スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話   作:あやちん

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うんちくによるうんちくのための回
たいくつなので飛ばしてもよいのです。


ミーアのくせに色々考察?

 危うくリイ=ナを酸欠でやってしまうところでした。

 

 晩ごはんの時もぷにょ収納にいっぱい放り込んであったものの一部を提供したらドン引きされましたし……。まぁ出したもの自体は喜んでもらえたからいいのですけれど。

 人との関わりがしばらくなかったから、つい自分本位で動いてしまうので気を付けないといけませんね。

 

 それにしてもまた面倒くさい事態になってしまいました。

 せっかく空を飛べるようになって、楽して湖まで行けると思ったとたんにこれですから。

 

 リイ=ナが持ってたペンダントの中身は、湖でのべぇっと適当に広がってた時の私の一部でした。

 死なないよう魔力を与えて、ご神体よろしく、ずっとお世話してくれてるみたいです。

 

 っていうか私の体を勝手に持っていくなって話なのですが……、それはもう時効ってことで許してあげましょう。

 

 スライム体には脳や内臓みたいな重要器官というものは存在しませんが、ある程度のスライム密度がないと意味を持った動きは出来ませんし、今こうやって思考している私という意識を持ったスライム体は全体の中の高密度な部分においてのみ存在し得ると……と自分なりに理解しています。

 ただそれは存在場所を固定されているという訳ではなく、高密度なスライム体の範囲内においては、私の意識はどこにでもありえると言っていいと思います。

 

 ま、そうは言っても今現在スライム体のほとんどは謎空間に収まってるので、実質外の世界を認識しているのは、ミーア脳スライム体で、全身に浸透しているものを含めてもスライム体全体積からすればほんのひと欠片程度でしかないのです。

 

 湖に広がっていた時はすべてのスライム体は謎空間に収めることなく……っていうか謎空間って概念もその時点では意識していなかった気もしますけれど、外の世界に存在していました。

 ミーアの体で行動するようになってからというもの、人の体に浸透したり、大きく広がったり、小さくまとまったり、伸びたり縮んだりと、見える範囲で考えると質量保存の法則を無視したかのようなスライム体運用をしていて、自分のことながら謎の存在にすぎました。

 けれど、そんなスライム体たちはどこだかわからないけれどどこかにある、謎の空間に納まっていると考えておけば質量は変わってないことになります。

 

 質量保存の法則復活です!

 ぷにょ収納もその謎空間を活かしたものですし。

 

 話があちこちしましたが、要は湖の端々に伸びていた末端のスライムたちは毛細血管の先っぽみたいなもので私の意識は関与しておらず、ただ決めてある行動だけをするようなものだったということです。ぶち切られても何とも思わないし感じる必要もありません。これがある程度密度のある部分であれば、感知したのかもしれませんが、まぁ私も適当にのべぇっと生きてましたし、動物も頻繁に岸に寄ってきますしね、いちいち反応してたらキリがないともいえます(言い訳)

 

 そんな体の一部なのですが、末端の末端であるところの木っ端スライムちゃんですらある意味、優秀な記憶媒体であると言え、周囲の出来事を記憶していました。ただし体積が少ないせいで古い出来事はすぐ上書きされてしまい、残っていたのはここ数年くらいのものでしかないです。

 

 リイ=ナたちのことが分かったのはそんな木っ端スライムちゃんのおかげです!(自画自賛)

 

 しかしあれですね、湖のほとりにリイ=ナたちの村があっただなんて……、灯台下暗しとはまさにこういう事を言うのでしょうか?

 私のスライム体としての主な部位があったところから見れば離れた場所であったとしても、人を探しにわざわざ樹海(もり)を横断し、海峡を渡った私の苦労は一体なんだったのでしょう!

 

 落ち着きましょう。

 無駄では無かったです、無駄では。

 

 湖で暮らしていたら(いま)だに魔力や魔法に付いて知らないままだったかもしれません。

 そうなれば巡り巡って空も飛べてないですし、ついでに言えば、この世界の言葉も知らないままでしょう。

 なによりアンヌにも出会えなかったし、ドリスやオルガとも知り合えなかったでしょう。ただし貴族とかいう面倒くさいやつらにも目を付けられちゃいましたが……。

 

 とにかくです。

 リイ=ナと一緒に行くとなったからには、飛んでいる訳にもいかず一緒に歩くしかない。

 

 リイ=ナの横をふよふよ飛ぶってことも出来なくはないですが、樹々生い茂る樹海(もり)の中で大きな(はね)を伸ばすのは現実的じゃないのと、一番の問題は魔力をまき散らしてしまうってことです。今の私ではまだまだ飛ぶ時に効率よく魔器官を使うことが出来てません。

 

 これではミーアは魔獣ホイホイになってしまいます。

 今思い返してみると、この体を手に入れて以来、やたら魔獣に狙われていたのは魔力を垂れ流し状態で樹海を歩いていたからに違いないと思う次第です。

 

 はぁ、ほんと面倒くさいですが、エルフっぽいアールヴ族の村も気になるのは事実。

 どうせ湖に里帰りしようと思ってここまで来ていたわけですし、それに結局のところあの湖に魔獣が居なかったのは私が住んでいたからだっていう、アールヴとんでも理論を確認したいっていうのもあるし。

 

 話によってはしばらく一緒に暮らすのもやぶさかではないですね。

 それもアールヴの長老たちや、リイ=ナがじじ様って慕ってるアズ=イの出方次第って言うのもあるけれど、迫害されたアールヴ族の人々に同情の気持ちがあるのも事実。

 やっぱ人、アールヴ流に言えば汎人(はんじん)族の貴族ってろくでもないよね。どこの世界でも人間ていうのはそうやって他者を貶めなきゃいられない、因果な性分を持った存在なのかも知れないです。

 

 私も人のことは言えないかも……、ですけれども。

 スライムだけど。

 

 私が翅を消した姿になった時、リイ=ナが少しだけ眉を(しか)めたのを私は見逃してはいないのです。私の姿に汎人族を重ねたのかも知れません。実際ミーアボディはまさに汎人族なのでしょうしね。

 

 なんともやるせないことです。

 

 

 まぁしかしなんですね。

 

 私の住んでた湖、フィーラヴ湖って名前らしいけど、そこがサンクチュアリ(支配精魔域)なんて呼ばれてるなんてね。しかも私のことを主様とか、精霊様だとかもう……恥ずかし死ぬ!

 リイ=ナはリイ=ナで、私の扱いがなんだか腫れ物を扱うような慎重さで、それは酸欠事件でさらに助長されたような気がします。はい、私の自業自得ですね、ごめんなさい。

 

 

 リイ=ナは風魔法と土魔法を併用しながら、歩きやすよう器用に進路を切り開き、というか整えて進んで行きます。さすが森の民とも呼ばれているらしいアールヴ族。そういうところもエルフっぽいです!

 そうやって進みながら、私が時々樹海の上まで飛んで湖の位置を確認してますけれど、この調子で行けばあと三日とかからずに辿り着けるでしょう。

 

 

 無地到着出来ることを祈るとしましょう。

 





祈るとしよう!
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