スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話   作:あやちん

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とりとめもなくグダグダなお話


アールヴ
ひまなミーアの行動計画


「あ~、ひ~ま~」

 

 どうしましょう。

 暇です。

 

 町から出たのはいいものの、目的も何もなくただただ歩き、無為(むい)に過ごしてたらあっという間に七日も経ってしまったのです。

 

 代官様の館から逃げ出し、町の防御の要である外郭もさほど苦労することもなく外へと出てしまった私です。

 

 ああもた易く抜け出せるようでは、入るために色々苦労したことがとてもむなしく思えてしまいました。

 

 なんかこう、結界的なものがあるかもと無駄に用心しながら外郭越えした私が馬鹿みたいです。

 以前、警備隊の砦や野盗のアジトに閉じ込められた時には魔力を抑え込む魔法陣や結界などというふざけた仕掛けがあって、それから(のが)れるためにグロいことしたこともあり警戒したのですが、見込み違いもいいところなのです。

 

 きっと町全体を覆う、大規模な結界を張り続けるなんてことは不可能なんでしょう。

 

 そりゃそうです。

 町全体、しかもそれを通年だなんて、魔力がどれだけあっても足りないと思います。

 

 効果を得るにはそれなりの見返りが必要。

 都合よく町全体に結界を張り続けるなんてこと、出来るわけないのです。

 

 それにしたって、まぁ、ご安全に出られたのは大変結構なことなのですけれど……、ちょっとねぇ。

 

 

 それはそれで……、

 

 つまんない。

 

 

 などと贅沢な文句を定期的に思いながらも歩き続けてる私です。

 ただ、歩いてる場所は街道じゃなく森の中なんですけれど。

 

 いくら私が無計画で考え無しだとしても、さすがに人や馬車の往来が多い街道をのん気に歩いたりするわけないのです。

 

 ほんとですよ?

 

 あのお貴族様やギルマスから、いつ捜索の手が伸びて来るかわかりませんからね。

 

 これでも元日本人の()()()な中年サラリーマンだった男なんですから。

 警戒すべきときはちゃんと警戒する。

 

 そう、出来る幼女なのですよ、私は!

 

 

 ただ、人と関わる中で、おじさんアイデンティティが若干崩壊してきた気もしますが……。

 

 スライムっぽい体になって幾星霜(いくせいそう)、それでも前世の記憶なんてものが今もって残っているのはとても不思議ではあるけれど。

 

 それはまぁ考えても仕方ないことで。

 

 私が私であるのは間違えようのない事実なのです、はい。

 

 

 おっと、久しぶりに脱線癖が出てしまいました。

 

 そうそう、警戒しなきゃって話でした。

 何にしろ面倒な人たちに見つかるのは面倒くさいので工夫しました。

 

 見つかるとすれば、何が原因なのかと考えればやっぱ魔力に行きつくわけです。

 私の場合、ミーアの魔器官が最大の魔力発生源なわけですが、スライム体からも魔力が出ているので注意が必要です。

 

 ミーアの魔器官はギルドで他に類を見ないくらいに発達していると言われたくらいなので、対策しなければここに居ますって積極的にアピールしているのと変わりないです。

 

 だからやったことはミーアの魔器官の活動を最小限に抑えることです。気配をなくすために今までに何回かやってることなので全く問題ないです。

 

 対するスライム体の方は、ミーアの体に浸透しているものとスライム脳が主な魔力発生源になるのでしょうけれど正直詳しいことは私にもわかりません。

 魔力測定の結果にしても、あれは全てミーアの魔器官からのもので、そこにスライム体の魔力を示す情報は何ら出ませんでした。なぜ言い切れるのかは感覚的なものなので説明は難しい……。

 

 魔力が微弱ってことはないと思うのですけれど、測定結果に出ないのは何とも不思議です。

 が、ミーア的にはその方が断然都合良いので秘密なのです。

 

 にもかかわらず、あの砦のお貴族様にはなぜかばれてしまいました。

 驚いて一瞬漏らしてしまったミーアの魔力はすぐに抑え込んだわけで、あの人はほんと、どうやって伸ばしたスライム体の存在に気付き、かつ切断までやってのけられたのでしょう?

 

 ふう……、これは今悩んでいても解決できるものでもないし先送りです。

 検証できるような事態になっても困りますから現状維持が良いですね。

 

 

 

 魔力と言えばもう一つ。

 

 森の中は危険がいっぱい、準備もせずに森に入るなとはよく言われることですが、ミーアの魔力を抑えたことで魔獣から襲われることはほぼ皆無となりました。

 

 

 とてもつまらないです。

 

 

 このままでは退屈でだめになります。

 このままでは湖にいた時の暮らしと変わらなくなってしまいます!

 

 それでふと思ったのですが、ミーアに入る前、湖で過ごしていた時の私は他の生き物に襲われることはまずありませんでした。

 まぁ湖に同化しているかのごとくなスライムっぽい生き物だったわけですし、襲いようもなかったかもしれませんが……。

 

 それはともかくとして、そもそも魔器官をもつ生き物が湖には居なかったわけで……、スライム体なんて魔器官どころか何の臓器も、核となるものすら存在しないわけで……。

 

 うーむ、私って一体?

 

 前世の記憶から勝手にスライム体って呼んでますが、実際のところ私自身が私のことを全然わかっていません。

 

 

 それにあの湖自体も不思議なところです。

 まだまだこの世界は知らないことでいっぱいです。

 

 

 あ、だからと言って調べて回って解明したいなんて殊勝なことを言うわけではないですよ。

 ただ楽しめればいいのですから。

 

 

 それを踏まえ、暇を逃れるための行動方針として、『領都に向かい新たな出会いを求める』か、『人を避けつつ冒険の旅に出る』か、あるいは、『樹海経由で湖に戻る』、そんな選択肢が考えられます。

 

 とりあえず。

 

 湖に戻るのはないですね。

 一番つまらないです。

 

 領都に向かうのはいいですが、当分人とは関わらない方が良いでしょうし……。

 

 消去法で人を避けつつ冒険の旅で決定です!

 

 

 とりあえずね。

 くどいね。

 

 

 そういえばワイバーンの魔器官はまだ吸収できていませんし、それを目的の一つにするのもいいかもしれません。

 

 

 

 

 ところで、話は思いっきり変わりまして、ぷにょ収納のことなのですが。

 

 ぷにょだけに体から離すことが出来ないのが難点だったのですが、その点も魔石に魔力を込めたことがヒントになり解決出来ちゃいました!

 

 そう魔石です。

 

 まず自分の魔力を魔石に十分に注ぎ込み、虹色化した魔石つくりま~す。

 虹色じゃなくてもいいのですけれど虹色になっちゃうから仕方無いのです。自分の魔力っていうのが大事なところです。

 

 それをぷにょ収納に放り込みま~す。

 

 するとあら不思議!

 私から完全に分離しても、ぷにょ袋は死滅することなく存続することが出来たのです!

 

 虹色魔石の魔力が続く限り、スライム体の生命維持と行動プログラムの維持が共になされるので、一見すると普通の皮袋のように使うことが出来るわけなのです!

 

 ミーアやっぱり天才じゃないかしらん。

 

 これでどこへなりとも置いておけるようになりとっても便利です!

 

 背負い袋を持てないときは、かっこ悪いですけど紐付きミーアになって体から直接出し入れするってことをしなければいけませんでした。

 それはそれで、某青いネコみたいに究極便利なんでしょうけれど人前で使いにくいですし、あまりに不気味です。

 

 ふふ~ん、これだって改善できました。

 

 魔石利用の副次効果として、虹色魔石を収納したい品と一緒にしておけば、それを目印にスライム奈落から探し出し、取り出せることに気付いたからです。

 

 あまり多くなるとどれがどれって覚えておくのが大変なのが玉に瑕(たまにきず)ですけれど。

 ほんとに大事なものは直接ミーア自身にしまっておきたいと思います。

 

 何よりミーア自身に入れておけば魔石の魔力は尽きることがないので永久保存できます!

 

 

 

 なんか、ミーア自身に入れるって……。

 ちょっとエロいなって思えるのは私の心がおじさんだからでしょうか?

 

 

 

 …………。

 

 

 

 

 はい、それではそういうことでっ!

 

 

 旅を続けていきたいと思います!

 





いけ~!
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