「……祝、ガンダー撃破っ!」
「クリスマスパーティッ!」
クリスマスパーティは随分飛んだ形になったが、日本支部は平常運転
もちろんエリアルベースの二人も参加している。
「シャンパンなんて飲んでよかったんですかね?」
「良いんじゃない?あんな連中と比べたら生身の私達なんで戦力外も良いとこだし」
生身でもそこらの星人と格闘戦できる2人を見ながら、結と三河の二人はグラスを傾ける。
「で、あんた随分気合い入ってるじゃない、なに?それ」
「み、ミニスカサンタ……です……その、私が着たかった訳じゃなくて、ですね
相応しい格好っていうか、その、クリスマスコス、こういうのしかなくって……」
特別カスタムのクリスマス制服はなぜかサンタコスやトナカイコスなどさまざまな種類があるのだが、オーソドックスな一般制服を着て出ていた結隊員と違って三河隊員はその特服の中で一番人気のなかった
趣味的に作られたものを着て出席していたのだ。
「別に無理にコスプレする必要ないんだし、私みたいに普通ので出ればよかったんじゃない?」
「勿体無いじゃないですかそんなの!せっかくのクリスマスなんですよ?それに雪も降ってたんですから!ねっ?」
たしかに上空で飛ぶエリアルベースに勤務していたのでは天気も季節感もクソもない
正月も夏祭りもなんにも無いのだから、せめてクリスマスくらい乗りたいと考えるのも当然だろう。
「で、ミニスカ?」
「……はい……」
脚周辺の防御力のなさすぎるその格好に、到底緊急出撃はできないだろうと内心考えながら、結隊員は再びグラスを傾ける。
「じゃあほら、向こうの連中にも見せてきたら?あんた脚綺麗だし」
「恥ずかしいじゃ無いですか!そんなの見せられないですよぉ」
「じゃあなんで着てきたし……」
「お、エースのご登場だぜ?ほら持てよ」
「やめて下さいよ駒門さんが上手かっただけですって」
丈治がふざけながら雄介にグラスを手渡し、一気を囃すが、周囲は誰も乗らなかった
一気飲み自体体に悪いというのもある上にそもそもノンアルでやっているために全員素面だからである。
「大学は良いんですか?」
「はい、今日はもう出る講義ないので」
霧島からの声を軽くいなした雄介はターキー代わりのガーリックチキンを皿に取る。
「椎名君、作戦後に急に教授に呼ばれて行っちゃったって言われても困りますよ
せめて事前に我々に連絡してくださいよ」
「……すいません」
徹の魂の叫びだった。
(どういうことだ?)
(俺もよくわからない)
ザインと二人して内心混乱していると、背後にいたらしい駒門から声が掛かった
「椎名隊員」
「はい」
「あの時急にいなくなったのは大恩ある教授に呼びつけられたから、でしょう?」
「あっ……はい」
(カバーストーリー、というわけか
確かに戦闘中にコックピットから急に居なくなったら怪しまれるか)
(上手く誤魔化してくれたのかな)
急場凌ぎに作られたような嘘話ではあるが、それで周囲が収まっているなら構うべきではないだろうと判断した二人は口をつぐむ事にした。
「肉ばかりは体に悪い、野菜も取っておくことね」
「はい……」
「あんま気にすんなよ、いっつもああなんだから」
「そ、そうですか」
「そこ、何か言ったか?」
「「いえ何もッ!」」
丈治の耳打ちはどうやら聞こえていたようで、丈治はすぐさま撤退して行く
判断力の高さも行動の速さも見上げたものだ。
「……そうね、椎名君、あなたは向こうの二人を誘ってきなさい
私一人じゃ華がないでしょう?」
「十分では?」
「お上手って言いたいところだけれど、季節行事は毎年広報用の写真に使うから必要なの
……実を言うとこの臨時出向自体もそれで仕組まれていたらしいわ」
「えぇ……人類存亡の掛かった戦いなんですけど……」
「それは毎度のことよ、だから外見と実力を兼ね備える彼女たちって訳、実際足手纏いにはならなかったでしょう?ほら行ってきなさい」
「はい」
雄介はシーザーサラダを探す体で二人のもとへ赴いた。
「……ん、来たわよ」「あ、椎名さん」
「結さん、三河さん、その節はお世話になりました」
「そう言う事は一番に落とされた奴に言わないの、ok?」「はい」
頭を下げる雄介と空のグラスをかざして断る結、そしてさりげなく結に隠れつつミニスカを引っ張って伸ばそうとする三河。
「どーせ男衆に呼んで来いって言われたんでしょ?ほら行くわよ」
「あ、待ってくださいよぉ!」
「……完全に俺じゃなくて良かったじゃないですか」
特製クリスマス制服の中でも最も人気のなかった事で最後まで残されていた
ミニスカサンタ制服、そのあまりに高い裾の終端から生脚を晒しながら
三河は手を引かれて去っていった。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)