴から、黒い閃光によって負傷したが、距離があったため生き延びた華流螺が飛び出し、銀蠅と裁屠、そして他の"仄"のメンバーの区別なく弓矢を番え狙って放とうとする。
「クソッ!呪霊はアレに当たれば死ぬぞ!チクタクは爆風で逸らせ!ワンロクは最大音量で相手の三半規管を壊しつつ希依子さん背負って逃げろ!」
(失敗した失敗した失敗した!あの結界が破られる訳が無いと思っていた!水銀を操る術式で破れる訳が無いと!誤算ってレベルじゃねぇぞ!推しのクローンを平気で作るバケモノがその程度で満足するはずがなかったんだ!)
音速を越える矢を、時計盤が付き拍動する心臓のようなチクタクロックの肉体の部位が投げられ爆ぜた爆風で逸らし速度を緩める。さらに裁屠が蝙蝠の羽に呪力を籠めて羽ばたきその風によって矢を散らす。
もう一度矢を番えようとする華流螺らのうち一体は、黒い塊を投げられそこから溢れた閃光が瞬き消滅する。二体はワン・ロク・ロックの
「だぁあああ!」
音速とは言え遠距離から来ることが分かっている一撃、一か八か額に手を構え白刃取りならぬ白矢取りを試み、成功した。
矢は呪力で具現化した物質のため消失する。もう一射を番って放とうとする空中の華流螺を無視し、素早く地面に落下した二体の華流螺の喉笛を裂き首の骨を折る。意外と脆いのだろうか。
もう一射が放たれる直前、裁屠は尾の先端を切り地面に血で円を描く。その円の中にいて術式を発動する。
「『
一瞬だけ筒状の結界を発動させ、矢を弾く。地面も一瞬だけ消失するが、蛙の足で軽く跳んだため落下することはなかった。
その後裁屠も空を飛び、最後の華流螺と空中戦に突入する。
「近接戦にさえ持ち込めば!」
距離を取ろうとする華流螺、近づこうとする裁屠。徐々に距離が縮まり、そして。
「……捕まえた!『
華流螺の体に血まみれの手で触れ、術式を発動して異戒に送還する。
目下の敵が現世から消失し、銀蠅の義体の姿を確認するが追ってくる様子はなくこちらを見つめているようだ。
一瞬張り詰めた体の力を抜き、そして
「こっちもつーかまーえた」
「ッ~!!」
皮翼が死角になった背後に、水銀の球体から顔を出した人形大の銀蠅本体がいた。片翼を失い、落下する裁屠に追撃を仕掛けようと、黒い球体を両手で放る。
小さな腕で投げられたそれを何とか片翼で回避しつつ、落下していく裁屠。
「なんなんだ、それは。黒閃を封じ込めたとでも言うのか!」
「そ、ちょっと違うけど正解。前に言ったよね?私の水銀は『呪力を吸収して閉じ込める』性質を持つ。限界まで呪力を閉じ込めた水銀は金属光沢が失われて白く
「加茂憲倫でも気取ってんのかよ。……だが、良いことを聞いた。それをお前の懐で爆ぜさせればいいんだろ?お前は昔っから無駄に自分の能力をひけらかしたがるもんなぁ!」
翼を再生させ、羽ばたいて相手より位置エネルギーの高い場所を取ろうとする裁屠。だが、水銀塊を背後に浮かせた銀蠅の急制動高機動には及ばず。
ひらりひらりと翻弄される裁屠。どんどん上昇していき、先ほどとは異なる理由で気圧が少しずつ下がっていく。
「私にドッグファイトで勝てる訳ないんだよねぇ。じゃあキャットファイトにでも持ち込む?あ、あくまはこっちがお断りなので智礼ちゃんに代わってもろて」
「お前がその名を口にするなよ、水銀妖精ィ!」
一直線。下から羽ばたき拳を振おうとする裁屠に、水銀妖精はにやりとその球鏡面顔に笑みの弧を浮かべる。
「ようやく真向から近づいてくれたね。これでノーコンの私でも当てられる」
片手に一つずつの弐繰弩を握り、投げつけた。黒い閃光が二度瞬き、翼で全身を覆い防ぐ裁屠だったが、二つの翼が吹き飛ぶだけでなく骨が数十本、内臓が数個破壊される。
「ビンゴォ!」
術式の特異性を除いた地力では未だ特級呪霊に届かぬ裁屠の身では修復するのに時間がかかる。
落下していく裁屠。しかし、片目を瞑った直後にその口角は上がった。"仄"限定掲示板を閲覧したのだ。
「やれ、ワンロク」
小声でつぶやきつつ、それと同じ内容を掲示板に送信する。
華流螺の消滅を掲示板で知らされ、"仄"ら二体と一人は戦場に戻ってきた。そのうち一体、ハンドルネーム『ワン・ロク・ロック』こと、
遠叉の術式は、その物体の固有振動数を見抜き、音波を放射して破壊する術式。すでに遠叉は弐繰弩を見ている。
呪霊を含む生物の場合は、組織によって固有振動数が違うため完全な破壊は困難だが、無機構造物は十秒もかからず確実に破壊できる。
ヒィイイイイン、と高音が鳴り、銀蠅と裁屠の耳にも届く。銀蠅はすぐにその現象の意図に気づき、領域を展開して自分ごと領域の中に弐繰弩を引き込もうとするが、発動は間に合わない。
黒閃の光が、銀蠅の背後、ぶどう状に包まれた水銀の中で弾けた。
十数もの黒い閃光はその大部分が水銀に吸収されたが、水銀膜の薄いところから漏れ出ていく。それだけで、銀蠅の翅と腰から下を消し飛ばすには十分だった。
「アッガ、ぐぅううう!」
十年間自身のポテンシャルに向き合った銀蠅は、その呪力量も術式も、十分に特級呪霊として相応しい実力を誇る。
しかし、その矮躯故に、耐久性だけが致命的に足りていない。それを義体というモビルスーツに搭乗したりすることで補っていたが、その場合は翅による高速機動が生かせず、本気を出すときは殆ど義体を降りていた。
漏れ出た黒い閃光によって大打撃を受けた理由である。
領域の展開に失敗し、術式が一時的に焼き切れ、水銀の体積が減少する。完全に消滅しない理由は、銀蠅は実際の水銀と具現化した水銀を混ぜて使っていたからだ。
そして減少した水銀はコントロールを失って飛び散り、銀蠅の手元には砕けなかった三つの弐繰弩だけが残った。
銀蠅も裁屠と同様に落下していく。
それとほぼ同時に。"星帳"が上がった。
気絶した湊千尋を背負う釘崎野菊。
そして首だけになったアンゴルモアの頭を持つ五条悟が、そこには立っていた。
「呪霊同士でなんか戦ってんな。どっちを倒せば良い?」
「どっちかは"仄"のはずじゃが……どうせ禪院家の飼い犬じゃし、五条の坊が味方する道理はなかろう。こんな状況じゃ、背中から撃ったと言われることもあるまい」
「そうか、面倒が無くて良いな。アンゴルモア、やれ。野菊さん、頼む」
「うむ」
『承知した、我が勇者』
先に落下してくる裁屠にはアンゴルモアの光線を。そしてそれが効かない(と思われている)銀蠅には、釘崎野菊から流入した反転エネルギーを術式に流し込んで、
「術式反転"赫"」
無限の急速な発散を秘める"赫"が射出された。
欠損の苦痛に喘ぐ銀蠅は、その紅い光を見て、しかし絶望の涙ではなく、長年の悲願が叶ったような感涙を流す。
弐繰弩=賢者の石を作る過程の一つ、黒化・ニグレド と 「二度手間(呪力貯蓄と黒閃への変換)のクロスボウ」のダブルミーニング これが術式が焼き切れても解除されない理由は、すでに水銀ではなくなっているため、術式のコントロールから離れているからです。
つまり『赤』化もある訳ですね。
幻夜守鬼=マクロコスモス・ミクロコスモス。「人体(この場合は式神だが)と宇宙は照応する」という考え方がモチーフ
アレイスタークロウリー=今作ではミゲルや西宮桃パッパと同様海外呪術師(希少)という扱いにします。歴史上の偉大なオカルティストが呪術廻戦世界で呪術師じゃないなんてありえねぇよなぁ!?(異論は認める)