ウルトラマンザイン   作:魚介(改)貧弱卿

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エピソード28 モンスターレックス 2

 

「ストライダー現着、攻撃許可を要請します」

〈まだ待て、攻撃は全員揃ってからだ、それにミサイルみたいな大質量の兵器は銀嶺庭園に引っかかる〉

 

「了解、上空で旋回待機します」

 

 ストライダーの方が足が速いため、単身先に向かわされた雄介だが、攻撃は待たされる

ここで突撃して撃墜されながら変身を予定していた雄介としては肩透かしだが、防衛隊としては当然の判断だろう

しかし、旋回待機というのは流石に目立つ、原典とは違ってイカルス星人を合体してはいないため、アロー光線を撃ちはしないものの、それだけが遠距離攻撃の手段ではない

 

「ギシャァァァァッ!」

 

 吠え猛る暴君の腕から発射された鎌がエントロピー増大による速度減衰を継続的加速によって打ち破り、無理矢理に空へと伸びる。

 

「うぉっ!?」

 

 しかし雄介は未来予知じみた直感によって咄嗟にこれを回避し、そのまま減衰領域ギリギリまで接近する。

 

「ギィィキュェァァア!」

 

 金管楽器を擦るような独特な響きを持つ高音を鳴らしながらタイラントは攻撃を繰り返すが、本来の全身凶器としての性能を封じ込められた状態でのそれは身軽なストライダー相手に致命傷とするにはあまりに遅い

しかし、軽さ故に火力の低いストライダーの攻撃も重厚な装甲を有するタイラントには通じない

と、思われていた。

 

「ストライダーアウトフレームカスタム『革命者(レボルシオン)

改造機体なのはこっちも同じだ」

 

 流星を思わせる機動で攻撃を回避し、嘲笑うように続きを誘う

未だ攻撃許可が降りないために反撃こそ最低限だが、このまま続ければ間違いなく削られるのは向こうのほうだ。

 

〈クルセイダーズ現着!総員攻撃を許可する!一斉攻撃でできる限り削るぞ!〉

《了解!》

 

〈ピアッシングパルサー!〉

〈フェザーランダー〉

〈バリアブルパニッシャー!〉

「マウンテンスクレイパー」

 

 武装名をコールし、ロックを解除、発射ボタンに手を掛け、慎重に狙って発射する

翼下収束ビーム砲、小包型爆弾、質量投擲弾、そしてバルカン、4種類の武装がそれぞれ命中する。

 

「ギシュゥェァ!」

 

 だがやはり、超獣に由来する部位をも持つだけあってか通用していない、肩や首など単なるパーツにすぎない程度の認識しかないのだ。

 

「ギシャァァァァッ!」

 

 凄まじいオーラを放ったタイラントが爆炎を振り払い、エネルギー放射で銀嶺庭園のエネルギー減衰を領域全体を無理やり満たす事で中和する。

 

〈これは…パルス逆流!銀嶺庭園がダウンします!〉

「散開!絶対に喰らうな!」

 

 霧島の言葉と共に、支部長たちによる無形の拘束が振り解かれ、タイラントはその巨大な全身を突き進ませる。

 

「まずい……!」

 

 オーラのエネルギー放射は凄まじく、その余波がストライダーを激しく揺らしていた

クルセイダーとは違い、そもそもが速度特化型のストライダーは一度姿勢を崩すと脆いのだ。

 

〈いかん雄介!〉〈俺達でカバーを!〉

 

 安定を失ったストライダーが揺らぐなか、いち早くそれに気づいた弘原海と竜弥

近い場所にいた竜弥機が大きく動いてタイラントの気を逸らし、囮となって時間を稼ぐ。

 

「ギィォウァァアッ!」

 

 射出された鎌がクルセイダーに迫り、狙われた竜弥が身を躱すが、有線兵器はワイヤーそのものを利用することが出来る

射出状態のままで振り下ろされた腕に追従した鎌が地面に突き刺さり、その中間に張られたワイヤーが真上からクルセイダーを押しつぶそうとする。

 

「ぐっ!」

「ヤベッ!」

 

 その瞬間、突如として赤い奔流が空からワイヤーを貫き、そのまま消失させる

これまで沈黙を貫いていた霧島隊員が伏兵としてワイヤーを狙撃したのだ

全身に凄まじい強度を持つタイラントとは言え流石に射出兵装の、その打突部ですらないワイヤーにまではアステロイドバスター級のビーム兵装に耐え得る強度は無かったようだ。

 

〈反撃っ!〉「「了解ッ!」」

 

 丈治と竜弥のコンビネーションは全組み合わせの中でも最高峰、即座に意思疎通を終えた2人は退却ではなく突撃を選び、そのまま武装を起動する。

 

「徹甲爆弾」「行くぞ!」

 

 2人が積んできた爆弾は普遍的な一般爆弾ではなく、装甲の貫徹力に優れた徹甲型、それを急降下とともに顔面に叩きつける

合わせて駒門と弘原海も急加速し、左上からバルカンでの牽制と共にミサイルを叩き込む。

 

〈椎名君、カバーに入ってください!〉

「了解!」

 

 徹の呼びかけと共に雄介も突撃し、味方機の交錯のための一瞬を稼ぎだそうとする

しかし、相手は並大抵のそれではない。

 

「ギシャァァァァッ!」

 

 キングクラブの尾が独立した生物のようにうねり、クルセイダーを叩き落とそうとする

咄嗟に右へ翼を捩って回避した駒門だが、左側面から正面へずれ込んだことで、タイラントの中でも最も特殊な武器の使用を許すことになってしまう。

 

吸収能力(ドレイン)

 

 今、死神が大口を開けた。

今後の作品展開の方針は?

  • ニュージェネ系統
  • 昭和兄弟系統
  • ンネェクサァス(ねっとり)
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