ウルトラマンザイン   作:魚介(改)貧弱卿

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エピソード17 白雲白霞 2

「遥かかつて、我々とガンダーは一つであった」

 

 ポール星人、個体識別コード14:184-957の言葉が響く。

 

「我らが祖先はかつて、星の寒冷化に対して大型化と小型化、対極的な二つの選択をした

小型化した祖先は肉体的な力を失い、その代わりに念力と高い知能を獲得した

大型化した者は知能を大きく失うことを代償にして、圧倒的なサイズと身体能力、そして特異な身体組成を獲得した

地球でいうのならばそう、ゾウとネズミのように、同じ祖から大いなる者と小さき者に別れたのだ」

 

「無論、その変異に対応しないものも多かった、そしてそれらは皆滅んだ

もはや我らが祖先を礎にするものは我らとガンダーのみだ」

 

 -100°C、ポール星の一般気温は厳しすぎた

故にそれに適応した生物のみが残った

しかし、それも徐々に過酷化していく環境の前に限界へ至り、そしてついに彼らは禁忌を犯す

他星への侵略攻撃である。

 

「もうじきポール星も冬が来る

我らもまた、冬に備えねばならない

故に、我らはこの星を守るウルトラマンに対し宣戦を布告する」

 

 空中に投影された巨大な映像の中で、ポール星人が叫んだ。

 

「十四日後、地球にガンダーが降下する

その時こそ、我々はウルトラマンを打倒し、地球の第三氷河期が開始されるだろう」

 


 

「……んなことさせっかよ!」

 

「落ち着け、翻訳が正しければ時間はある

市民にもシェルターへの避難の準備を促す程度で十分だ」

「それに14日、二週間の猶予は大きいですよ、過去ポール星人を撃破したセブンはエネルギー技のゴリ押しでしたが、今度は奴の弱点を探すことだってできる」

 

 飛び出そうとする竜弥とそれを止める2人、オペレーター達が動き始めた。

 

「各プラントとシェルターの確認をしつつ防寒設備の点検を急がせてくれ

お役所仕事では話が始まらん」

「はい、民間企業にも依頼を入れますか?」

 

「……いつもの3社でいいだろう、連絡の方は頼んだ、俺は上に行く

現在動ける隊員の全てを動員するぞ、これは地球単位の危機だ、ガンダーが一体程度ならともかく、インペライザーのように何体も降下してきたら本当に全世界が凍結しかねないからな」

 

「はい」

「まずはアメリカ本部議会へコンタクトを取れ、霧島は作戦の立案を頼む」

 

 その言葉を最後に弘原海は席を立ち、その代わりに駒門が場のイニアシティブを取った。

 

「それではポール星人及び冷凍怪獣ガンダー、撃破計画の作成に入ります

過去のデータは?」

「はい、まずはこれを見てください」

 

 正面のモニターに移されたのは拡大されたガンダーの画像、そして今しがた空中に投影されていたポール星人の映像だった。

 

「両者の体格差等は不明ですが、星人の方はおそらく一般的なヒューマノイドよりも小さいと思われます、あまり信用なりませんが当事者の発言から肉体的スペックもあまり高いわけではないでしょう

過去の例からするに、戦闘はガンダー任せであると思われます

ガンダーのデータはこちらです。

 肉弾戦においては当時のミクラスとほぼ同格であり、最終的にはこれを上回っています、フィジカル面では強敵と考えるべきでしょう

一方特殊能力としては飛行と凍結能力(フリーズ)を兼ね備え、無尽蔵に冷気を生成するものであると思われます

地球に過去2度の氷河期をもたらしたという彼らの口ぶりが事実だとすれば、単独でも惑星級の凍結能力を備えるものと考えるべきでしょう」

 

「弱点はないのか?」

「撃破方法は首の切断でした、おそらく強力な再生能力は保持していないと思われます

故に、ウルトラマンの光波熱戦による殲滅が効果的であると考えます」

 

 霧島の言葉によって、作戦の主軸は決まった

しかしウルトラマンが必ず出現するわけではないため、ウルトラマンに頼るのはあくまでサブプラン。

 

「神虎ミサイルを使うのが一番だと思います、火星産スペシウム133の最高精度結晶を使っているので、まとめて叩き込めばリダブライザーなしでもそこそこ程度の火力にはなるはずです」

「……ってもよ、炮龍は中国に送っちまっただろ?ミサイルだけあっても規格が合わなきゃ撃てないだろ」

 

「いいえ、風龍にも搭載可能よ

そもそもが試作機とはいえど量産前提の機体なのだから、専用設計にはしていないの」

 

 丈治の言葉を遮る駒門がオペに指示を出し、メインモニターの前に立つ。

 

「炮龍はデータ用試作機として送り返してしまったけれど、風龍なら一般機モデルは更にあるわ、ドイツやロシアにも配備されている機体を融通してもらえないか掛け合ってみます

ミサイルの方は中国頼みだけれど、スペシウムの精製工場の拠点は日本、断らせはしない

クルセイダーズは至急、風龍への機種転換訓練を開始して

スペシウム兵器は外せないわ」

 

 そう、スペシウムとは重元素

爆発には放射線が付随する、非常に危険な兵器なのだ。

 

「シュミレーターの準備を依頼してきます」

「ほな輸送科と整備科に話を通します」

 

 オペレーターとヒラが受話器を取り、本格的に作戦概要が決まり始める。

 

「まずはガンダーの降下ポイントを絞ります、霧島君」

「はい、映像の投影された範囲は日本における東京都、オーストラリアにおけるシドニー、アメリカにサウスカロライナ、以上3箇所

おそらくこのポイントがそのままガンダーの降下点になると思われます

日本は我々、オーストラリアにはオーシャン、アメリカは本部がそれぞれ対処を行うものと想定します」

 

 アメリカ本部の総戦力は各国支部の倍以上、他との連携を必要とせずに撃破可能だろう

シドニーに出現した立体映像のポイントは近場のオーシャンと他支部が連携して対処すると想定した上で、土地勘や戦力運用の都合で多少の問題は噴出するかもしれない

一方我らが日本はというと、戦力自体は十分ながら、実際に有効な兵装は少ないという珍妙な状況に追いやられていた。

 

「東京に直接降下してくるのなら、首都圏一帯から関東周辺までは-50°を超える超低温地帯になると考えられます、豪雪による交通障害等を考えて、やはり航空機メインでの戦闘が最適でしょう

ただし、通常用の不凍液より低音に対応できるものが必要になると思いますので、極地対応のをアンタクティカから輸送してもらいます」

 

「わかりました」

 

 人類による対抗作戦の用意が始まった。

今後の作品展開の方針は?

  • ニュージェネ系統
  • 昭和兄弟系統
  • ンネェクサァス(ねっとり)
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