スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話   作:あやちん

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四面楚歌?

 目が覚めたら見知らぬ場所でした。

 

 どうも!

 一度寝てしまうとちょっとやそっとじゃ起きない図太さが売りのスライム娘です。

 

 反省。

 

 いや、とは言っても自分の意志じゃどうにもならないわけなんですが。けれど殺されても死なない自信ありますし、なんとかなるでしょ、大丈夫。(意味不明)

 

 っていうかここどこ?

 

 いつもの部屋じゃないのは確かです。あそこはまあ、ね、不測の事態でぶっ壊れましたしね、仕方ないね。不測ですから、わざとじゃないですから。

 

 お約束の現実逃避は置いておきまして。実際問題、マジここはどこでしょう?

 私はどれくらい眠っていたのでしょうか?

 

 生き物からのエネルギー吸収も、通常の食事もしていない私は、珍しくもかなりお腹がすいてます。これ一日以上は寝てたんじゃない?

 目や耳はすっかり治ってます。自然治癒か、アンヌの治癒魔法か、どちらでしょう?

 きっと両方なのかもしれません。目は完全に潰れてましたからアンヌの魔法だけでは無理ですし、私は途中で寝ちゃいましたし。

 

 で、ここなのですが、殺風景で何もない狭い部屋です。

 

 私じゃ届かない高さに明り取り用の小さな窓があるだけで薄暗く、不思議なことにドアがありません。一体どうやって出入りするのでしょう?

 過保護なアンヌがそばに居ないです。いつもならずっと看病してくれてるでしょう。たまたま居ないとかじゃないです。そもそも人がそばにいた形跡すらないです。

 

 こんな部屋の様子で考え付くものは一つです。

 そう、独房です。なんとか良い方にとらえて言えば隔離室。

 

 まぁどちらも閉じ込められてるって意味では同じです。言っときますけど、前世でも入ったことなんかない!

 

 いや、これはもう独房以下! ドアすらないんだよ? 独房お約束の鉄格子もなくって、四方全て壁。

 それでね、よく見れば隅っこに小ぶりな壺など置いてあるんですよ。

 

 よもや、よもやですよ。あれにあれをあれせよと?

 

 乙女なスライム娘になんたる仕打ち!

 そんなとこで意地でもしないし、ミーアはウ〇チなんてしない! 実際しなくても大丈夫だしっ!

 

 むむぅ、完全危険物扱い。

 そりゃあ魔法暴走させて屋根とか色々吹っ飛ばしちゃったけど……、それでこの仕打ち?

 

 一体私のこと、何だと思われてるんでしょうか?

 

 こんな可愛い美幼女なのにひどくない?

 

 

 ……。

 

 

 …………。

 

 

 あ?

 

 あああっ!

 

 

 やばい。

 

 ほんとやばいことに気付きマシタ。

 これは今こうなってしまってるのも納得の新事実――。

 

 

 心臓動いてない。

 当然息もしてないです……わ。

 

 

 そりゃあ保護するべき幼女から、不審すぎる死体……みたいな幼女に変わるし、隔離だってされるよね……。

 

 アンヌ、驚いただろうなぁ、悪いことしちゃいました……。

 わざとじゃないけれど。

 

 原因はきっと魔法暴走。

 

 あれだけ凄まじくも無駄なものを引き起こした代償は大きかった。

 ミーアのレセプタの魔力だけでなく、どうやらスライム体の魔力をも引きずり出され、その暴走に使われてしまったみたいです。

 

 慣れないことはほんと慎重に慎重を重ねなきゃダメってことです。

 身をもって体験しました。

 

 その代償がミーアの体を無意識下でも動かすよう、スライム体組織に出していた自動命令(オートプログラム)のリセットです。

 

 結果、息も心臓も何もかもが止まった、生きた死体の出来上がり。

 

 全身に浸透しているスライム体自身は当然生きてるからミーアの体はちゃんと維持できるわけで、なんなら血液なんか無くても普通に動けます。けれど、それがないとケガしても血が流れないという、人として、というか命ある生き物としてダメなものになってしまうし……。

 

 

 とりあえず再命令、ちゃんと色々動かしてね。

 

 …………。

 

 ミーア再起動!

 

 

 はぁ……。

 でも。

 

 詰んだ――。

 

 

「……ここはもうダメです。見切りつけて出て行くしかないです」

 

 幸い言葉もかなり理解できるようになってきましたし。

 どこか遠く、いっそ、よその領まで行ってしまいましょう。そうしよう。

 アンヌが以前ちらっとだけ地図を見せてくれたから大まかな地理はわかります。スライム脳の記憶力万歳!

 

 

 そうと決まれば、魔法の復習しておこう。

 身体中の魔力をレセプタに集めて練って……、練って?

 

 魔力受容体(マナレセプタ)の魔力を……、って、あれれ?

 

 うまく練れない。どうして?

 寝てる間にもう使い方忘れた……なんてこと。いえ、このスライム体に限ってそんなお間抜けなこと……。

 

 いや暴走はしましたけれど!

 それは私がおバカだっただけでしてね。ま、まぁいいじゃないですか。

 

 それで、つい胸元を覗き込めば……。

 

「ちょ、何これ?」

 

 思わず着ていたワンピースをたくし上げ、ぽいと脱ぎ捨てます。

 かぼちゃパンツのみになった幼女ボディ。そのツルペタな胸に、いかにも何かの仕掛けありますって見た目の魔法陣っぽいものが描かれてます!

 

 くっそ、スライム娘の柔肌になにしてくれはりますの!

 

 これのせいで魔力が扱えない?

 でも、さっきスライム体の自動命令は復活できたわけだし、あくまでミーアの体限定の効果っぽいです。片手落ちです、バーカ、バーカ。

 

 あいつらもそこまでは気付けなかったみたいだし、気付かれてたまるか、だし。

 スライム体活動復活したから肌に描かれた? 彫られた? 魔法陣なんかどうとでも出来ると思う、きっと。

 

 

 でも、このままだといつかばれちゃうかも?

 

 

 アンヌごめんね。

 

 ミーア、どうにかしてばっくれます!

 




ううむ……悩ましい
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