スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話 作:あやちん
名前がわからず会話もできないなど、さすがに不便と思われたのか名前をもらいました。
アンヌが私に指をさしさし、同じ言葉を繰り返すからいやでもわかった。
「みーあ?」
聞き返したらとても喜んでくれました。でもなぜかアンヌの表情が笑顔の裏で曇って見えたので、まぁあちらでも色々あるんだろうと、少し同情の気持ちがわきました。
ミーア。それが私の名前です!
自分の感性からすれば、十分可愛らしい名前だと思います。元男としてはアレだし、スライムだし、どうなの? ってところは置いておいて、女の子としては良いに決まってます!
やっぱ名前があればこそ、この世界に生きてるって認められた気分に浸れます! あ、いや、私が純然たる人かどうかなんて、この際どうでもいいのです、うん。
そういや今更の今更だけど……、スライムに性別ってあるのかしらん?
……。
私の生活は
子供な私はアンヌと寝食を共にすることになりました。
一緒のベッドで寝てますの、うふふん。私が最初寝かされてたところがアンヌの使ってる部屋でした。
朝起きたらアンヌが髪を結ってくれます。
こ、この俺……、いや私がツインテールです。うけた。
あるんですね、異世界にもツインテール。
幼女にツインテール。ありありのありだね。
ワンピース。最初は着せてもらいましたが、簡単なのですぐ自分で着られるようになりました。ま、被るだけだしね。サイズは詰めてくれてたのか、肩とか腕、腰の余ってたところがマシになってます。しかも二着に増量!
アンヌ、何気に女子力高い!
下着はパンツのみ。上は……、すまないツルペタで。いらないんす……。
ちなみに女性のお胸に当てる例のやつはこの世界でも確かに存在する! アンヌの立派な双丘にて確認済み。あれは良きものです!
食堂でごはんを食べさせてもらっています。
ここには、すでに知ってるヨアンの他に三人の男がいました。クルト、エリク、レナートって言う人たちです。ヨアンに自己紹介させられてました。
クルトは色黒の大男で、ずっとにやけてました。でかい手で頭をグリグリ撫でられて首もげるかと思いました。加減って言葉を知れ!
エリクは色白の痩身で、ぼそぼそ話すのでもっとデカい声でしゃべれって思いました。ちょっとオタクっぽいです。
レナートは上から目線の態度ですっごく嫌そうな顔をして自己紹介したので、私だってそんな顔するあんたなんか嫌いだ!って心の中で叫んでおきました。
みんな無駄に背が高いので普通の子だと怖がったりするかもしれませんが、私はぜんぜん平気です。人なんて怖くないし! 顔色一つ変えない自信あるし! 顔色はいつも青白いけれども……。
お約束、話大幅にそれた。
ごはんは質素でおいしいとは言えない。さすがにスライム体での栄養吸収は自粛してるので口からの食事は大事! まっずいけど食べてます。あ、言っちゃった。
日中は特にすることがなく退屈です。アンヌの手が空いた時に会話の練習をするくらいしかない。
まだ会話と言うには片言にもなっていないので無理がありますが。まぁスライム体細胞総動員で聞いた単語や言葉を吸収していっているので話せる日は近い……はず!
ぜひ! 早く話せるようになりたいです。会話は大事。人として!
アンヌたちはこの建物がある周りを見回ってます。巡回って言うんだっけ? そんなやつです。まだ外に出してもらえないので窓から外をのぞき見るだけですが。
見える景色はなかなか悲惨な状況です。点在する建物すべて壊れまくりです。
どうりで他の人たちの姿を見ないわけです。
ここに元々住んでた人たちはきっとアレです。その、ご愁傷さま……。
で、そんなことを考えながらふと気付いちゃったんですよね、けっこう大事なことを忘れてるってことに。
ここどこ?
助けてもらったのはわかってます。
漂着したのもアンヌ必死の
それで?
それで、肝心の漂着したここはどこなの?って話。当初の目的通り、対岸の陸地なの? それともず~っと流された、まったく別の場所なの?
ワイバーンが出没した形跡のある場所だし、私の想定したルート上ではあるような気もする……。
別にそれを知ったからどうなるって話ではないし、結果的に人と会うって目標は達成できているから大勝利なんだけど……、やっぱ気になるじゃないですか。
会話出来るようになったら自分がいたところとか、ここ。それにもちろんこの世界。色々知れたらいいと思う。
ああ、夢が広がる~!
こんな気持ち。湖や樹海に居たまんまじゃ絶対味わえないです。
p.s.
寝る前にアンヌが体を濡れタオルで拭いてくれる(遠慮のかけらもなくまっぱに
ヘタしたら人と会えた時以上の衝撃でした!
用意していた桶に手をかざし、アンヌが何か言ったかと思えばあら不思議、空だった桶に水がじわじわと湧いてきて、ついには桶を水で満たしたんです!
……。
魔法。
あったんだ……、うん。
んふふっ!
p.s.
大事(笑)