スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話 作:あやちん
女の子の体に入ってから四ヶ月も経ってたせいで、表情変えるのに手こずってるミーア十歳です。
ちなみに、涙は身体の反応としては出ます。でも悲しいって気持ちにリンクさせることが難しい。
今から泣くって意識すれば出せるのでまぁいっか。
言葉を習いだしてから一週間。
数の数え方や物の名前、最低限の必要な言葉とか、少しずつ少しずつ意思の疎通が出来るようになってきてます。
そうやって習ってる中でアンヌが懸命に教えてくれました。
私は、この村でワイバーンの生贄にされた女の子、ミーア
――
ミーアは十歳。親はいない。
村自体は飛んできた複数のワイバーンと思われる亜竜種に襲われて全滅。
片言でわかったのは今のところそれくらい。
でもスライム脳はマジ優秀(自画自賛!)で、一度聞いたことは忘れないからミーア助かる。
それにしても十歳って……。とてもそうは見えない。アンヌも少し悲しげな顔で五、六歳くらいに見えると言ってたし、私は八歳くらいって思ってました。
うーん、成長の認識に多少の
話してる中で一番知りたそうにしてたこと。
そりゃそうか。こんな幼女が四ヶ月も一人であの樹海、あ、あそこヴィーアル樹海って言うらしい。……樹海で生き残って、しかもここまでたどり着いたんだもんねぇ。たどり着いたのは偶然だけれども。
今はまだ言葉もあれだし適当にごまかしてるけど、どう伝えたものでしょう。
スライムが中に居まーすって話すのは論外として、身体能力高いとか傷なんかすぐ治っちゃいまーす、くらい話す? それはそれで色々問題ありそうだけど……、納得してくれるかどうか。うーん。
私が着てた銀虎毛皮にしても、どうやって手に入れたのかって、かなり
迷惑なのがクルトとかクルトとかクルト。暇があるとちょっかいかけて来やがるです。
「嬢ちゃん元気にやってるか?」
って、高いところから頭グリグリしてきます。気に入ったみたいで来るたびにされます。
ほんとクルト来るとうざいです。クルトだけにっ――。
あ、今のは笑うところです……よ?
――元おっさんですみません。生まれ変わってすみません。
それとレナート。あの
私をダシにすんな!
とまぁ周りは色々と私のこと(一部アンヌがらみ)でわちゃわちゃしてるけど、正直知ったことじゃないです。放置です。ややこしいことになりそうなら逃げてやります!
なんて簡単にはいかないんでしょうね。しがらみも少しは出来ましたし。
はぁ、人ってほんと面倒くさいです。
***
そんなこんな、なんやかやで、更に一週間過ぎました。
一応まだ逃げ出さずにいるミーア十歳です。
なんだか今日はみんなの様子が
忙しそうに動き回ってるアンヌにそれとなく聞いてみれば、どうやらアンヌたちの隊長さんが大勢を引き連れてここに来るみたいです。
アンヌたちはヴィースハウンって領地の境界を守ってる領境警備隊の隊員で、ヨアンは副長さんらしい。ふいぃ~、意味を日本語風に理解するの苦労したんですから。
くふふっ、この一週間で更に私の言語理解能力は格段にアップしたのだよ。恐れ敬うが良い~~!
――ネタばれすると、最近は図や絵を書いてやり取りすることを覚えたミーアちゃんです。
書くものは何かを固めて作ったチョークみたいなやつで、食堂にある正にそのためにあるであろう黒板もどきにカキカキしています。
絵を書いて尋ねれば答えてもらえるし、ついでにそれを表す字も覚えられます。一石二鳥とはまさにこのこと! 絵のセンス? そ、そんなの、わかればいいんですから、から!
す、すごかろー! えへん。
みんなアンヌのおかげです。ありがとうございました。
「まほう、おしえる? つかって、みたい」
片言で魔法のことも聞いてみました。使える? 使ってみたいの。使いたいーー!
「ごめんね。魔法についてはね、
ちょっとわからないところあるけど、要はまだ教えられないってことみたい。
ひどく困った顔をしてアンヌが答えてくれたので、これ以上の追及は避けました。どうにもわざと私にわかりにくく言った気もするし……。
なんか負けた気分なので、悔し気な表情を浮かべてみた。みた!
アンヌに生暖かい目で見られた――。
解せぬ!
ごほん。
とりあえずそのスヴェン隊長っていう人が来て、私の扱いがどうなるか? です。
逃げるか留まるか。
よーく見て判断したいと思います。
あ、でも魔法……使えるようになりたい……。
話よ、うごけ~~