「よ、大丈夫?」
日が落ちるより前、程度の時間にデスクを移動し終わり息をついてると、突然肩を叩かれた。
「あぁ明か、いつ来たんだ?」
明はカクカクと首を揺らしながら努めて胸を逸らし。
「ん〜?このオーシャン最強のパイロット様に向かってー良い態度じゃないかー」
「……寒いぞ」
「なんで言うのさ」
スンとばかりにニヤけた表情と姿勢を戻して真顔になった。
「いやなに、この前のガンダー戦で直接の設備損壊とか吹雪の災害とか色々あったじゃない?それでアメリカ・アンタクティカ・ロシア・イタリアといろんなところに結構な被害が出たからね、組織再編とか新体制の樹立とかで色々忙しくって、日本基地にきたのもついでみたいなもんよ」
「そうか、じゃあすぐにまた移動か?」
「いや、今日はこれで終わり……かな、一応ね、あとは書類輸送くらい
ほら、どんだけ頑張って機密やってても地球より上位の技術持ってるなんてデフォだし、暗号とか意味ないんだよね、だから一周回ってお手紙郵送ってわけ」
「なるほど」
たしかに現物のみで物理的にやりとりするならコピーや盗聴のリスクはないに等しい
特にアメリカ基地の量子コンピュータK.I.N.G.は設備破損による電力不足で十分なスペックを発揮できていないらしいので、いつもよりもそういったアナログ手法の利用が多いのだろう。
「どうする、ついでだし紅茶でも飲んでいく?」
「よし、じゃあ俺も紅茶にしよう」
二人して廊下の自販機で紅茶を購入する、午前の紅茶(レモン)を明が、午前の紅茶(ストレート)を雄介が買って二人でベンチへ。
「あー……そっちの方は最近どうよ」
「こっち、日本支部の方か?あんまり変わったところはないな、俺は新部署に移動になったと言ってもそれもペーパーっぽいし」
「そっか、じゃあお暇だね」
二人で窓の外の風景を眺めて、味気ないペットボトルの紅茶を飲んだ
たったそれだけの事でも、多分必要な事だった。
日も落ち、談笑のめぼしい話題も尽きたその頃、突然ことは起こった。
〈
「クルセイダーズ緊急発進!」
「こっちゃ寝てんだよぉぉぉっ!!」
けたたましいサイレンが鳴り、仮眠室から飛び出してきた竜弥達が我先にと走り込む先は格納庫
〈1番ゲート開きます!〉
「ready set 」
「BURKジャパンクルセイダー1、スタンバイ!」
「スクランブル!」
諸々のコールを省略してゲートを開き、格納庫から直接緊急発進したクルセイダー達
一方
「BURKオーシャン呑狼明
「ちょっなんで俺まで!?」
「は?」
落ち着いていたのは表面だけだったようだ。
「クルセイダーズ
「シーホース
雄介を後ろに乗せたままシーホースで超速機動し、クルセイダーズの後方からビーム砲で支援砲撃を行う
クルセイダー2機は前に出て、外付け兵装である実体弾の200ミリキャノンを発射
大威力の砲撃でそのまま敵怪獣の装甲を食い破ろうとする。
「ギジャァァァ!」
半身像の如き無様な、不自然な姿の爬虫類型怪獣、ケルビムの幼体だ。
(おそらく流星群に紛れて地球に来たは良いがマザー個体が倒されてしまったために不完全な状態で孵化したのだろう)
(なるほど、じゃあ弱いのか)
(おそらく、通常の成熟した個体よりは弱いだろうな)
ザインの念話の通り、戦いは一方的に進み、ケルビムの武器たる遠距離攻撃、弾道エクスプルーシットはかすりもしないどころか無駄に体力を奪うだけに終わり
逆に未熟な体表装甲ではキャノンの物理衝撃を受け止められず、弾を受けるたびに緑の血と肉片が飛び散る。
「なにこいつ……弱い」
明はふらついているケルビムを不審がっていたが、それよりも倒すことを優先したようで、容赦なくビームを連射する。
「撃破……!?」
ビームと実弾が同時に突き刺さり、そして爆散、実にあっけない戦い、いや戦いですらない一方的な殲滅だった。
〈……おかしい〉
〈何かきそうな気配がしますね……〉
クルセイダー達もあまりにあっさりとした攻略には違和感を覚えたようで、それを訝しみながらも撤退していく。
そして、それを見つめる影も消えた。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)