この素晴らしきメタルマックスに祝福を!   作:無題13.jpg

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サブタイトルの元ネタっぽくすると。

スカンクス「ヂバグ。ギョグギン・サギザザ、ゴ・ズガング・ダザ!」

スカンクスなんてよくて「メ集団」だろうけど(世代がバレそうなネタ)。

※お気に入り登録が200を超えました。読んでくれたみなさん、ありがとうございます。


第二十七話 驚異のライダー、スカンクスを倒せ!

 サルは器用な生き物だ。芸を仕込めば自転車ぐらい平然と乗り回す。

 それが知能と身体能力を強化された人造ミュータントであるならば、銃火器を扱いバイクを乗り回すぐらい訳ない話だ。

 

「ダブルアターック!!」

 

 屋内とはいえクルマが走るには十分すぎるエントランスに、スカンクスの雄叫びが木霊する。

 小回りの利くバギーとポチバイクはともかく、どうしても初動がもたつくウルフに特注らしいアサルトライフルが炸裂した。微細なダメージとはいえ、同じ場所に何度も受ければ装甲が抜かれかねない威力だ。

 

「うわ! 今のでクルマ揺れたぞ!? どういう銃だよ、あいつの武器は!?」

「ただのサルと侮れませんね。ですが、こっちだって負けません!! いきますよ、カズマ!」

「お、おう!」

 

 砲座にてめぐみんが機銃で撹乱し、カズマは車体ごと体当たりするつもりでアクセルを踏み込む。ゲーセン感覚で運転可能なCユニット様々だ、現代では普通免許も持っていなかったカズマでも直感的に操作ができる。

 ウルフが動くのに合わせ、バギーとポチバイクのアクアがスカンクスの進路を妨害しにいく。敵を足止めして、一番威力のあるウルフの主砲で仕留める作戦だ。

 

(とはいえ、小回りが利く上に火力もある相手を追い込むのって難しいのよね。もう一手欲しいけどどうしたものかしら)

 

 運転と砲撃を同時にこなしつつ、レナは適度に回避運動を挟んでスカンクスを牽制する。

 しかし敵も積極的に攻め込んでこないバギーには最低限の警戒だけ向けてウルフに集中。片手一本でバーハンドルを押さえ、残り三本の腕で同時に手榴弾を投擲する。

 

「スカンクス、ハリケーーーン!!」

 

 ただの乱れ投げではあるが、銃弾よりも強力にウルフの重装甲にダメージを与えてくる。的がデカいせいか、さっきから削られてばっかりだ。

 

「キキキーッ! ノロマ! マヌケ! バカは死ネーッ!!」

「ムッカーっ!! あのサル、さっきからチョコマカと! 砲撃が当たらないじゃないですか!! 生意気にも迎撃してくるし!」

「ああ。しかもレナの砲火を掻い潜って、的確にコッチを銃撃してくる……さすが四天王だけあるな!」

 

 サルの分際で巧みなバイク捌きを披露するスカンクスは、レナとめぐみんが二方向から機銃で撃ってくるのを見事に回避し、あまつさえ反撃までしてくる。

 苛立ちから例の特殊砲弾*1を装填しためぐみんを慌てて止めつつ、カズマはこちらからも打って出るべくウルフを走らせた。

 

「ところでアクアは何してるんだ? まさかサボってないよな?」

「えーっと……あ、いつもの情けない顔で逃げ回ってますね。サルもあんまり相手にしてませ――あ、流れ手榴弾で吹き飛ばされました」

「……邪魔になってないならいいや。あいつには勝手にやらせとこう」

 

 役に立つ時と立たない時とが激しいが、女神(ポチ)とはそういうものである。

 

 

 

 機銃の弾をばら撒きながら、レナは憎々しげに歯噛みした。

 

「あのサル! よくもうちのアクアを……!!」

 

 吹っ飛び方がギャグっぽかったのでどうせ無事だと確信しつつ、レナは攻め手に悩んでいた。

 スカンクスの行動を身も蓋もなく表現すると、二回行動するうちの一回で必ず回避行動(ゴーストドリフト)を行ってくる。そのせいでロクに攻撃が当たらないのだ。

 あの恐るべきテクニックを潰すには、バイクの動きを止めるか、引きずり下ろすかしかない。めぐみんの爆裂弾でも吹き飛ばせるだろうが、その場合は自分達も上階のハンター達も壊滅するので却下。

 壁沿いを猛ダッシュしつつ弾丸や手榴弾をばら撒き、こちらの戦力を確実に削いでくるスカンクス。サルそのものの外見と言動には似つかわしくない合理的な戦術だ。

 

「カズマ、何か作戦ない?」

『そうそう簡単に思いつかねーよ! ああいう「普通に強い」ってのが一番困るんだよ!』

「多分、この先の四天王もあんなのよ。テッド・ブロイラーとかほら、あれだし」

『実感籠もってるな――うわあっ!!』

 

 iゴーグル越しに爆発音。砲塔に手榴弾が直撃し、黒煙が上がっていた。大破まではいかないが、破損レベルには達しただろう。

 

「キキキキーッ!! ノロマ! ウスノロ! ナニも出来ずに死ぬバカども!! ウッキッキーッ!!」

 

 徹底したヒット&アウェイに終止する敵に対し、有効な手段といえばブービートラップか。地雷でもあれば最高だが。

 

『れ、レナ! その辺に()()が落ちてるの見えないか!? ()()()()()()()()だ!!』

「え、アレ? ……あぁ、アレ!」

 

 言われてざっと視線を巡らせ、目当てのものはすぐに見つかった。さっき待ってる間にめぐみん達が作った後、積み込みそびれて床に放置された特殊砲弾だ。確かにあれなら地雷になりえる。

 

「分かったわ! 追い込む? 誘い込む?」

『えっ!? ……お、追い込んでくれると助かる! こっちももう余裕ない!!』

 

 泣きそうな情けない声のカズマだが、それでもキッチリ使える作戦を持ってきた。追い込まれると爆発するというより、思考と感情が切り離されているのだろう。

 

「頼もしい参謀を持って、アタシってば幸せなリーダーね!!」

 

 いっちょ気合を入れ直したレナは、一旦サイドブレーキを引いてブーツを脱ぐ。全開で踏み込んだアクセルを脱いだブーツで固定すると、フロントガラスが無いのをいいことに車内からボンネットによじ登った。

 そのままiゴーグル経由の遠隔操作でサイドブレーキを解除すると、最大回転数に達していたタイヤが地面に接すると同時に爆走を開始した。

 機銃、大砲、手持ちの火器をフルに使ってスカンクスに集中砲火を仕掛けた。

 

「キキッ!?」

 

 ウルフに再度大量の手榴弾をお見舞いしようとしていたスカンクスも、これにはビビっただろう。

 何しろレナは正面を向いたまま、つま先をハンドルに引っ掛けて運転しているのだ。これぞクルマに乗ったまま手持ちの武器で攻撃する『ハンターマジック』……というよりただの曲乗りか。

 真正面への火力を最大限に高めて、矛先をスカンクスへと差し向けた。

 

「チィッ!!」

 

 敵もこれだけ火線を集中させた攻撃を受けるのは御免被るようで、大きく距離を取るようにバギーの正面を避けようとした。

 

「逃さないっての!」

 

 後ろ足でのハンドル操作にも関わらず、バギーは自分より小型で小回りの利くバイクを猛追する。遠心力で振り落とされないのは、ハンドルを握る足の指の力だ。

 後方から大砲を撃ち込み、スカンクスがそれを紙一重で躱したところに機銃と手持ちのライフル弾をお見舞いする。バリアプロテクターが銃撃を弾いた稲光でエントランスが白く霞んだ。

 

「調子に乗るなーッ!! ウッキッキーッ!!」

 

 バリアがあっても痛いものは痛いので、激高したスカンクスは標的をウルフからバギーへ切り替えた。

 180度ドリフトターンを決め、バギーに真正面から突撃しつつ銃火を放つ。狙いは当然、ボンネットで銃を構える()()()()()()()だ。

 正面切っての銃撃戦の体で銃弾と砲撃が交差する。レナは緋牡丹のさらし(プロテクター)の上から受けた衝撃に顔をしかめつつ、視線はしっかりとスカンクスの進む先、地面に転がる作り途中の特殊砲弾を見据えた。

 

(今っ!!)

 

 バイクの前輪が砲弾に乗り上げる、まさにそのタイミングで剥き出しの雷管をライフルで狙い撃つ。

 ところが、爆発より一瞬素早くホッピングしたバイクは逆に爆風の煽りを背後に受けて加速。バギーの火線を飛び越える形でレナと一気に肉薄した。

 

(しまっ――!?)

 

 口許をこれ以上無いほど歪めたスカンクスの銃口が眉間に向けられるのが、やけにスローに感じられる。死を前にした走馬灯状態とでもいうのか。

 

「死――」

 

 銃爪を弾く指の動きまでがつぶさに見て取れる、あまりに長い一瞬。その間を駆け巡ったのはレナが過ごした在りし日の残響――ではなかった。

 

「ネぐふぅ!?」

 

 横合いから猛スピードで突っ込んできた()()()()()()()()に跳ね飛ばされる、スカンクスのマヌケ面である。

 しかもご丁寧なことに、ポチバイクには見るからにヤバそうなドクロマークの物体が括り付けられていて……。

 ポチバイクがかっ飛んできた先で、やたら格好つけたキメ顔のカズマが手元のスイッチを押した瞬間、物体はポチバイクの動力炉巻き込んで大爆発を起こした。

 

「ウギャアアアアアアーッ!!」

「やぁん!?」

 

 レナも吹き飛ばされたが、至近距離で爆発を食らったスカンクスはもっと堪ったものではなかった。トレードマークのベレー帽も愛用のアサルトライフルも振り落とし、バイクからも投げ出されて激しく地面に衝突した。原型が残っているだけ大したものだ。

 

「レナ、無事か!?」

 

 駆け寄ってきたカズマから回復ドリンクをぶっ掛けられるが、現状ダメージの大半はポチバイクのせいだ。指摘するとカズマは「コラテラルダメージだ」と悪びれもなくいう。

 

「……さっき言ってた()()ってポチバイクの方だったのね」

「え? なんだよ、分かってるもんだと思ったのに。転がってた場所を教えてくれたのはお前だろ?」

「ごめん、全然記憶にない……」

 

 どうやらレナが示した特殊砲弾のすぐ近くに、ポチバイクが落ちていたらしい。そこに爆弾を括り付け、エンジンを暴走させて突撃させたのだった。

 

「キ、キキキ……」

 

 しかしだ。大ダメージを受けながらも、スカンクスはまだ生きていた。

 まだ動かせる腕一本で予備の拳銃を引き抜き、狙うのは無防備な男のメカニックの方。

 

「オレ、は……グラップラー四天王……ッ!!」

 

 ただでは死なんと最期の足掻きに出ようとした、まさにその時。

 

「させません!」

「ウキ?」

 

 キュラキュラと甲高い金属音とともに影が覆いかぶさってきた。

 何かと思って見上げた先の、ド派手な赤いボディの重戦車。それがスカンクスが見た最期の光景。

 めぐみんによって念入りに轢殺されたスカンクスは、もはやDr.ミンチにだって蘇生不可能な肉塊と成り果てたのであった*2

*1
いつもの爆裂弾

*2
グロ注意




レナ
職業:ハンター
サブジョブ:ソルジャー
 「メタルマックス2リローデッド」の女性主人公。正確にはゲーム開始時に主人公の性別を女性にした際のデフォルトネーム。外見は主人公のみ選択できる専用ハンター女で、金髪、色白、傷痕、巨乳、パンツ見えるだろそれってぐらい短いスカートなど属性てんこ盛り。ビアンなのは原作通り、結婚可能な同性が3人いる。
 性格ははっちゃけた選択肢を選びまくった場合をイメージしつつ、復讐者スイッチが入ると苛烈になる。イメージはゴブリンじゃなくてニンジャをスレイする方。
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