「ジュァァッ!」
変身を終えてなおも金色の粒子が舞い、全身から光が零れ落ちていく
もはや念力による身体結束さえも維持できないほどに衰弱している
そんなことは関係ないとばかりに飛行能力で加速してパンドンの懐に飛び込み、そのまま連続殴打を叩き込む
都合17発、連続で叩き込まれた拳
以前のパンドンならば跡形もないであろうその連撃。
だが、有彩のマイナスエネルギーをふんだんに吸収していたパンドンの耐久性は、ザインの見立てを遥かに凌いでいた。
鉄拳の乱打を浴びながらも、一歩も下がることなく耐え抜いていたパンドンは、カウンターのボディブローをザインの腹部に叩き込んだのである。
先ほど有彩に刺された、腹部を。
「「ギシャァァァッ!」」「……グゥアァアッ!」
突き込まれた一撃に耐えかねて倒れ込んだザインを見下ろしながら、パンドンは追い打ちを仕掛ける
火山岩すら蹴り退ける脚から繰り出された蹴りが頭部を直撃し、額の緑雲母が破片となって砕ける
エネルギー漏出がいよいよ以って致命的となり、ザインのカラータイマーが鳴り始める
その時。
「クライム・イグニッションッ!」
炸裂音と共に、光が降り立った。
光の国に於いては希少な体色である紺色のラインが紋様を描く銀の巨人
レッド族よりの顔つきと体内埋め込み式のカラータイマーを有するその巨人は光の国宇宙警備隊訓練校格闘科教官、人呼んでウルトラマンクライム。
「シュァッ!」
ザインと入れ替わって戦闘を開始したクライムの繰り出す拳は、弾かれることなく敵の芯を捉えて押し退け、焼けたビルの残骸へとそれを打ち飛ばす
倒れ込んだパンドンもすかさず起き上がって火炎を発射するが
散弾も放射も爆発も、どんなに火を吐きかけても通じない
やがてパンドンの下へ歩いて到達したクライムはチョップ一撃で二つの嘴を吹き飛ばし、その再生よりも早く。
「アトミック――クライムッ!」
明瞭に、地球人に聞き取れる発音と共に、右拳が振り抜かれ、パンドンの胴体を貫通する
ザインの拳を全く受け付けないほどに強化されたパンドンをさらに上回る一撃だ。
「ダメだ!それではまた!」
(いや、これで良いのだ)
脳裏に響く彼からのメッセージ。
(周りを見るがいいザイン、青年)
新たなウルトラマンとその圧倒的な力、強化されたパンドンをさらに圧倒する姿
まさしく希望の象徴が燦然と輝くそこに、絶望の暗雲はない
有彩がついに精神限界を超えて意識を失った事もあり、開戦当初ほどの能力は発揮できないパンドン
これならば、確かに。
(この状況なら!)
(一撃で焼き尽くすのだ、完全に
細胞一片たりとも残さず!)
(クライム教官ッ……!)
(……今さら退けと言っても、どうせお前は聞かんのだろう? ならば最後の一撃くらいは付き合って見せろ、この私に逆らったからにはな!)
(……はいッ!)「行くぞッ!」
テレパシーを打ち切ったクライムの両腕に集う光の粒子、掲げられた右腕にはプラス、交差する左腕にはマイナス
正負のスペシウムエネルギーが衝突し、スパークする
原子崩壊によるフォトンのエネルギーをさらに濾過して
破壊の力を一極集中する。
ザインもそれを横目に見ながらスペシウムを流したスラッガーを投擲し、念力により座標を固定
その両手にもスペシウムが収束し、光の球体を生成する
ウルトラ戦士の光波熱戦と重粒子砲を受けたパンドンは今度こそ再生の追いつかないダメージを受けて爆散し
その破片一つ一つすらとらえる爆発によって霧散した。
(……申し訳ありませんでした、教官。俺は有彩のことを何も……)
(我々ウルトラ戦士の中にもベリアルという者が居たように、地球の人々も決して善き者ばかりではない。
……その前提を踏まえた上で、我々は彼らと向き合わねばならん。心して掛かるのだぞ、この地球でウルトラマンと名乗るからにはな)
厳しい言葉と共に与えられる激励
響くタイマー音と共に、彼は蒼い宇宙へと飛び去っていった。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)