「みんな、いつも応援ありがとう
私はウルトラマンザイン、M78星雲からやってきたウルトラマンだ
最近なかなか怪獣が出てこないから、今日はみんなと一緒に今までの戦いを振り返っていこうと思う」
背景空間インナースペースの中で、ザインが語り始める
インナースペースとはありとあらゆる生物に存在する内的空間、世界においてその生物が占有する領域であり、生物の精神に応じた様相を呈する精神内世界であるが、雄介のそれは全く変化のない海底空間だった。
「まずは私が地球に来て最初の戦い、私は地球に降りて早々、地底怪獣ガクマと甲殻怪獣ドンネルの二体と戦ったんだ」
ドンネルとガクマのそれぞれの体格や強度、そしてパワーと特殊能力が表示される
ドンネルの能力は溶岩エネルギーによる砲撃、そしてガクマの能力は石化能力ゴルゴンだ。
「私はガクマの能力によって石にされてしまったんだが、そこで雄介と合体し、完全に石にされてしまう事態を免れることができた
体さえ動けばあんな怪獣は目じゃあない、すぐに倒せたぞ」
その言葉と共に爆散する二体の姿、そして次に写った怪獣は黒白のボディにオレンジの点灯部を持った昆虫じみた姿のそれ。
「ゼットンは強敵だった、私と雄介で協力してもまるで手が出ないんだ……だが、機転によって活路を見出すことが出来た、私達が成し遂げたゼットンとの和解は、歴史的な事柄だったと思うぞ」
一方的に殴られるザインの姿と、インナースペースの雄介、そして念話に成功して最後に飛び去っていくゼットン。
「そしてこの後に降りてきたのはディノゾールだ、こいつは宇宙の渡り鳥とも呼ばれる怪獣で、生物のいる文明圏にはあまり降りてこないはずなんだが……なんでか降りてきてしまった
仕方ないので迎え撃ったんだが、あまり気持ちの良いものではなかったな」
画面に映されたのは降下してきたディノゾールの振り回す断層スクープテイザーによってビルが切断される映像だ。
「こいつは人類の兵器、シルバーシャークによって狙撃され、撃破されたんだが……次の瞬間、反転再生して襲い掛かってきたんだ」
頭を吹き飛ばされた直後、絶叫と共に再生したディノゾールリバースが二振りに増えたスクープテイザーを振り回す姿が映されるが、ザインの口ぶりはあくまで冷静だった。
「しかし、長くは持たない無理な再生だったようだ、残念ながらディノゾールを救うことはできなかった……さて、次に現れたのはエレキングだ、それも足のないタイプの特殊な個体だったぞ」
新たに現れた映像は蟠を巻く改造エレキング、全身から電撃を迸らせる攻撃態勢だ。
「このエレキングは神出鬼没で、どこにでも瞬時に現れることを可能としていた、能力を活かして発電所などの電気が豊富にある場所を襲撃していたんだ
俊敏で、筋力を活かしたジャンプすら可能とする身体能力はまさに圧巻だったな」
全身から雷光を迸らせ、ザインに組み付くエレキングの映像の時間が少し進み、その腹が蠢く。
「だが、最大の特徴はこいつ、なんと母親個体だったんだ、だから私は倒すのをやめて別の星に送ることにした
銀河連盟の共通法では体内に子を持つ親を殺してはいけないことになっているんだ」
映像がさらに進み、トゥインクルウェイによって惑星ユアンへと送られるエレキング
そしてその映像が切り替わると現れたのはホー。
「さぁ、次に行くぞ、エレキングの次に現れたのは硫酸怪獣ホーだ、こいつは涙に含まれる硫酸を振りまく迷惑な奴だが、最大の問題は普通に格闘戦ができないことだ
特性上こいつは幻のようなもので、物理的に干渉することはできない
そこで雄介はセブンの幻を作ることにしたんだ、普通なら幻どうしなら殴り合っても意味はないが、この場合だけは話が違う、この幻はあくまでマイナスエネルギーでできたホーにダメージを与えるために、プラスのエネルギーを高めてぶつけるための媒介にすぎないからな」
硫酸を振り撒いて幻像のセブンと殴り合うホーは、しかし周囲の人々のエネルギーによって消滅していく。
「このように、私たちではなくみんなの心の光によって、ホーを消滅させることに成功した
私たちの戦いになにより重要なものは力じゃなく、心なんだ、言葉で言うのは簡単だが、私はこの時初めてこれを実感したな」
ザインの言葉と共にホーの映像が消える。
「次はシーゴラス、こいつはものすごい嵐を起こす能力を持っていて、尋常ではない風のせいで防衛チームの戦闘機もろくに飛ばせない状態になってしまったんだ
けれどオーシャンのエース、呑狼明がオーシャンの多目的機シードラゴンで出撃してきた
自動制御装置の実験中の事故で暴走してしまったクルセイダーを、本人の技術だけで抑え込んで見せたぞ!」
シーゴラスの出現からクルセイダーの暴走、そして彼女がキャンサー・プレセベと共にクルセイダーを撃破したシーンが次々に映される。
「彼女の力量は本当に凄まじいものだ、弘原海隊長すら彼女には一目おくことになるだろう
さて、この戦いでは人類の切り札、エクスカリバーが初めて披露された」
映し出されたのは第四宮キャンサーのプレセベ、巨大な機械蟹だ。
「こいつはプレセベ、エクスカリバーの一つだ、見た目はカニのお化けだが、現人類最高戦力の一つなんだ
ビームキャノンや電磁ネット、豊富な武装を使って戦うぞ!」
様々な武装コンテナを引き出し、交換して装備し、それらを使い潰しては換装して攻撃を再開するプレセベ、その戦闘スタイルのコンセプトはまさに蟹であり、装甲で攻撃に耐えた上で換装による修復能力にまかせて押し切るというパワー特化にのみ許される豪快なものだ。
「こうやってゴリ押すのは正直あまり好きではないが、有効なことは事実だな……
さぁ次に行こう」
次に現れた映像はブラックエンド、強力な円盤生物型怪獣だ。
「こいつは円盤生物のブラックエンド、同種族の中では最も高いパワーをもっている……んだが、そもそもアベレージの低い種族である以上、強いとは言ってもそんなに無茶苦茶強いと言う訳ではなかった
どちらかと言うと機動力によって神出鬼没に現れては消える特性によって、全国中を駆け巡るような逃げ方をした方が良かった気がするな
とは言えブラックエンドも強力な怪獣、星を滅ぼすほどではないが、街一つ程度なら三分と掛からないほどの強力な放火能力を持っているんだ」
そこらのビルを破壊しながら突撃してくるブラックエンドの姿は流石に種族最強なだけあってか、格闘特化型の怪獣にも匹敵するほどの迫力を滲ませていた。
「だが、こと力においては私たちだって負けてはいない、宇宙拳法で返り討ちにしてやったんだ
だが、次の怪獣はそう簡単には行かなかった」
緑の髪、揺れる木枝に似た触手
迫り来る蛇の如きそれはまさしく根。
「なんと、宇宙植物ソリチュラが人知れず周囲一体の何もかもにに同化していたんだ、その中には雄介の友人もいた
彼女は特に侵食率が高く、今も目を覚ましていない」
昏睡状態からいまだに覚醒していない小鳥のベッドがわずかに映されて、すぐにソリチュラへと戻る。
「ソリチュラは非常に強力な大怪獣で、
ソリチュラの振り回す触腕と堅固な樹皮の装甲、そして同化した生物を分離して操る能力
ソリチュラの中でも種子や苗木に相当する未成熟な個体であるはずの飛種でありながら既に星のテクスチャを侵食して強力な能力を発揮するその個体、たまたまそれがエリート的な強個体だったのか、それともソリチュラという種族が全体的にそれほど高度な種族なのかはわからないが、ただ手こずらされたのは事実である。
「雄介の不調もあって十分に戦うことはできなかったが、我々は幾らかの犠牲を払いながらもこれを焼き払い、最終的には撃滅した……はずだ
実際、万全のコンディションだったら勝てたのかと言われても疑問符をつけざるを得ないだろう」
BURKローマの爆撃機、ケルベロスのディザスター級兵装、
「さぁ、今日はここまでだ、続きはまた今度見ていこう」
今後の作品展開の方針は?
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ンネェクサァス(ねっとり)