スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話 作:あやちん
能書き多くてすみません
野郎しかでなくてすみません
「ご報告が遅れてしまったこと、このクリスティアン、心よりお詫び申し上げます」
俺の目の前でゼスチャー交じりの大げさな謝意を見せる長身痩躯の男は、我が隊の魔法士であるレナートの父親であるダール伯爵だ。
ダール伯爵家は魔法技術の発展に寄与することで、ヴィースハウン領主より古くから領都の貴族街の一角に館を構えることを許された魔導貴族であり、領地は持たないものの領都においては一目置かれている存在だ。
「ああ、久しいなダール伯爵。変わらず息災のようでなによりだ。手短にいきたい、早速わかったことを聞かせて欲しい」
全属性持ちの幼子ミーアが創り出した虹色魔石。レイナール子爵館への侵入犯から刈り取った遺留物……こちらもミーアの物に違いないと
それらをクリスティアンに託し、いかなるものなのか精査させていたのだが、その結果がまとまったという
「ずいぶんと気が急いてお見えのようだ。わかりました、早速ご報告させていただくとしましょう」
重厚な
虹色魔石はミーアが姿をくらますまでに十四個創られ、そのうちの八個をギルドよりもらい受けた。その中から、クリスティアンには四個渡したのだが、さてどのような調べとなったのか。
「虹色魔石の精査を進めた中でわかった特性として、まず汎用性が恐ろしく高いということです。属性にとらわれない使用が可能で、いかなる魔道具においても使用可能でありました。また道具や武器への
クリスティアンめ、置かれていた属性に統一性がない魔道具と、虹色魔石で実演しながらそれについて語るうちにどんどん
だがそうなるのも頷けるほど、虹色魔石の秘めたる可能性は高い。
であるのだが……、
「わかったわかった。虹色魔石について短時間での精査、大変ありがたく思っている。詳細については書面にまとめて、報告をあげてもらいたい。だが今は遺留物について知りたい。そちらについてはどうなのだ?」
俺が最も知りたいのは遺留物についてなのだ。
「なるほど、そうでしたか。もちろん調べております。こちらについては虹色魔石以上に興味深い結果が出ておりましてな、調べが進むにつれて、それはもう……」
「クリスティアン! わかったゆえ、報告をたのむ」
まったく。いいから早く報告するがよい!
「ええ、ええ、わかりましたとも。では遺留物ということで渡されたものについてですが。結論から申し上げると、こちらは先代ダール伯爵である私の父より聞かされた『魔喰いの精霊』が住まうと呼ばれる湖由来のある物の組成とよく似ております。いや、そのものと言って良いかもしれませぬ」
なんだそれは!
また想像の
思わず突っ込みを入れたくなったが、気持ちを抑え話を聞くことに努める。
「その湖と言うのはスヴェン様がご存じであるかどうか知りませぬが、ヴィーアル樹海の奥深くにある湖のことを言います。残念ながらその地に行ったことはありませぬが、数代前のヴィースハウン公がアールヴ
アールヴ征伐の話は、俺も習った記憶がある。
アールヴ族は額に角のあるその見た目から、魔獣との混じり物との
当時も今と変わらず魔獣の領域であるヴィーアル樹海に精鋭部隊とは言え、追跡に貴族の子弟を送り込んだことで相当揉めたようだ。
何しろ百五十人からを送り出し、生還したのがたったの二十人ほどだったとか。しかも追いつめたと言えば聞こえはいいが、実態は双方傷み分けの厳しい戦いだったらしく、逃げ帰ってきたと言うのが本当のところらしい。
まあ、これは表には出せない話だが。
アールヴ族に関してはそれを境に征伐の機運は一気に下がったようだが、その頃にはヴィースハウン領どころかフェイロー大陸全土においてさえアールヴ族の姿を見ることはほぼ無くなっていて、それはもうそうなるしかないだろう顛末だった。
アールヴ弾圧を良しとしなかった
「ほう、そのような奥地にある湖か。しかも魔喰いの精霊とはまた
「そう思われるのはもっともなのですが、これは確固たる事実に基づくもの。実は精鋭部隊の生き残りに当家の者もおりまして、その湖での体験を当時の当主に語り、また証拠の品として水筒にその湖の水を入れ、持ち帰っていたのです」
***
「なるほどな。湖で身を清めようとすれば魔力が急激に抜けていく感覚を覚え、その湖水をよく見れば何やら
魔獣ひしめく樹海の奥より戻ってくる最中、そのようなことまでこなすとは、見上げたものだな。
「はい。残念ながら当時のそれはさすがに失っておりますが、
今の話を聞いたうえで改めて遺留物を見れば、今まで持っていたイメージと違う物に見えて来るから不思議なものだ。
「魔喰いの精霊……」
かかさず魔力を与え続けていたおかげもあり、未だそれは子爵館で刈り取った当時のまま、瑞々しさを保っている。
「確かにこれは魔力を喰うという見方も出来る……」
「いかにも。それともう一つ。これも面白いですぞ。ミーアなる女児は、冒険者ギルドで魔力紋を登録しておりまして、その登録情報を精査しましたところ……ギルドではノイズと捉えたようですが、実は紋様は二つあることが確認できました。一つはもちろんミーアの登録紋なのですが……」
目尻のしわを深め、黒味が強い深い
ダール伯爵はこれがなければもっと扱いやすいのだが、面倒なやつめ。
ま、ここまでお膳立てされていれば、いやでも察しはつくというもの。
「いいから早く述べよ」
「ふふ、そうですな。非常に弱い紋様でしたのでノイズと間違えるのも無理はなかったのですが……、間違いなくそれは今回の遺留物より発する魔力紋と
俺はもう絶句するより他なく、とっさに言葉が出せるはずもなかった。
どうなってんの~