スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話   作:あやちん

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入りまーす


冒険者ギルド

 昼過ぎにレイナールの町に入った私たち一行は、まっすぐ冒険者ギルドのある場所へと向かいました。

 

 町の中は、ソルヴェ村の草原や牧草地ばかりが目立つ廃れさびれた景色ではなく、元日本人の私をして目を奪われるものがありました。

 石造りの整然とした街並み、馬車が行き交う大通り、人々の活気にあふれた様々な市場など、私の好奇心をいやが上にも高めてくれます。

 

「ミーア、気持ちはわかるがまずは冒険者ギルドだ。くくっ、なぁに市場は毎日開かれてるんだし、また後で嫌と言うほどうろつけばいいさ。ほれ、いくぞ」

 

「ミーアちゃん、私が色々案内してあげるからね。がまんがまん!」

 

 御者台で二人の間に挟まれた私は頭を撫でられつつ、町中見物はしっかりお預けをくらいました。残念。

 女性三人組は、町に入った時点でお別れしました。商業ギルドへ向かうそうです。関わりはほぼなかったですが、三人のこれからの健闘を祈っておきましょう。

 

 

 

 冒険者ギルド。

 

 数あるギルドの中で、商人ギルドと共にもっとも知られたギルドの一つである!(受け売り)

 

「まさか私が冒険者ギルドに来る時がくるなんて!」

 

 中の人のリーマンおじさんが感動でむせび泣いております。

 市場を抜けほんの少し、すぐそばといっていいところに冒険者ギルドはありました。

 

 石畳の歩道に面した大きな石造りの建物です。三角屋根が急角度で立ち上がっていて、壁面には縦長の窓が開いてますが上に行くほど四、三、二とその数を減らします。三階建て以上は確実です。

 両側に母屋と接した平屋の建物が同じくらいの敷地を占有し建っています。正面に厳つい入口が大きく口を開けているので、そこからだと二頭立ての馬車だって余裕で入れそうです。きっとそこから色んな獲物とか収穫物を運び込むに違いないです!

 肝心のギルドの入り口は、建物正面中央に十段くらいの石の階段を上がったところにドドーンとあります。威圧感たっぷり、金属補強がビシバシ入った分厚い木製扉が出迎えてくれました。

 

 オルガは慣れたもので気にせず両手でバーンと威勢よく開きます。観音開きの扉ですが、片方開ければ十分なのにわざわざ両方開けます。脳筋野郎(オルガは女です。念のため)はやっぱ目立ちたがりなのでしょうか?

 

 浴びなくていい注目がいやでも私たちに注がれます。

 元日本のぼっちコミュ症ぎみのリーマンおじさんに、この注目は刺さりすぎです。

 

「ほれ、そんなに怯えなくて大丈夫だからよ。らしくねぇぞミーア。堂々としてろ」

 

 入ってすぐは屋内の半分くらいを占めてるホールでした。ぶっちゃけ酒場そのものです。お昼過ぎのせいかそれほど人はいません。というかこの時間に居る人は仕事してください。

 

 オルガの姿に軽くざわめきが起こってますが、それを気にせず突き進んでいきます。私とドリスはそれにちょこちょこと付き従います。

 

 ホール横の通路を抜ければ受付カウンターがあります。

 オルガはそこに迷いなく進みます。

 

「ほわ~~」

 

 喜びの余り声が漏れ出ました。

 あの受付嬢がいます。三人並んで座っています。ほんとに居ました。

 

 ラノベは嘘ついてなかった!

 

「ようエリーネ、久しぶりだな! ギルドマスターに会いたい。呼び出してもらっていいか?」

「オルガさん! 本当に無事だったんですね。しばらくお待ち……、いえ、そうですね、奥の小会議室でお待ちいただけますか? ギルドマスターに連絡してきますので」

 

 オルガがエリーネと呼んだ、すっごく美人で女性的な曲線にあふれたお姉さんは、ほっとした優しい笑顔を浮かべ、席を立つと奥に消えて行きました。

 

「よし、奥で待つとするか! ドリス、腹が減った。なんか適当に摘まむもん買ってきてくれや。部屋で食おうぜ」

 

「うんわかった。私もペコペコだよ~。ミーアちゃんはオルガと居てね」

 

 ギルドの打ち合わせするような部屋でおやつ食べていいのだろうか?

 小走りで酒場の方へ向かうドリスを疑問に思いながらも見送り、私はオルガに手を引かれ小会議室と言われた部屋へと向かいました。

 

 

***

 

 

「オルガ。まずは無事で何より」

 

 目の前に激シブの壮年おじさんがいます。前世の私とは大違いの、艶やかなロマンスグレイが目に眩しい、落ち着きがありガッシリした、いかにも頼りがいありそうなおじさんです。オルガと向かい合い、握手を交わしています。背の高さもほぼオルガと一緒くらい。百九十センチは確実に超えてそうな上背の持ち主たちです。

 

 ギルドマスターの横にはさっきの受付嬢、エリーネさんが控えています。綺麗。眼福です。

 

「お前の魔伝書簡(マナエピスル)からの報告を受け、レイナール川上流の水車小屋に冒険者を派遣した。結果は報告通りで生存者も無し、こちらで把握してる人数とも一致した。礼を言わねばならんな」

 

 向かい合って席に着いた私たち。オルガが真面目に話を始めてます。

 テーブルの上に食べ散らかしたジャンクフードが転がっててちょっとお間抜けな感じです。

 

「そうか、ならよかった。後始末を半分任せちまってすまなかったな、助かるわ。何しろ馬鹿みたいにかき回した奴がいたもんだからオレだけでは手に負えなくてよ」

 

 オルガが私をちらりと見ながら話してます。しーらない。

 

「いや、それが仕事だ、かまわんさ。あそこ以外の襲撃に参加した野盗集団の討伐、あるいは捕縛は残念ながら出来ていない。残党狩りの依頼があの隊商から出ている。また良ければ受けてやってくれ」

 

「へいへい、考えておくよ」

 

 二人が色々話を進めてますが私やドリスは横で聞いてるだけでした。ちょっと難しい言葉に理解の及ばないところもありましたが想像で補いました!

 

 

 

「それで、その幼子が報告にある娘で、今回の見習い対象者か?」

 

 あ、話振られた。

 

「そうだ。こいつぁやばいぞ、ボリス。見た目に騙されたらあんただって足をすくわれるかもしれんぜ?」

 

「実際見たことはないけどな」と笑いながら話すオルガの言葉に、ボリスと呼ばれたギルドマスターの私を見る目が細まりました。こわぁ……。

 っていうかオルガ、十八歳のくせにやたら偉そうです。冒険者ってみんなこうなのでしょうか? 年上はちゃんと敬いましょう! 元サラリーマンおじさんからのお願いです。

 

「ふむ。ミーアだったな? 話はオルガから聞いたが改めていくつか確認したい。それに魔力紋の登録と属性の把握も必要だ。断っておくが拒否は出来ない。これは冒険者登録時の義務だ。誤魔化しは許されない」

 

 

 うげ!

 魔力測定イベント、きたこれ!

 

 そんなのあったんですね。

 

 どうしよう?

 




どうしようイベントです
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