(それで、雄介は私と別れてからどこに行っていたんだ)
(大学の2限、小鳥の見舞いと入隊願いの提出、それで帰り際に翠風に会ったんだ)
(
(ああ、日本・中国人の半々で、
日本名が布良翠風なんだ、名前は変えたくなかったから読みだけを日本語に合わせたんだと)
(なるほど、多民族・多国家の惑星というのは面倒だな、早く統一しないのか?
今の文明レベルなら十分に惑星全体を統一できるだろう?)
(出来るだろうけど、するとなるとほとんどの国の固有文化や言語が絶滅することになる、伝統的な文化が失われるんだ
それに現状世界を一番リードしてる欧米最大級の国家がアメリカ、それと対立してるのが中国とさらにロシア
現在世界情勢はアメリカ率いる勢力と中国・ロシアの勢力って二分されているんだ
だから世界を統一しようとするとどっちが主導となるかで喧嘩する
最悪世界全土を戦場とする絶滅戦争になりかねないんだ、だから今はどの国もそんなことを言い出さない
ただでさえ……今は数多くの国が『
(なるほど、理解した
つまり、統一は技術的には可能だが文明的・及び民族的に危険、と言うわけか
文化に対して武力が進歩しすぎている文明というのも考えものだな)
(そうだな)
翌日、
ザインと雄介が話し合っていると。
「お待たせ、雄介」
「お、来たな……んで、早速だけど」
ドアベルと共に姿を現したのは明だった。
「BURKライセンスホルダーは知り合いにも少ないからね、入隊希望なら私が指南してあげよう」
「それはありがたいね、なにせ色々説明とか書類がどうとかあるらしいし
入隊自体にもしばらく掛かるんだって?」
「そう、私も2ヶ月くらいかかった
それに訓練期間も結構長かったよ
その間も素行調査とか色々されてるらしいけれど、そのへんは機密だからごめん
で、その間は『入隊試験待機者』って扱いで、その間に入隊試験の受験ができるかどうか決まるの、それで受験に合格したら晴れてBURK訓練生、でもライセンスホルダーなら2週間くらいの講習訓練で直ぐ正隊員になれるよ」
「なるほどな」
どうやら時間が掛かるのは素行調査や適性検査、健康診断の結果待ちや身体的な意味での訓練期間などが大きいようだ。
「じゃああまり長くは掛からなそうだ」
「そうなるんじゃないかな」
「ゆーくんと直接会えたぁ」
指を舐める、指先に伝う血を舐める
愛しい人へと注いだその血を、ゆっくりと。
「ゆーくん、ずっと会いたかった
私のゆーくん……でも
ウルトラマン、あいつが……邪魔ね」
(来い)
強烈な思念が現実を歪め、その力が宇宙で眠り続けていた怪獣へと伝わり、覚醒を促す
まだ完全覚醒には程遠いが、やがて目を覚ますだろう。
「もうしばらくはハネムーン、かな?」
蜜のように甘い血を舐めながら、彼女は唇の端を歪めた。
「さぁ、ゆっくり構えてみて」
「あ、あぁ」
両手に握ったのは、BURKガン
BURK内て作られ、制式採用された外部には一切流通しないはずの銃
本来ならばこの射撃訓練場にはオモチャじみた塗装を施された訓練用レーザーポインターガンしか置かれていないはずだが、なぜ実銃を雄介が持っているかというと。
「ほら、しっかりグリップ握ってね、自分の腕と手首と銃口は常に一直線、弓引く時みたいに」
現役BURK隊員に手を引かれているからである。
「こうか」
肩から一本の芯を入れる
肩、肘、腕、手首、手指まで芯が通ると同時に銃弾がどこに向かうかがはっきりとわかる。
的を正面から真っ直ぐに見据える。
「よし、撃て」
「……8点、初めにしては良いかな
弓だとちょっと堅すぎるみたいね
実戦では構えている暇がないから……」
明が銃を受け取ったその直後、こちらを向いたままの姿勢で脇の下を倒した銃口が的を狙いノールックで極小の満点部分を貫いた。
「さすがにこれは少ないけど、こんな感じで破型で撃つことが多いかな、どんな姿勢でも撃てるようにしとくといいよ、逆さまでもパルクールとかやりながらでもね」
「……難しそうだな」
(命中精度を高めるための練習には私も付き合うぞ、なにやら最近キナ臭すぎるからな)
(頼むよ)
軽く微笑んだ明の手の中で揺れるBURKガンを再び受け取り、射撃訓練を続ける雄介であった。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)