「む・・・気が付いたか? どうやら成功のようじゃぞ!」
「ニンゲン・・・・じっちゃんの言ってた通りだー」
「うーん・・・・・・」
何やら騒がしい。
いったい何が起きたのか?
「しっ、起きるぞ!」
「・・・・・・知らない天井d――――天井が無い、だと?」
目を開けた視界に映るは、忌々しいほどに晴れた空だった。
取りあえず身体を起こす。
「ようこそ、デジタルワールドへ!」
「あ?」
声が聴こえた方へ目を向けると、そこにはまるで妖怪のような姿をしたジジイが!
「妖怪?」
「誰が妖怪じゃ‼」
キレられた。
如何やら妖怪じゃなさそうだ。
周囲をグルッと見ると、俺の周りには小さな生物が何体も囲っている。
「お前等は・・・・・・?」
「ぼくたち―――――」
「――――――デジタルモンスター!」
「・・・・・・デジタルモンスター?」
小さい生物が揃って声を上げた。
何だ? 何が起こっている?
何処だ此処?
「・・・・・・おい、さっきデジタルワールドっつったか?」
「うむ。言ったの」
「デジタルな世界でデジタルワールド? デジタルなモンスターでデジモン?」
「そうじゃよ」
「・・・・・・・・・・・・え、夢?」
「現実じゃよ。いや、現実とも少し違うが・・・・・・」
・・・・・・どうなってんだ?
俺確か家に居たよな。
怪獣大決戦を見て頭が起こしくなったのか?
アレは夢だったのか現実なのか?
いや、つか、今のこの状況は現実なのか夢なのか?
そういえばさっきなんか変な夢見たな。
「ワシはジジモン」
混乱する俺を無視し、妖怪に見えるジジイが自己紹介をした。
「デジタルワールドは知っておるか?」
「知らん。アンタ等の言葉を解釈するなら・・・・・・簡単に言えばデジモンの世界?」
「うむ、その通りじゃ」
デジタルな世界ね。
うん、取りあえず理解。
「お主は人間界からデジタルワールドにやって来た。此処までは分かったかの?」
「あー・・・・・・うん、なんとか」
「デジヴァイスに導かれてこの世界へやって来たのじゃ」
「デジヴァイス・・・・・・?」
首を傾げる俺。
そして、ポケットに何か入ってる違和感を感じ取り、ソレを取り出した。
「おお、それがデジヴァイスじゃ!」
「コレが?」
この黒くて四角いのが、デジヴァイスなのか?
「まぁ、詳しい事はワシの家で話そう。付いて来てくれ」
そして俺はジジモンに付いて行き、彼の家に向かった。
◆◆◆
「さて、続けよう。お主を呼んだのはこのワシじゃ。ワシたちを・・・・・・このデジタルワールドを救ってもらう為にの」
「・・・・・・・・・・・・」
世界を救うためと来たか。
「今、ワシたちのいる所は『ファイル島』と呼ばれている、島の真ん中にある『はじまりの街』という場所じゃ」
「はじまりの街・・・・・・」
此処が街?
さっき外にいた時、あまり建物とかは無かったが。
「元は街だったと言うべきか。昔はファイル島の全ての種類のデジモンが、ここで暮らしていたんじゃよ。しかしな・・・いつからかデジモン達は『心』を失い始めてな・・・・・・みんな、街の外へ散り散りになっていったのじゃ」
「どういうことだ?」
「原因は分からん。デジモン達が・・・言葉を話せなくなってきておるのでな・・・・・・。まだ少し話せる者もおるが・・・街で暮らしていた記憶を失っておる」
「成程、それが『心』を失ってるって事か」
「うむ。このままでは危険なのじゃ。言い伝えでは『はじまりの街』の危機はデジモンの危機じゃと言われておるし・・・・・・」
「・・・・ずっと気に掛かってた事があるんだが、聞いていいか?」
「む、なんじゃ?」
「何で俺を選んだ?」
この世界を救ってもらう為に、世界の外の存在に助けを求めた。
それはいい。
別に良い。
だが、その助けを求める存在が俺みたいな子供というのはいかがなモノだろうか?
「う、む。あー・・・それは、じゃな・・・・・・」
「?」
ジジモンは何か言い難そうだ。
「実はお主をここに呼んだのはワシじゃが、お主を選んだのはワシではないんじゃ」
「・・・・どういう意味だよ?」
「ワシはこの世界を救ってもらう為に、この世界を救えそうな人間に助けを乞うた。じゃがその世界を救えそうな人間が誰なのか、それを選んだのはワシでは無い、という事じゃ」
「それじゃあ、誰が?」
「・・・・・・デジタルワールドの神・・・・・・イグドラシルとも呼ばれておる」
ジジモン曰く、デジタルワールドのセキリティシステムで、デジタルワールドでは神とも呼ばれる絶対的な存在のホストコンピューターらしい。
取りあえず、俺を呼んだのはそのイグドラシルという存在(?)のようだ。
「で、俺は具体的に何やりゃ良いんだ?」
「ファイル島中のデジモンをこの街に集めて欲しい!」
・・・・・・デジモン集めか。
「OK、引き受けてやるよ」
「うむ。ありがとう。勝手な頼みなのはわかっておるが、ワシらにはもう、お主しかおらん」
「で、まずはどうすりゃいい?」
「お主はこれからパートナーデジモンと2人でファイル島を巡ってくれ」
「パートナーデジモンって・・・・・・?」
「うむ。ずっとお主の後ろに付いてきておるデジモンがおるじゃろう」
うん。確かに居る。
「最初はアグモンだったはずなんじゃがの。お主がこの世界にやってきたほんの少し前に進化したんじゃ!」
「進化って・・・・・・」
俺は振り向いた。
そこにいたのは、機械と融合したかのような黒いドラゴンの様なデジモン。
「ギガドラモンじゃ!」