「君ことのは君って言うんだねー! 贅沢だからこー君って呼ぶね!」
「おい白柳説明しろ。俺は帰って小さい子に首筋舐められながら『私で興奮してるんだ、変態さんだね』って罵られる妄想繰り広げるから忙しいんだ」
「白鷺よ。うちの日菜ちゃんがごめんなさい後、本当にど変態ね」
「もっと言ってくれ興奮する」
「黙りなさい」
花咲川にいないはずの羽丘学園生徒会長が花咲川ボッチに話しかけてきたところから今回の物語はスタート。あと、名前省略剣された。
奴の名は
「白鷺よ。というか、知り合って結構経つのに全然いい間違いが付きないのだけど」
「苗字のレパートリーなら多い方だぞ」
「普通に呼べって言ってんのよ」
「アハハ! 仲良いんだね!」
「「よくねぇ(ないわよ)」」
「おねーちゃんとルー君見たい!」
「知らねぇやつ持って来られても反応に困るんだが」
「あのオネエ知らないの? 紗夜ちゃんの彼氏よ。因みに紗夜ちゃんは日菜ちゃんのお姉さんね」
「……ああ、なんか居た気がする。まぁ、人間は興味無いんで」
「それ言ったらこの世界で貴方の興味は愛玩動物だけよね」
「愛玩動物限定にするのやめてね。俺は小さい女の子に足で踏まれたいだけだ」
「変態だから近づいちゃダメよ日菜ちゃん」
「おいコラ宮崎」
「白鷺よ」
「ハハ……ま、待って……アハハ……お、お腹痛い……アハハハハハハ!!」
「笑いすぎだよ。笑いのレベル赤ちゃんがコイツは」
「今度は赤ちゃんプレイとかどれだけ変態なの」
「もうその話は終わったんだよ!」
「……コヒュー……コヒュー」
「あ、氷川死んでる」
氷川日菜、人生初の笑いすぎて酸欠である。一旦CMです。
♪♪♪
「もー! 死んじゃうかと思ったよ!」
「死刑ね」
「ひでぇ判決だ」
氷川を何とかした俺達は取り敢えず何しに来たのか話をすることに。
「んで、なんで日菜はここにいんだ?」
「あら、出会ってすぐ呼び捨てとか見境ないのね」
「違う。この花咲に姉がいるなら区別付けないといけないだろ。同じ苗字が今ここに実質2人いるんだからよ」
「ああ、そう言うことね。紗夜ちゃんはバンド練でもう居ないけどね」
「早く言えや千尋」
「千聖よ。とうとう名前すらイジってきたのね」
「……ね、ねぇ……あたしを……ハハハ……殺す気……!」
「だから笑いレベル赤ちゃんなんだよ」
「だから赤ちゃんプレイとか」
以下ループ
「……んで、なんでここにいんだ?」
「えーと、生徒会長通しの話し合いで燐子ちゃんと話してたの。今度羽丘と花咲川でなんかやるんだー」
「ひでぇくらい目的がねぇな」
「日菜ちゃんに突っ込んだら負けよ天才だから」
「……天才ねぇ」
「一度見たこととか、初めて解く問題とか感覚で解いたり覚えたりしちゃうのよ」
「だからなんだよ?」
「……みんなから不快な視線貰っちゃうんだー」
そう、日菜が寂しそうな目で言う。だから俺はこう返すことにする。
「心底どうでもいい」
「ちょっと!?」
「だから天才だろうが凡人だろうが、総理大臣だろうが人は人だろ。みんな死ぬんだからしらねぇよ」
「……君変わってるね。それを本音で言ってるのもすごく変わってる」
「お前に言われたくねぇ。かく言う俺もどうせ死ぬんだ。天才やら上の身分なんざにいちいちビビって生きてく人生とかごめんだね」
「……なんかあたしと同じ感じがする。ぐいいーんって感じ」
「意味わかんねぇ」
「……貴方も日菜ちゃんと同じ天才なのかしら?」
「少なくとも天才なら学年トップとか楽器で有名とか、なんかそんなのになってんだろうよ。……まぁ、強いて言うならちょっと身体にゴキブリ飼ってるだけだ。それが天才ならもうなんでもありだな」
「どう言うこと?」
「あんま言ってもなぁ、どうせ終わったことだし気にすんなよ」
「……少なくともこー君は技術とかの天才じゃないね。多分、身体的な何か。でも、それ以外でも何かあるかも」
「……お前、俺の何かが分かるのか?」
「ううん。少し考えたら分かるだけ。身体にゴキブリって多分丈夫なんだろうなぁって。だから身体的に何かあるのかなって」
「正直言うと俺もわからん。厨二病みたいに身体が鉄になるとかそんな非科学的なあり得ない話は持ち合わせてねぇ。ただ、原因不明だが、運良く死なないというか死にづらい身体なだけだ。そのせいで嫌なことも見てきた」
「それが、貴方の人に興味ない理由?」
「まぁな。……なんて、俺の話はいいんだよ。用が済んだなら帰れ、羽丘の生徒会長。ここは花咲だぞ。用が済んだものは部外者になる」
「……まぁ、それもそうかー。じゃあね、こー君、千聖ちゃん」
そう言って天災は消えた。いや天才が帰ったんだけど。
そしてポツンと残された俺とちーちゃん。
「その名で呼ばないで、幼馴染思い出して反吐が出るわ」
「呼ばれてたのかよ。ってか幼馴染なら大事にしろよ」
「大事だから暴言を吐くのよ」
「ツンデレ通り越して天邪鬼じゃねぇか」
「……ねぇ、貴方は何者なの?」
「いや、まじめに人間だぞ」
「そんなドブのような眼をしてるのに?」
「喧嘩売られてるね。これは生まれつきだよ」
「嘘ね、どんな状況になったかは知らないけど、私が芸能の闇を知った時よりも濁った眼をしてるわ」
「……まぁ、ある意味芸能人より酷いかもな」
「教えなさい」
「なんでお前に教える必要があるんだ」
「前に言ったことよ。芸能人に悩みを言えるのは夢の中だけ。だから、そのチャンスが現実にあるなら掴むのもいいんじゃない? それに、同じ闇を持つ同士、分かることもあるでしょう?」
「無いな」
「え?」
はっきりとことのはは告げた。
「ねぇよ。お前と俺が同士なんて事は、覆されてもねぇ」
「私の嫌な事を越えるとでも? それくらい酷かったの?」
「そこまで言うなら教えてやるよ。俺はお前の数倍はキツい目に遭ってんだ……まぁ、人によっては全部嫌な事はキツイけど」
「どんな目なのかしらね」
「……死にかけの人間の声を、お前は聞いたことがあるか?」
「え?」
「死にたく無いと言って暴れたくても暴れられず、生きていけず、結局死んで行った人達にお前は会ったことがあるか?」
「……無いわ」
「だろうな。俺だって聞きたくなかった。そんな奴らの中で俺は生きたんだ。そりゃ眼も腐るわ」
そう言って、ことのはは話す。
「俺は3度死にかけた。そして生きた。身体にゴキブリ飼ってんのは比喩だが、前の学校でついた渾名は『不死鳥』だ。不死鳥とか鷺とか、どうも俺には鳥に縁があるらしいな」
そしてことのはは、自分の髪に手を置いて、髪を引っこ抜いた。千聖は驚愕する。
「っ!? 貴方それって……」
「ズラじゃねぇ、カツラだよ。桂だけにな。髪はだいぶ生えたが、まだ歪なんだ」
カツラを取ったことのはから見えたのは生えてはいるがまだ不自然な形になっている髪型であった。