スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話 作:あやちん
私の
おつむスライムで寝る必要あるのか? って疑問も生じると思うけど、やはり思考する生き物? であるところの私は断然睡眠を欲するのである!
とは言っても危険な樹海の中。スライム体全体が完全な睡眠を行っているわけではなく、私を担っているスライム体以外がきっちり周囲の警戒を行っています。まぁ、私という意識は眠っていて完全覚醒状態じゃないから完璧とはいかないけど、スライム体はそう不覚をとることもないでしょう。
樹上睡眠も最初は落ちそうで怖かったけど、人間? とは慣れる生き物。今ではどうということはない!
起きたらやることは決まってる。出すもの出さなきゃです。スライム体が浸透した体とはいえ人間がベース。ゆえに生理現象は起きる。まぁ力技でおなかの中身を吸収してしまうことも出来るかもですが……、いや、やっぱやだ! 普通に出しましょ、普通に。どうせ誰も見ちゃいないんだしね。気にしない気にしない。ちなみに、何を出すとか聞いてはいけないお約束。
乙女の秘密なんだからね!
くぅ、このセリフは元おっさんに効く。恥ずかしさMAXだ。自己嫌悪。
かなり大きなネタ振りだったけど実際のところ、口から食べるものはほぼなく。獲物は吸収! ってパターンがほとんど。時折見つかる木の実や果実が口に入るものの全て。ああ、出すものないね。
肉だ。じゅーって焼いて、たらり脂がしたたる肉。お肉が食べたい!
できれば塩、コショウ、あとしょう油もほしい!
……はぁ。
樹海の中を歩いてるわけですが、獣道をたどっているだけではそいつらの縄張りをぐるぐる回るだけになるので、その点は気をつけなければいけません。
何を大きな目標に進んでいるのか?
それは私自身が答え。
この体をもたらしたワイバーン。そいつらが飛んできた方向である北東。大雑把ではあるけれど、そちらに向かって歩いてます。住んでた湖越し、どこから来たなんてあまり意識していなかったからマジ適当。でもないよりはずっとマシだよね。この体にどんな出来事があったのかわからないけど、少なくとも人が住んでいるところがあるのは確実。
そこを目指さずどこを目指すというのか!
はぁはぁ、落ち着け私。
ええと、私特製、銀虎毛皮ワンピースを着こんで歩いてる私だけど、実は足元に変化がある!
日々出来ることを模索している私は、足元に注目。サンダルとかなら簡単じゃね? と、得意のスライム体を使って工夫した。基本はスライム体による保護コートです。足裏に多少厚みをもたせたスライム体を張り付かせ、サンダルならではの鼻緒の形も模してみました。ついでに光の屈折率を変化させて色を変えたので、見た目的にも安っぽいビーサン履いてるように見えます。色は見る角度で多少違って見えるのはご愛敬だね。
ただし、張り付いてる(体の一部)ので脱げない!
そんなこんなでDIYっぽいのをたまにしながら、日中は漠然とワイバーンたちが飛んできた北東を目指して歩き、暗くなったら寝る。そんな毎日。
話は変わるけど、やっぱり角付きとか牙デカを仕留め、あの謎器官を吸収すると、何らかのタイミングで体に活力というか、精気というか、そんな漠然とした力の向上がみられるようです。気のせいではなく間違いなくそれはある! 一番の証拠は自分自身の謎器官。それが少しずつ成長してきているとともに、そこを起点に巡るものの量が明らかに増加しているのです。それこそが活力、精気の源と考えられるし、なによりそう思いたい。
これってやっぱラノベ的発想でいえば魔力的なものと言ってもいいんじゃないの?
というか言わせて!
つい興奮してしまったけど、だからどうなのというのが現在のところでもあります。それを使って何か出来るのかもしれないし、体力的に向上するとかだけかもしれない。わからないものは仕方ない。のんびりやっていきましょう。
湖を出て三ヶ月。
スライム謹製の頭脳は優秀で記憶力には自信あるから日数に間違いはない。(自慢)
くどいようだけどこの世界での三ヶ月ね。日の出日没回数での三ヶ月。よろしくね。
魔獣もそれなりに狩った。あ、角付きや牙デカのことをひっくるめて魔獣って呼ぶことにした。この樹海、角付き率高くてもうね。
小型のだとウサギですら角付きいたし。なにげに肉食で鋭い角で突っ込んでくるから困る。大型だと双頭の蛇とかもいて、巻き付いてくるわ、しばいてくるわで、きもかった。これは角じゃなくて牙デカだったけどね。他に熊系、お約束の犬系も出た。連携して襲ってきてウザかった。でも、おかげさまで相当謎器官成長したはず! きっと。
今の私の
服は虎毛皮。腰帯は虎しっぽ。その帯に牙デカ猪の
これが今の私の全てだ!
創意工夫でなんとかなる。私の好きな言葉です!(メ〇ィラス)
自分自身もバッサバサだった髪も今では艶々。やせ細った体も健康体そのもの。(ただし肌が青白いのはそのまま) 新陳代謝は一応しているので川を見つければ沐浴してたけど、いざとなればスライムパックでお肌も艶々にできるよ!
ちな、薄紫色した髪は伸びて腰に届きそう。それをポニーテールにまとめてる感じ。ひもでくくるだけ簡単! 紫色したつぶらな瞳、愛くるしい小鼻と口。お顔もキュートで可愛いよ私!
などとノリノリの私の気分は、目の前の光景に一撃で消沈した。
樹海が切れ、目の前に視界が広がってくるのが見えて喜び勇んで走っていた。
いや、海の匂いを感じるようになったしね。海岸近いかな~とは思っていた。
「うわ、たっか!」
崖でした。
絵にかいたような断崖絶壁。
以前獣道からたどり着いたこともあるけど、あれは川沿い。今は海。
絶望感がひどい。ひどすぎるわ。
次いこう