〈システムオールグリーン、急速起動します!〉
「起動完了確認した、BURKセブンガー新3改出撃する!」
渋い声と共に、基地正面のハッチを開けて出撃する鉄の巨人
戦闘モードで起動したセブンガーは名前通りにウルトラセブンと同等の格闘能力を有する戦士なのだ。
ギギギギギィィィと耳障りな大音を立てて、鋼の拳脚がアリゲラへと迫り、迎え撃つ追尾光弾を装甲で無視して突撃していくセブンガー
流石に突如出現した戦力に驚きつつも後を任せて各自撤退する戦車隊達。
「ギシャァァァォーッ!」
「舐めるなアッ!」
羽や脚に攻撃し続けていた戦車隊が居なくなったことで羽を再生させて飛翔しようとするアリゲラだが、その隙を見逃すはずもない
普段は司令室にいる弘原海とて歴戦の勇士なのだ。
弘原海の繰るセブンガー新3改はアリゲラを正面から蹴り飛ばして仰向けに転がし、そのまま更に蹴りつけて基地から大きく引き離した
セブンガーは仮にも起動限界である3分間のうちに都市一つを更地にできる戦力としてディザスター級に指定された兵器、怪獣一体如き相手にするようなものでは無いのだ。
〈隊長!左膝は不調って言ったじゃないですか!〉
「この程度で壊れるなら整備不良だ!右腕、ドリル旋回機構は?!」
〈問題ありません!穿削ドリルアーム起動します!〉
セブンガーは右拳をパージし、代わりに提供された新たなパーツ、ドリルアームを装着する
五十年前、かつての地球防衛組織であったストレイジが運用していた防衛戦力、50メートル級巨大ロボット『特空機1号 セブンガー』一度は撤廃・再設計されたその必殺兵装、硬芯鉄拳弾および超硬芯回転鉄拳を由来とする武装だ、作業用アームでもある通常の腕とは違う、完全に攻撃力に特化したウェポンである
流石にロケットパンチに類する機能はないが、その代わりに繊細性もない
故に全身精密機械であるセブンガーの体躯で唯一、乱雑に叩きつける事が可能な部位として機能するのだ。
「行くぞ」
アリゲラとてただやられるだけではないが、流石に受けたダメージが大きすぎた、
左の羽根はほぼ全損し、右の羽根もかろうじて捥ぎ取れていない程度に過ぎず、外骨格も無事な部分のほうが稀という有様は50メートル級の怪獣であるアリゲラからすら戦闘力のほとんどを奪っていた。
「突撃するッ!」
レッグキャタピラを限界まで回したセブンガー新3改の速度は時速140キロ、
シルバーアローのような馬鹿げた速度ではないが、その質量と比すれば桁外れだ
そして、その運動エネルギーと重量が、ドリルアームの先端にのみ集約され
ようやく体制を立て直したアリゲラへと突き刺さる
胴体へと直撃したドリルがアリゲラの外骨格を貫通し、そのまま突き抜ける
もはやどうとも言い訳のしようがない致命傷だ。
「ギシャァァッ!」
巨大な双翼が、骨格の装甲が、そして全身が爆散する
10秒の後、立ち上る煙が去った後には何も残ってはいなかった。
「……回収回収っと」
突如出現した影が微笑う
爆散したアリゲラの骨肉片を影に沈めて、跡形もなく消し去ったのは影だったのだ。
「アリゲラはマテリアが残れば再作成できる、今回は惜しかったと考えましょう」
影の狙いは一つ、あの女よりも先にウルトラマンを、そしてBURKを滅ぼすことだ
地球の守りを引き剥がして、今度こそ邪神を降臨させるために
そして、邪神の力で種族の繁栄を取り戻すために。
「ハヤナが失敗したか……」
「だがアリゲラは回収したし、予測外の戦力を確認することはできた
戦果は十分だろう」
「結局戦闘に敗北しているのだから、十分とは言えまい……あの女は?」
「はい、観測を騙す別空間に居ます、今回の件は認識していないでしょう」
「フフフッ 愉快なことだ
普段我らに上から目線で命令ばかりするあの女が、欺かれて気付きもしないとはな」
「あまり笑ってやるな、彼女とて我らと同じ立場なのだ……腹が立つのはわかるが、悪戯に嘲笑うのは良い行いではない」
「やがては殺す敵になど情を持つものではないだろう」
「情などいらぬというのは私も同じだ、だが態度が悪ければ警戒もされるというものだ、警戒は出来る限りない方が望ましい
……次は私が出る、影より出し同胞の為に」
影より出てて影へと去る者達の中に、波紋が浮かんだ。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)