「怪獣出現!エリアはT-9です!」
「気温異常上昇を確認、おそらく炎系の怪獣です、高熱攻撃に気をつけてください!」
霧島オペレーターの言葉と同時に我先にと出撃していくクルセイダーズの面々
特に平坂はディノゾールに壊されて以来ようやく回ってきた乗機にご執心のようだ。
「ですがフリーザー系の武装なんて持ち合わせないですよ!?」
オペレーターが悲鳴をあげるが、それを弘原海が黙らせる
「そんなの現場でどうにかするに決まってるだろ、水に落とすなり富士山麓にでも放り込むなりどうとでもなるっ!」
かの伝説のチームZATは航空機から吊り下げた鉄球で敵を殴りつけたりしたし、当時地球にいたポリバケツで怪獣に水をかけるウルトラマンと共闘したのである
酔っ払いに言うこと聞かせる難題を突破した以上は多少の無茶程度ならどうとでもなるのだ。
「研究チームの特派員として現場に同行、ですか」
「そう、課長からの正式依頼だから……あぁそう、パイロットスーツはちゃんと着用するように
クルセイダーは耐G性能が無いと死ぬような動きをするから気をつけなさい」
「は、はい!」
着替えて駒門に先導されてクルセイダーズと合流し、よろしくお願いしますの一言だけで後部座席へ
研究チームのお守りなんて付いてないと嘆く徹を尻目に集中する。
出撃の際の轟音と内臓を押しつぶす加速
この時点で尋常ではないほどの負荷が掛かっているが、彼らにはそんなことは慣れっこなのだろう、全く素面と変わらない。
「怪獣を発見、アレは……タイプサンドロック?」
「いえバーディアです、種別はパンドン
お達しの通りに火を吐く大怪獣です!」
岩肌のような立体的な造形の目立つ皮膚から岩石型と誤認しそうになるが
やつの頭部をよく見ればすぐにわかる
特徴的な黄色いクチバシと短い腕足
体型だけを見れば胴長な雛鳥だ。
「パンドンは高いフィジカルと遠距離まで届く火炎放射が最大の能力です、高機動戦で翻弄するしか無い」
「あぁそうですかっ!」
後ろに非戦闘員がいる以上は大きく前に出ることも難しいため、後塵を強いられている徹の不満げな声と共に急加速、敵の頭上を取って旋回する。
〈攻撃許可を要請!〉〈攻撃を許可!〉
クルセイダーズの一斉攻撃によって全身を粒子加速ビームに焼かれるパンドン
だが一万度以上の高熱に耐えるパンドンの外皮には目立った損傷は見られない
クルセイダーを含めた高機動型の戦闘機に標準装備されているビーム砲は効果的ではなかった。
「あぁもう……ミサイルは!」
「ダメです、まともな攻撃じゃあ奴にダメージは通らない!」
そもそもウルトラセブンすら苦戦させるフィジカルの強敵であり、高い再生能力を備えた敵には軽戦闘機が出せる火力では対応できない
「まずい……!」
火力不足
セイバーからクルセイダーに機体を更新し、性能は大きく向上した筈が、何度攻撃してもまるで効果がない事実に打ちのめされるクルセイダーズ
だが、彼らとて歴戦の猛者
効かないからと攻撃を諦めるようではとっくに死んでいるような死線を潜ってきたのだ。
〈眼球を狙うっ!〉
〈二機一斉攻撃を行う〉〈追従する!〉
丈治を筆頭に竜弥と平坂も攻撃を再開、生物的には弱点とおぼしい眼球を狙撃し、ミサイルの一斉攻撃で体勢を崩す
パンドンも反撃を試みるも、遠目から徹の放ったバルカンがクチバシを抑え込んで火炎放射を放つ隙を与えない
だが、一方的にやられるほど弱いのでは、大怪獣とは呼ばれない。
「ギュシャァァッ!」
爆発的噴火、地面の溶岩を操ったのか
凄まじい火力の噴火が起こる。
「うわぁぁっ!」
流石にクルセイダーズもこれは予測していなかったのか、大きな回避運動を余儀なくされ
正面に集中していた徹機も爆発の勢いで安定を失ってしまう。
「ヤバいっ!クルセイダーがっ!」
必死に操縦桿を握る彼の背後で、雄介はペンダントを光らせ無言でザインへと変わり
バランスを崩したクルセイダーを受け止める
さぁ、戦闘開始だ。
「デュアァッ!」
拳を構えて突進、正拳を叩き込み、鳥頭を深く抉りこむように殴りつけ、正面に踏みとどまってのラッシュ!
「クキャァァッ!」
炎を噴き上げるパンドンのクチバシがザインの左腕を捉え、そのまま火炎をゼロ距離発射する
だが、ザインの左腕はスチールどころかアダマントを上回る宇宙チルソナイト・オーステナイト合金、ただの火炎程度ではダメージにならない。
「デヤァァッ!!」
スペシウムを宿したスラッガーを念力操作し、直接飛行させて、その双頭を叩き斬る。
「……」
最後に首無しになったパンドンの骸を殴り飛ばし、それでフィニッシュだ
上空で爆散するまでを見送り、血の雨の中を帰還する。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)