「今オーシャンの通信員から連絡が来ました、全身が腐敗したように見える未知の怪獣と交戦、通常兵装に効果確認されず、また極めて高度なリジェネと思しい能力を持つと思われる、以上より焼却性武装の使用を求めるとのことです!」
「いやここに焼却性の武装なんて求められても……」
「イゾルテかケルベロスなら単騎で焼却性武装の使用できます、今からでも連絡を入れますか?」
「しかしあれはイギリスとローマの機体よ、いくらなんでも遠すぎるわ
一応連絡だけは入れても良いけれど、日本支部内での策を考えるべきね」
槙島と霧島の言葉に駒門が反対し、より現実的な案を考え始める
この前のポラリスレイの時のように、日本支部には強力な単発式兵装は少ないのだ
その代わり優秀な機体や新兵器が多く回ってくるのでどちらが悪いというわけではないが、セブンガーとエクスカリバー・カプリコーンという事実上運用不可能な兵器で2枠を使い、残り1枠は拘束特化兵器である銀嶺庭園では流石に火力の不足が出るのは仕方ないことだ。
「特殊ナパームは?生物相手なら使えるでしょう」
「確認します」
霧島は即座に整備科へ連絡をとり、焼却弾の在庫を求める。
〈焼灼ナパーム砲弾なら確か弾薬庫にあります、ですがあれは何年も前の物ですし、今も正常に動作するとは限りませんよ?〉
「構いません、何発かでも使えれば良いんです、あのナパームは自己発火性ですから高温になれば勝手に燃えます!」
〈分かりました、じゃあ今から引っ張り出してきます、検品含めて3分ください!〉
「ウルトラマン来ても帰っちゃうじゃないですか!もっと早くならないんですか!?」
〈なりませぇん!〉
霧島も流石に無茶を言いすぎているのは自覚しているのか、それ以上を追求することはなかったが、時間がないのは事実
シーリザーが腐敗した身体を引きずって歩くだけでどれだけの生物がその汚染被害に遭うかわかったものではなく、また二次被害から同様の汚染怪獣が生まれるという最悪の連鎖を起こす可能性も拭えない
また悪臭を撒き散らしているというだけでも周囲の人々にとっては大迷惑であるからして焼却による“あとしまつ”は必須になるのだ。
「しょうがないわね、セブンガーを出撃させなさい、それでヤツを足止めしましょう
戦車隊にナパーム弾が行き渡ればそれで焼却、もしうまくいかなければセブンガーのアームズウェポンをファイアガンにして焼き払えば流石にナパームも発火するでしょう」
「セブンガー?いやよして下さいよ!あれ相手に有人機で接近戦なんてリスクすぎます!」
どんな感染症やら汚染物質やらを保有しているかわからない怪獣相手に接近戦は危険すぎる
最悪セブンガー本体ごと全てを使い捨てる必要すらあり得るのだから、及び腰になるのもわかるだろう
戦闘機1機作るのにすら何百億円という予算が軽く飛んでしまうというのに、戦闘用巨大マシンを使い捨てるなど考えられないと言わざるを得ない。
「あの、ケルベロスの使用許可出ました!向こうの空戦隊員がすぐに回してくれるそうです!」
「所要時間は?」
「メテオール込みであと10分です!」
〈いや、もう少し早くなるかもしれん〉
駒門が落胆の表情になるよりも早く、通信から聞こえた弘原海の声がそれを遮る。
〈アメリカのディザスター級ヘルズゲート、かつて破壊されたそれを地上地点間の転移装置に仕立て直したらしい、ついさっき申し立てがあってな、もう使用承認は取った〉
「空間転移での現場急行……!」
「それなら、間に合うかもしれません!」
そう、ここのところまるで存在感のなかった弘原海は今別件でアメリカ本部に直接出向いており、日本支部には居なかったのだ。
〈今ナパーム検品終わりました!作動十分なものは58発〉
「使えるものはすぐに輸送科の方に回して下さい!」
霧島が整備科からの連絡に対応し、それとほぼ同時に前線の様子を確認し終えた槙島が通信機に向かって呼びかける。
「室長、ヘルズゲートの使用を加味しての到着予想時刻を教えて下さい!」
〈およそ1分後だ、パイロットは俺が務める〉
「わかりました、キャバリアーズ全隊に通達、前線を維持し持ち堪えて下さい
1分後に支援機が到着します」
〈了解!クルセイダーズは今何してる?〉
「彼らも現在急行中です」
向こうの戦車隊隊長の声を華麗に受け流した槙島は左隣に座る霧島の表情を伺いながらモニターを再び確認して、その画面が墜落したレボルシオンを映していることに気づく。
「椎名隊員からの連絡はまだですか?」
「残念ながら、やられたと考えるべきでしょう、下手な希望的観測はノイズになります」
静かな声と共にケルベロス到着までの残り時間をカウントする霧島の視線はどこまでも冷たかった。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)