スライムになった私が女の子の体を使ってどうにかなった話 作:あやちん
あのキモイ魔獣?釣鐘イソギンチャクもどきの群れがあれで終わりと思った私を笑ってやりたいです。
同じような群れが至る所にあって愕然とした、悠久の時を生きるスライム娘、ミーア九歳です。なんか矛盾を感じますがいいのです!
基本雑魚なので対処自体は問題ないのですが、キモさ半端なくSAN値削られるので元日本人サラリーマンの心が少々
おかげさまで湖の清浄さ回復に相当貢献したかと思われます。深い処の透明度も随分改善されてきました。奴らめ、相当悪影響を及ぼしてくれていましたね。
ところで、たくさんいた水生の動植物たちですが、植物の方はヘドロ?まみれになりながらも何とか生きながらえていたようで、水がきれいになってきた今は湖底をさわさわゆらゆらと湖流にあわせて揺れてる感じでありまして、気のせいかもしれませんが伝わってくる魔力の雰囲気がとてもアゲアゲな感じです。
いやマジで。
つうか植物強し!
まぁそれもあと数週間も経っていたらどうなっていたかわかりませんが……。
水棲動物やお魚さんたちはどうなったかといえば、かなりの数が死んでしまったり、あのキモイ魔獣たちの餌食になった(魔力だけでなく普通にお肉も食べてました)ようですが、一部が比較的影響の及んでいなかった沿岸部の小さな入り江や湿地で弱りながらも生き延びていました。
うんうん、また地道に数を増やしていければ良いね!
ま、そんなこんなで湖の回復も目処が立ってきた感じです。
どれくらい時間が経ったのかわかりませんけれど、いい加減一度
ミーアボディの胃にも何か入れてあげないと。
ってことで、久しぶりにごはん食べに陸にもどろう、おー!
でもその前に、また同じことにならないように対策しておきたいところです。スライム体が居なくなったらまた同じことの繰り返しになる訳ですから。
う~ん。
悩ましいです。
私がずっと居れば何の問題もない訳なんですが、たまには気分転換に外に行きたいですもん。スライム体を切り離して一部を湖に留めるといっても、離してしまったらもう連携取れません。
う~ん……。
謎空間と魔石。
これうまく使って何とかできないものかしらん。
謎空間と私は繋がってます。謎空間の広さは理解の
そこに入れた物の所在は魔石を使えば探知可能で、たとえスライム体を切り離しても魔石の魔力が続く限りにおいて死滅することもないため、応用として無限収納『ぷにょ袋』として活用し出したのは記憶に新しいところ。
魔力供給に関してはこの湖に居る限り心配いらないでしょう。魔石を使えば決まった行動をさせることも出来そうです。ただし、切り離されてるので、遠隔地から私の意志をリアルタイムで反映させることが出来ません。
それが出来れば一番なのだけど。
…………。
うん?
まって。
切り離したぷにょ収納。
謎空間……。
ぷにょの謎空間って……、
おいおいおいおい。
もしかすればもしかする?
い、いけるか?
自分で使う分には一個あれば十分だから今まで考えたこともなかった。
うん、試してみる価値ある。
やば、思い当たった考えに興奮してきた。
ぷにょ収納を新たに一つ作りま~す。ちなみに今はミーアボディです、はい。
当然そのぷにょ収納にも謎空間があります。
今まで使ってたぷにょ収納【A】にはレイナールの街で手に入れた色んなもの、それに旅で入手したがらくたや素材が放り込まれてます。素材やアイテムにはタグとなる小粒の魔石をセットしてある感じです。それがないと無限空間である謎空間で迷子です。
よーし、神様お願い、思った通りであって!
新たなぷにょ収納【B】に手を突っ込みます。
元からあったぷにょ収納に入れてあるもの、そうですね、ナイフでいいか。それのタグ魔石を思い浮かべれば……、
「にゅおぉ~~~~~~!」
水中にもかかわらず大声をあげてしまいました!
水の中なのに声出せるのかってなるでしょうけど、出せるんです。そういう物なんです。
あ、ありましたよ……、タグ魔石。
ナイフを
や、やばいでしょ、これ。
謎空間すげぇ。
これ、マジやばくない?
これって要は謎空間は
今の今まで気付かなかったなんて……、ミーアのおばか!
自身に謎空間があるってことで、
そうと分かれば話は簡単。
ぷにょ収納【B】の口にタグ魔石を付けます。
ぷにょ収納【A】の中におもむろに手を突っ込みます。
中身を出すわけじゃないです。出すのは突っ込んだ私の手。それも収納【B】から!
ふぬ、タグ魔石を認識出来てしまいましたよぉ、にひひ!
それを掴みに行きます。
「き、きったーー!」
震え止りません!
目の前のぷにょ収納【B】から私の手がにょきっと姿を現しましたっ!
ビジュアルが不思議過ぎて笑えます。
「やヴぁい……」
まじやばいです。
これもう空飛ぶどころの話じゃないです。
チートもチートの仕様です。
うまく使えばラノベ定番、空間転移みたいなことすら出来てしまいますやん!
だってミーアボディを放り込んでもう一方から出せばいいだけです。謎空間に空気は無いのは確認済なので生き物は放り込めませんが、ミーアボディにその心配は不要! 完璧じゃないですか。
まぁ出したい場所にぷにょ収納を置いておく必要がありますが、それにしたって破格のぶっとび仕様です。一体謎空間の中はどういうことになっているのか?
距離って概念、ないのでしょうか?
いやまぁ、まだ遠隔地でも使えるか試してはいない訳ですが……、問題なくいけるとなぜか思えてしまう私がいます。
でもこれで
「くくっ、くくくくっ」
自然とミーアボディから笑いが漏れる。
「やばい、おかしな笑いがこみあげてくりゅ」
くぅ、噛んだ。誰も居なくて良かった。
湖にぷにょ収納を納めておく祠みたいなのを、
出てきたスライム体と私は完全に一体。確実に認識できています。
ぷにょ袋も元をただせばスライム体なのでちょっと不思議で、入れ子みたいになってしまってますがそこは考えない様にしましょう。空間としての認識、理解のため、私にとってそういう考えは大事です。
ということで、私はある程度綺麗になった湖にぷにょ収納を設置、無事スライム体を湖のリアルタイム管理のために置いておくことが出来るようになりました。
***
ミーアボディで湖底から岸までぽてぽて歩いて出てきました。
「久しぶりの空気! 空がとっても高いです。ああ、お日様さん、こんにちは!」
体に触れる温度がずいぶん下がっているように感じとれます。かなり季節が進み、冬も近いって感じがします。
岸から上がったところでもう一度、湖の中がちゃんと認識できるか確認。
「うん、大丈夫です」
これで燃料不足からも半永久的に開放されました。なにしろ湖は色んな栄養の宝庫ですから。湖は綺麗になるしスライム体もさらに増殖してしまうの間違いないです。
「さて~、リイ=ナたちはどうしてるかなぁ? 報告がてら会いに行ってみましょう!」
私は意気揚々とした気分で、短いリーチの足をちょこちょこ動かし、村に向け歩みを進めるのでした。
チート仕様!