この素晴らしきメタルマックスに祝福を!   作:サイデリア

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※もしも女神がアクアじゃなくってレナだったら
レナ「下界についていってもいいけど、条件があるわ」
カズマ「な、なんでしょう?」
レナ「女の子になれビーム!!」
カズマ「あんぎゃーーーーーーーっす!!」


第二十二話 最近売出中!

 クリスとダクネスがサースティに戻ったのと同時に、レナ達ハンターチームも活動を開始した。

 

 鬼嫁と姑の諍いがあれば仲裁し。

 でかいサソリや鉄のスナザメが現れれば駆除に赴き。

 行方不明の幼女がいたら草の根を分けても探し出し(さすがのレナも4〜5歳の幼女は口説かなかった。……母親は口説こうとしたが)。

 大破壊前のコレクションを盗まれた哀れな老人の願いを叶えもした(ついでに老人のメイドを口説こうとしたのでイリットに通報された)。

 

 レナ達の活躍は日増しに知れ渡り、いつしか近辺のハンターオフィスでは一番の稼ぎ頭となっていたのだった。

 

 今日も今日とて蟻の巣潰しに、クルマを降りて地下空洞を邁進する。

 

『キシャアァァァァァァッ!!』

 

 人間だって軽々と運んでしまう巨大蟻の巣。その最深部に鎮座した女王蟻『アダムアント』は、6000Gの賞金額に相応しい巨体とパワーを誇る。怪音波で人間を奴隷とする能力を持ち、すでに多くの近隣住民が蟻の巣に捕らえられていた。

 加えて無数の働きアリの波状攻撃が合わさって、恐るべき戦闘力を発揮するのだ。

 だが、今回は相手が悪かった!

 

「ぎょえぇぇぇぇぇぇーっ!! どうしてみんなこっちに来んのよぉぉぉ〜!!」

 

 どういう訳か働きアリ達がアクアを執拗に追いかけるせいで統率が取れなくなってしまったのだ。当のアクアはポチバイクと言うなのキックスクーターで懸命に逃げ回っているばかりだが、それでますます敵に混乱が広がっていく。

 

「女神だけあって甘い匂いでもしてるのか? オラオラ! 汚物は消毒だ〜!!」

「確かにアクアってすごくいい香りよね〜」

 

 カズマとレナが火炎放射器(バーナーガン)で、アクアに夢中なアリどもを真横から薙ぎ払っていく。

 そして防備がガラ空きとなったアダムアントには、傍目から視ると両眼がグルグル渦を巻いているように錯覚させるハイテンションとなっためぐみんが、ひたすら爆薬を投げつけていた。

 

「屋内で爆裂が出来ないと思いましたかぁ!? 場所を選ばないからゲージツなんですよォ!!」

 

 カズマも研究開発を手伝ったクラスターマインが、巨体故に動けない女王蟻を貫いた。極小の爆発を連鎖的に発生させ、高熱で融解した金属の雨を降らせるという、現実の戦争で使ったら駄目な部類の対生物兵器だ。

 原材料は主に、種が爆発するという存在理由が分からないタンポポ、ボムポポの綿毛を改良している。最近『オニヨメボム』という名で売り出されたばかりの新素材だ。

 しかし威力はともかく、実際に使ってみると「殺傷力の高い花火」で、衝撃波も無くて音も控え目だ。アダムアントが悶え苦しむのを、めぐみんは不満そうだ。

 

「むぅ……やっぱり巣の外側からドーンってする方が手っ取り早かったんじゃないですか?」

「蟻の奴隷にされてる人がいるっての忘れんなよ!? その人達の救出も作戦のうちだからな!」

「分かってます……よっと! 必殺、乱れ投げ!!」

 

 徹甲弾のシャワーを喰らい続けたアダムアントは、怪音波で反撃を試みるも時すでに遅く、ついには全身に火が回って力尽きた。

 

 

 

「カズマ、今回でいくらぐらい貯まりましたか?」

「聞いて驚け! ついに30000Gに到達したぞ!」

「おぉぉーぅ!!」

 

 カズマとめぐみんが高らかとハイタッチを交わす。

 今回討伐したアダムアントの6000G、それ以前にエルニニョ近辺で遭遇戦の末に撃破したデスペロイドの賞金4500G、その他収入の合計が約20000G。

 家一軒が1000Gから3000Gが相場の中、この大金は誇張抜きで一生遊んで暮らせる金額だ。ハンターの……いや、クルマを持つものの戦闘力と稼ぎがここまでとは。

 そうなったら働きたくなくなるのがインドア派代表みたいなカズマさんだ。普段はハンドル握ってブイブイ言わし、機銃で野盗を射殺するぐらいなら慣れてしまったといえども、働かなくていいなら動きたくない。

 よしんば働くとしても、ナイルのガレージで修理工など安全な仕事をしていたい。

 

「ほっほっほ。ならカズマよ、ワシにはもう無理なので大破したクルマの回収サービスを頼むぞ」

「さぁー、レナ! 次はどこの狩り場に行くんだー!?」

 

 残念。金があっても世紀末に平穏はなかった。カラ元気を漲らせてレナに次のプランを提案しに行く。横を歩くめぐみんから憐憫の視線を向けられた気がするが、気の所為だ。

 向かった先は、再建されたばかりのマドの酒場。木造のはずだが、やたらSFチックな外観が異常に浮いている。住人には好評だからいいけど。

 そしてデザインを決めた張本人のレナは、アクアともう一人、見知らぬソルジャーのお姉さんと三人で大酒かっ喰らっていた。

 

「あ〜、カジュマしゃ〜ん♪ あんらもこっちきて呑まな〜い?」

「なに昼間っから出来上がってんだ、駄犬。レナ、こちらは?」

「ビリージーンさん。最近マドにやって来たソルジャーで、今は用心棒として滞在してるんだって」

 

 挨拶をするも、カズマに対するビリージーンの態度は素っ気ない。代わりにめぐみんを妙にねっとりとした視線で値踏みするように見つめていた。

 

「そっちのお嬢さんもどう? 一緒に呑まない? お姉さんが全部奢っちゃうわよ?」

「あいや、結構です。それよりレナ。この後話し合いの予定だったハズですけど、酒が入っていて大丈夫なのですか?」

 

 どういうわけか、めぐみんはビリージーンに警戒心マックスでカズマを盾に距離を置く。その様子を不審に思いながらも、レナはグラスをカラカラ鳴らして不敵に微笑んだ。

 

「アタシのはジュース、まだシラフよ。へべれけなのはこいつだけ」

「まあアクアに発言権は無いので構いませんけど。それでは早く行きましょう」

 

 めぐみんに急かされ、カズマとレナはガレージに戻ることにしたが、アクアはもうちょっと呑みたがっていたのでその場に捨て置かれた。

 

「今日はありがと、ビリージーン。アクアは好きにしていいわよ?」

 

 囁くように残したレナの一言に、ビリージーンは端正な顔を嗜虐的な笑みで歪め、熱っぽい顔でアクアを見つめるのだった。

 その意味をアクアが知るのは、酔い潰れて動けなくなり、酒場の二階にある宿の部屋へ連れ込まれてからだったが……アクアだし、別にいっか。

 

 

 

 アクアが美味しくいただかれるかどうかよりも、カズマ達には考えねばならないことが多い。その一つがこの、砂漠の砂の下から発見した装甲車だ。

 地雷探知機に反応したので掘ってみたら、まさかのクルマ発掘である。さすがにシャシーもエンジンもCユニットも大破していたが、少なくともモヒカンで真っ二つにされていたバギーよりは軽傷である。

 問題は、完全に修復しても戦力として運用が出来ないことだろうか。

 

「エンジンも状態はいいけど、馬力が少ない。強力な主砲を搭載したら走れなくなりそうだ」

「使えそうな大砲だってあるんですけどね、イモバースト(☆☆☆)とか55ミリ砲(☆☆☆)とか」

「大砲と機銃だけならともかく、S-E(特殊装備)を積んで、装甲も厚くしていくと考えると……」

 

 地雷探知機でやたら状態の良い装備(☆☆☆)を手に入れてはいるが、その分だけヘビーだ。エンジンがヘボだと自走不可能となってしまう。

 エンジンを改造して馬力を上げる技術も存在するが、残念ながらメカニックといっても修理がメイン。カズマは元よりナイルも改造は門外漢だ(※アーチストの超改造? レアメタルがありません)。

 そんな状況の打開策として、今回カズマが持ってきたのがこれだ。

 

「アシスタントのウィズさーん!」

「はーい!」

 

 キャスター付きのホワイトボードを押したウィズ*1が登場し、ボードを置くとさっさと帰っていった。

 

「ちょっとカズマ、せっかくウィズが来たのに普段着だったわよ? 何か()()が強調される衣裳とかなかったの? ビキニとか、ナースとか」

「やんわりと断られたよ……蟻の巣退治に行ってる間にダイレクトメールが届いてたんだ」

 

 それを引き伸ばして印刷したのが、ホワイトボードに貼り付けてある。

 

まだ見ぬお客様へ

 住民一同、まごころの大サービス!

 先着一名様に豪華賞品をご用意しております。

 ただいま戦車装備がセール中!

 バザースカ」

 

 最初にこれを読んだときには何の冗談かと思ったが、調べてみるとバザースカという町がハトバの北にあるらしい。ただし、何年も交流した記録も無いようだが。

 

「なるほど。戦車装備のバーゲンセールですか」

「ああ。次の目的地、このバザースカはどうだ?」

「ふっ。是非もないわ。だって……住民一同によるサービスでしょ!! どんな接待されちゃうのかしら? 今の持ち金で足りる? もうちょっと稼いでからの方がいいかな?」

 

 サービスという一言で、即座に脳内がピンク色になった残念なリーダーに、二の句が継げないカズマとめぐみんだった。

*1
出番がないので無理やり出てきた




世紀末めぐみん
職業:アーチスト
サブジョブ:ソルジャー
 変態アーチスト集団と名高い謎の組織『紅魔館』に所属する紅魔族。なお特別な種族でもなんでもなく、紅魔館所属のアーチストが紅魔族と名乗っているだけ。もともと蔑称的な異名だったのを、カッコいいじゃんと自分達で名乗りだしたという経緯がある。本拠地は現代で言う東京のどっかを想定している。
 シナリオの合間でカズマの手を借りて爆裂弾や爆弾を作り、荒野で実験をしているのでフラグは順当に立っている模様。おんぶじゃなくってバイクの二人乗りだけど。
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