ウルトラマンザイン   作:魚介(改)貧弱卿

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エピソード33 BURK-祝賀-

「それにしても、あの青い巨人は一体……」

 

「光エネルギーの波長も観測不能、かと思えば普通の生体反応もないし次元結節の干渉も次元レイヤーの屈曲が激しすぎて観測できなかった、熱エネルギーとかの普通のレーダーも反応してませんでしたよね?」

 

「はい、残念ながらあらゆる観測に掛かりませんでした、あの青い巨人は、外見からしておそらくウルトラマンの類い、あるいはそのものであるとは思うのですが今までのウルトラマンに該当するデータはありませんし、青い戦士として有名なゼロ・ヒカリ・Z等にも類似性は認められませんでした」

 

 作戦室にて会議を行う空戦隊、室長弘原海から提起された問いは徹に拾われ、霧島が応える

残念だがそもそもの根源(コスモス)が違う以上、この世界(M78)の常識的なウルトラマンとは全くの別物であるという前提で考えねばならない。

 

「赤い目に黒いライン、低い濁音ボイス……怪しいと言えば怪しい点もある、警戒をするべきか?」

「隊長、それは偽トラが街を破壊する〜とかそういう話であって、普通に味方してくれる分には何の問題も無いじゃないですか、ほら目つき悪いって言われてへこんでたジードを忘れたんですか?」

「そうですよ、偽物とか闇堕ちだから危ないのであって、ミラーナイトみたいに外観がちょっと尖ってるだけかもしれないじゃないですか、それにあのヒカリだって最初は見た目青いからってウルトラマン認定されなかったんですよ?今でこそブルー族の存在が明らかになってますが、ヒカリとかタイタスとか、当初そうは見えなかったとしても実際ちゃんとしたウルトラマンって事例、結構あるじゃないですか」

 

 あっという間に二人から反論が湧き出すが、ここで引くわけには行かない、隊長として簡単に引いてしまうわけには行かないのだ。

 

「だとしても、偽トラや闇トラでないとも限らん、ウルトラマンやセブンの本人だって一時期ベリアルみたいな体色になって暴れていた事だってあるんだ、尖った体に赤い目、黒い体色にはそれなりの実績がある、少なくとも警戒はしなくてはならない」

 

 そう、過去の実績や悪の勢力に属する星人のセンスからすれば、それらの要素は警戒せずにいられないものなのだ、よしんば悪の勢力でなかったとしても警戒をしないわけには行かない

現場を預かる隊長として、背後への警戒をおろそかにしてはいけないのだ

全く唐突に後ろから撃たれるのと、それを予期した上で背を晒すのとは違う

警戒とは虚を突かれないための最低限の事前準備、していて損のない物なのだから。

 

「う〜ん……気は進みませんが、まぁ最初正義っぽく見えても実際ワル、ってこともありますし

最初の頃のヒカリみたいにウルトラマンの一般的な考え方とは違うタイプの人も居ますからねぇ」

「ジードみたいに見た目がちょっとイカツめなだけって可能性もあると思いますが……」

 

「私も、警戒だけはしておく方に賛成します」

「俺もです、室長」

「雄介!お前精密検査はもう終わったのか!?」

 

 隣り合って現れた駒門と雄介、ベムスターの次元干渉能力によって時空の歪みをモロに受けていた雄介は重傷として判定され、附属病院で精密検査を受けていたはずでありながらこの場に現れた事を問うと、軽く笑って答える。

 

「大丈夫です、検査結果はまだですが検査自体は受け終わりました、ベムスターより採血のごんぶと注射器の方が怖かったくらいですよ」

 

「……なら良いんだが……」

 

「本当に大丈夫ですよ、今回はずっと戦闘機でしたから、それに最後はあの青い方……カオスが降ろしてくれましたから」

「カオス、それがあの青いウルトラマンの名前ですか?」

 

 さすが怪獣博士なだけあってか霧島が即座に食いついてくる、ウルトラマン関連の情報にも興味津々と言った様子だ。

 

「はい、彼……彼?ちょっと性別は分かりませんが、おそらく性別を超越した存在ですね、まぁとにかくカオスウルトラマンというらしいです、一時的に取り込まれた時にちょっとその辺は教えてもらいました

どうも彼は別の宇宙から来たウルトラマンで、今回ザインが動けないから少しだけ手を貸してくれたそうです

まぁ、ザインやゼファーのような普通のウルトラマンとは行動原理が違うそうなので、一応警戒だけはしておいたほうがいいと思いますよ」

「なるほど、別の宇宙……それなら別の姿でもおかしくはないですね、隊長!やっぱりウルトラマンじゃないですか!」

 

「まぁウルトラマンというならそれで良い、だがもっとも重要な問題が残っているじゃないか」

「それはなんです?」

 

 雄介の言葉を待っていた様に弘原海は再び口を開くとニヤリと笑った。

 

「決まってるだろう、広報だ!

俺も一瞬見間違えるレベルで怪しい外見のウルトラマンなんだから、はっきりアレは味方だ!とわかる様にせにゃならん、そのためにはまた大々的な広告が必要になるって訳だ

まずはキャッチコピーを決めようじゃないか」

 

《えぇ……》

 

 今ここに、室長以外の全員の心がシンクロしたことは彼の尊厳のためにも秘されるべきであろう。





たまにはこんなギャク回もあったって良いじゃない
昭和式隊長風の弘原海とウルトラ定番「おーい」をやる雄介と、頭脳メンバーでのデブリーフィング回でした

今後の作品展開の方針は?

  • ニュージェネ系統
  • 昭和兄弟系統
  • ンネェクサァス(ねっとり)
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