アメリカ西部開拓時代、、、そんな時代にある男が居たとして、その世界がfgoの世界だったとしたら、の話です。

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初めましての方が数多くいられるかと思います。
久しぶりに短編を投稿致しました!
fgoやってた時に、こんな小説無いかなあと思い、探してたのですが、自分の力不足故か、見つけられませんでした、、、

なので、短編とは言え作成してみました。
では、どうぞ!


〜Fate Grand Order〜 雷の戦い

 

 

 

〜今からおよそ百年以上も昔の話〜

 

これは、あることから逃げてきた男が歩んだ話。

 本来なら歴史に紡がられることも無く、一部の者にだけ伝えられる男の話。

 そんな男の話を少しだけ話すとしよう。

 こんな話になどさほど興味を抱かぬ者が大半だろう、だが、願わくば少しだけ聞いていって欲しい。

 これは、確かにこんな男が居たという、証とも言える話なのだから、、、

 

ーA.D.1876ー

 ある男が居た。

 男はあることから逃げて、逃げて逃げ続け、気づいたら遠い場所へと着いていた。男は、歩き続けていたが、空腹によりもう少しで死ぬ、というところである者に助けられ、その者の集落へと世話になる。

男はいつも笑顔だった。

そして臆病だった。臆病過ぎて、その集落の言葉で『●●●●●』と呼ばれていた。

それでも彼は笑顔だった。

臆病者と呼ばれることなんかよりも、嫌なことがあるとでもいうように。だが、それでも彼は、彼らは日々を懸命に生きていた。

 だが、それは唐突に幕を閉じる。

 ある事がきっかけで集落と対立する者たちが軍を派遣し、根絶やしにしようとしたからだ。

 集落の者たちは必死に戦ったが、力及ばず、敗走し、周りを囲まれ、全滅の憂き目にあっていた。

 集落の者たちは、誇りの為に死のうと定め、最後に戦いを挑もうとしていた。

 だが、男はそれに待ったをかける。

 男が言うには、迫ってくる軍の反対側の谷へ向かえば、そこにも軍はいるが、数は少なく、谷は抜けられるはずだと。

 集落の者たちは、その言葉に対し、谷を抜こうとしても、迫ってくる軍に追い付かれ、挟み撃ちに合うだろうと反対した。

 その言葉に男は、

『おれが一人であの軍を引き留める。その間に逃げられるなら逃げろ』

そう答えた。

 その言葉に集落の者たちはお前にできるわけがないと笑うが、

 ある少女がその男を必死に止める。

 男が自分たちを助けようとしている、そして、それは可能だが、間違いなく死ぬ、と。

 『だめだ・・・●●●死ぬ気か⁉できるわけがない!』

 男は少女に答える。

『●●●●●、心配するな・・・オレは不死身だ・・・本来の●●を・・・「●●」を・・・してくるだけだ・・・●●●●●・●●●●●●にもらった「●」をかえすために・・・だから・・・●●●●●・・・』

男は少女に振り返り、何も心配いらないと言わんばかりに笑いかけ、そして、

 

 

『死ぬなよ・・・・』

 

 

ーそう、少女に言葉を投げかけ、迫り来る軍へと向き、全力で駆け出したー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 対峙する敵の数はおよそ一千程であり、しかも殆どが馬に騎乗し鉄砲を装備した軍隊である。

 だがそれに対し男は、武器はおろか防具すら着けておらず、素手、いや、無手であった。

 その男を見て、軍隊は笑いながら鉄砲を撃ちかけていたが、弾が当たっても速度を落とさずに一直線に駆けてくる。

 それを見て更に撃ちかけるがそれでも男は速度を落とさなかった。

 戸惑う軍隊を尻目に男はただ走る。疾る。

 そして、遂に男と軍隊が接触する。

 その後のことは、一言で表すなら、軍隊にとっては悪夢であったであろう。

 その男は人とは思えぬ程の跳躍で馬上の者たちに己の拳や蹴撃を浴びせ、その一撃を受ける度に、軍隊は数を減らしていくのだから。

 男に恐怖を抱いた軍隊の将軍は、後方へと避難しようとしたが、男はその動きを見逃さなかった。将軍を特定するなり真っ直ぐに将軍へ駆け出し、将軍の息の根を止める。

 将軍を失ったことで、軍隊は混乱したが、その軍隊に男は、ただ、立ちながら、不敵な笑みを投げかける。

 それを見た軍隊は恐慌を起こしながら、退却する。その中には、

『魔人が現れた!』

そう叫びながら逃げ出す者がいたほどであった。

 

 

 

 

 

 

 

 その後、男は、今、まさに死のうとしていた。

 その服は、男のものである血痕が大量に見られ、地に仰向けに伏している。

 誰もがこの男が死ぬということが分かる状態であった。

 その男の下に一人の男が涙を流しながら男に必死に声を掛けながら男に問いかける。

 

『な・・なぜだ、なぜここまでして●●・●●●を助ける!?』

『おれにうけた「●」とはなんだ・・!?おれはお前に何もしてやってない・・・そ・・・・それどころかおれはお前を●●●●●だときめつけた・・・・なのに・・・・』

男は、その問いに弱々しく、だが笑顔で答える。

 

『●・・・●●●をもらった・・・』

 

その答えに男は驚きながら更に問う。

 

『そ・・・それだけで・・・●●●のあれだけでお前は命を捨てるのか・・・・・・?!』

 

男はその問いに笑顔でなんでもないかのように答える。

『家訓だよ・・・・●●●●●・・・者に・・・めぐんでもらったら感謝する・・・だけ・・・で・・・いい・・・・』

 

『でも・・・・』

 

『そうでない者にわけてもらった時は・・・●は・・・忘れるな・・・』

 

その答えに涙を流しながら呼びかける男は

 

『バ・・・バカな・・・あれだけの●●●で・・・お前はどれだけのことを・・・』

 

そう言葉を紡ぐことしかできなかった。

それ程のことを目の前の男は言ったのだ。

まさに、命の灯火が消えかけそうな男は、自分に呼びかける男に、最後とでも言うかのごとく言葉を投げかける。

 

『も・・・もしおつりがくるのなら・・・いつか・・・この地に、●に戦いを挑むバカが・・・●●を名乗る者が・・・いつか来たならば・・・そいつを・・・そいつの力になって・・・やって・・・』

 

『くれ・・・』

 

まるで遺言を言うかのごとく、男に頼みごとをした後に男は事切れたー

 

 

 

 

 

 

 

ーさて、その後のことは、男が助けた集落、いや、あえて部族と言おうか。彼らは、この男のことを部族で百年以上に長きに渡り語りついできたそうだ。

 彼がしたことは、文字を持たない彼らにはこうするしか語り継ぐ術は無いからね。

 そして、驚くことに彼が助けた部族の中に、彼の言葉を守り、百三十年も生きた女性がいたそうだよ。もう亡くなってしまったみたいだけどね、、、

 

 少し長くなってしまったが、大体はこんな流れだね。

 なに?なんでわざわざこんな話をしたかだって?まあ、そう思うよね?

 だけど、これは話しておいた方がいいと思ったんだ。なぜなら、君たちはあのGrand Orderの真っ只中なのだろう?

 その中でも、今話した彼は、ここに関わりがあるからね。

 だから、もしかしたら君達の旅路を助けてくれるかもしれない、そう思ったからなんだ。

 なので、特段気にする必要はないけど、心の何処かに留めてくれればいい。

 じゃあ、今回は話はここまでにしよう。

 

 

 

 

 時と場所は変わり、第五の特異点アメリカへと移る。

 -A.D.1783-

人理保障機関カルデアは、これまでに4つの特異点を修復してきた。

 彼らは次なる特異点へと旅立ち、未来を取り戻すためにアメリカへと赴いた。

 そこで彼らは、様々な者たちと出会い、縁を結んでいった。

 その中には、ジェロニモと呼ばれる男が居り、カルデアのマスターの藤丸立香の隣に座り、何かはなしているようだった。

 

「ーこれが、私が他の部族の者達に聞いた話だ。又聞きとは言え、彼らにとっては恩人、いや救世主とも言える者の話だ。最初は私もそんな男がいる訳がないと信じられなかったが、あの『ネズ・パース』の『ジルコォー・マッイイツオ』が嘘をつくはずもないと思い、信じることにしたがな・・・」

 

 ジェロニモがカルデアのマスターである藤丸立香に語っていたのは、その昔、色々なことから逃げる為に、アメリカ大陸にまで逃げてきたという、臆病者を意味するネイティブの者達の言葉、『ドロッイイ』と揶揄されても笑顔であった男が、たった一つの恩のため、千を超える騎兵に立ち向かい、一つの部族を救い、その結果、命を落とした話だった。

 

立香はその男の名字に何処かで聞いたことがあるような気がしたが、それ以上に衝撃だったことがある。

 

「その人が言う、そのジルコォーって人に受けた恩が、たった『一切れの干し肉』だなんて、、、」

 

「その男は家訓と言っていたそうだからな、、、だけど、それよりもなによりも彼が気にかけていた少女、『ニルチッイ』という者の存在も大きかったのだろう。

 

実は、ネズ・パースが戦っている時に、ニルチッイは攫われてしまってな、、、それを助けたのがその男だったらしい、これはジルコォー・マッイイツオがその少女から聞いた話だというからな、、」

 

「そんなこともしてたの、、」

 

「そういえば、藤丸、その男は君と同郷らしいが、その男の名を聞いた時に心当たりがありそうだったが、それ程有名なのか?」

 

ジェロニモがふと、疑問を投げかける。

それに藤丸は

 

「いや、その人のことは初めて聞いたんだけど、その人と同じ名字の人が格闘技の番組で出てたなーと思ってね、もしかしたらその人の子孫かもね。」

 

「ほう、、、そんな催しがあったのか、、その彼の名は何というんだ?」

 

「ええと、名前は、、確か、、、」

 

 

 

 

場所は変わり、アメリカ大陸のとある場所。

 

ある男が東へ行く道中に就いていた。

 

その顔はどこか間の抜けた顔をしており、緊張感に欠ける表情だった。

 

だが、その瞳は何か覚悟を感じさせるものだった。

 

「あの時、おれは、ジルコォー・マッイイツオに、恩を返して死んだ筈だ、、、だけど、まさか、人理なんて大層なもんを守る為に呼ばれるとは、、、」

 

その男は、やれやれとため息を吐きながら呟く。

 

「だけど、、、」

 

一転その眼光が鋭さを増し、

 

「ジルコォー・マッイイツオの、、、ニルチッイの未来を守る為に、、、また、、、」

 

「陸奥に戻る。」

 

覚悟を示した男、陸奥 雷は、足取りを止める事なく歩み続ける。




お読みいただき、ありがとうございました!

続きは、考えておりません、、、力不足故に、、


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