ウルトラマンザイン   作:魚介(改)貧弱卿

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エピソード36 結晶

「椎名雄介、ただいま戻りました」

「おう、怪我はなかったみたいだな、よかったよ」

「しっかしいつの間に脱出したんだ?落とされてからキャノピー外れたか?」

 

「いやぁなんとか生きてましたよ、衝突のせいでキャノピーが歪んじゃってて、蹴り開けるのに苦労しました」

 

 頭を掻きながら軽く会釈するいつものウルトラ謝罪ポーズで話を流してデブリーフィングに参加する雄介だが

そこにロシア支部から連絡が届く。

 

「緊急通信!?映像回線開きます!」

 

 正面のモニターに表示されたのは、巨大な結晶体、光怪獣プリズ魔だった。

 

「は?プリズ魔じゃないですか!なんでこんな時に!?」

 

 そう、元来プリズ魔は太陽の光エネルギーを多く吸収する地球の大気圏へ光を吸収する為にやってきた怪獣であり、その行動原理は捕食のみ

光でできた結晶は光を取り込み増殖することしか考えていないアメーバのような原始生命体である

それゆえに出現や行動に予測を立てることは困難であり、出現すれば撃破も困難を極める

過去に出現した時は同じく実体化した光であるウルトラマン自身が内部に突入して体内から光線で爆破するという危険極まりない戦法によって自爆同然の撃破を行ったジャックの例があるが、流石にそれは今回期待できない。

 

「過去のウルトラマンのデータからして、ウルトラマンは一度なるとその後にしばらく待機・冷却の時間を挟む必要がある、メタシサス戦でゼファーとザインがそれぞれ確認されている以上は我々だけで戦わざるを得ん」

 

「では、最終兵器を?」

「いや、奴に対して物理刀剣であるカプリコーンでは効果が期待できない、アステロイドバスターかディザスターで片を付ける必要がある」

「しかし、日本のディザスターじゃあ!」

 

 不可能だ、その言葉だけはなんとか呑み込んだ徹だったが、その表情は変わらない。

 

「その通りだ、日本のディザスター級である銀嶺庭園は拘束専用、セブンガーも主兵装は格闘レンジ、エクスカリバーに至っては事実上喪失している状況、だが……プリズ魔の特性を忘れたわけじゃあないだろう?」

「より強い光エネルギーに引き寄せられて移動する……まさか!?」

 

「そう、今作戦はロシアとの共同作戦となる、狙撃ポイントとなる周辺の海上までプリズ魔を誘導してそこでロシアのエクスカリバーをぶつけるんだ」

 

 ロシア支部のエクスカリバー・サジタリアスはレールライフル、光速近くまで加速された質量弾を撃ち下ろす砲台である

いかにバイオプラセオジウム結晶であるプリズ魔といえど、その物理強度には限界がある。

 

〈Mr.ワダツミ、こちらの戦術士官からも同じ結論が出ています、そちらのディザスターを以って拘束されたプリズ魔ならエクスカリバーを直撃させることが十分に可能です、その余波まで完全に抑え切れるかはわかりませんが、プリズ魔のもたらす怪獣災害は非常に重篤な問題、多少国土を削ってでも対処する必要があります〉

 

 向こうの司令官も同じ作戦を提示し、プランの具体化が始まる、切り札となるエクスカリバー・サジタリアスを直撃させるためには目標ポイントへと誘き出した後に奴の移動を封じ込める必要がある

それを完遂するためには日本支部の銀嶺庭園が最も適しているため、互いの二大兵器をいかにして運用するかに主眼を置いた運用をするべきであろう。

 

「こちらのディザスター級・銀嶺庭園を応用し、奴の動きを封じ込めます、その先に最大火力を撃ち込めれば」

〈えぇ、可能性は十分に、サジタリアスの破壊力はマントル層をも貫き得る、光の結晶であろうと貫いて見せますよ〉

 

 ロシア支部のユーリャ支部長との通信回線から、ロシア支部の作戦室へと回線が切り替わる。

 

〈日本の皆さん、はじめまして、私はロシア支部対怪獣対策室長ナターシャです、今作戦においてはロシア支部側の全体指揮を担当します

早速ですが作戦の概要を詰めましょう

現在目標は東北地方沖側から徐々に北上中、海上を抜けるまではあまり時間はありません〉

 

「日本支部怪獣対策室長の弘原海です、こちらは直前に多数の怪獣災害による被害を受け、損害は大きい状況です、平常通りに戦力を支出することはできない」

〈構いません、最後の一撃さえ撃てれば良いのですから〉

 

「そのため!ケルベロスとクルセイダーの3機編成で向かいます、地獄の炎は残念ながら弾切れですが、ケルベロスはもとより重武装爆撃機、火力は十分です」

 

 『日本支部を侮るな』言外にそう告げながら、弘原海はスクリーンモニターの先を見やると

その目線を受けたナターシャはかすかに微笑む。

 

〈承りました、では日本支部からの戦力をお借りします

パイロットはどなたが?〉

 

「雄介、ケルベロスはお前だ、丈治と竜弥がクルセイダー1番機、徹と琴乃が2番機に」

《了解!》

 

 訓練期間の浅い雄介は高度な連携を必要とするタンデムを避けて単独、特に飛行に長ける2人は前衛、現場指揮と相手の観察をそれぞれ得意とする2人は後衛機として編成する3機編隊としての出撃が決定する。

 

〈まもなくアンリミテッドネットの超高速回線も捕食対象に入るでしょう、現場での再開を待っています〉

 

「通信、終了しました、フリズスキャルブから送られてきたプリズ魔の座標情報をモニターに出します」

「よし、5人は各機の補給終わり次第再出撃、行けるな!」

 

《はい!》

今後の作品展開の方針は?

  • ニュージェネ系統
  • 昭和兄弟系統
  • ンネェクサァス(ねっとり)
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