「ガァァアアッ!」
一度は閃光に退けられた邪神領域が再びの戦哮に湧き上がり、空が闇に覆われる
血色の雨雲が空を満たし、空と海が一つに繋がる。
「ジュァッ!」
鋼鉄の拳と光の剣、共に必殺のそれを振るいながらも、徐々にザインは追い込まれていく
力を消耗し、ダメージを負い
なおも立ち上がって再び輝く剣を振るう
戦いの中でコダラーの動きを学習し、その能力を理解してゆく
しかし、ウルトラマンに対しては絶対的な不利要素である時間が迫り、邪神領域による光の減衰がそれに拍車をかける。
「グッ!……ダァッ!」
触手が、怪魚が、ザインを捕え
そこにコダラーの拳が叩き込まれる。
「グァァァアッ!」
ビルを潰しながら倒れ込み、そのまま身体の光子結束が維持できなくなって粒子崩壊する寸前の状態にまで追い込まれながら、ザインはなおも立ち上がる
いまここで倒れるわけにはいかないのだ。
もはや光の剣さえ維持できないほどの状態になり、白熱しない銀色のスラッガーを握り
襲いかかってくる触手を斬りつけるザイン、しかし一歩進む度にスペシウム光の残滓が体から溢れ落ち、金のエネルギーが無為に散っていく
もはや動くことさえままならないのだ。
〈全員に通達!ローマ支部のエクスカリバー・ヴァルゴが起動する!総員撤退しろ!〉
駒門・弘原海の機体から支部長の声が聞こえる、拡声器による広域宣言だ。
〈ウルトラマン!一度下がるわよ!〉
背後にまわっていたスコーピオンから電磁ワイヤーが投下され、それによって引きずられる形で後方へそのまま移動していくザイン
その直後、天から降り注いだ一条の光芒がコダラーの胴を撃ち抜く
エクスカリバー・サジタリアスの一撃が闇によって作られた邪神領域すらも貫き穿ったのだ
そして天の彼方から陽光が降り注ぐ。
「……ジャッ!」
ウルトラ念力がわずかに光を収束させ、巨大な領域のなかのごくわずかな場所に注ぐ陽光を手繰り寄せる
光とは決してなくなる物ではない、ただ見えず、届かなくなる物なのだ
この空を覆う暗雲もまた、光を拡散させ、通さぬようにしているに過ぎない
ならば、ごくわずかな場所にのみ穴が空いた時、光はどうなるか
そう、その穴に皆降り注ぐのだ。
「デァァッ!」
膨大な領域全てに注ぐ陽光を一身に受けて、強引に力を取り戻したザインは再びスラッガーに光を宿す
電磁ワイヤーをすり抜けたザインはそのまま突撃して、コダラーを抑え込み
そして周囲に光の壁が顕現する
ローマ支部のエクスカリバー、黄道の第六宮、
高次元絶対防御壁イージス、アテナの盾の名を冠する防御領域が邪神のそれを遮断し、同時にあらゆる干渉を無に帰した。
(「命を賭けろ、
2人ともに精神を統一し、一つの構えを取る
今までの左腕を軸に据えて防御、右腕を砲にして攻撃に使う基礎の構えではなく、むしろその逆
この技には左腕に、いや左半身に存在するある機能こそ必要なのだ
それは自己修復機能、ウルトラマンとして半端者であるザインがウルトラマンとして成立するために必要としたそれは機械化された半身に搭載されたスペシウムスタピライザーと共に存在する安全装置
電気という不安定極まるエネルギーの性質に振り回されて常に自壊していく肉体を引き留め、内向きの念力によって結束するその状態を維持するために機能する装置だが、一時的に念力と装置の二重結束を解除して全エネルギーを外界へ解放し、自己修復機能を全開にすることによって自身を修復する自爆技。
「燃やせ、全てを!」
光の壁に包まれた領域の全てを消滅させるほどの一撃、50メートル級巨大生物の肉体全てを構成する物質の完全変換により、質量の100%の光子放射が放たれる
一握の砂よりもわずかな質量の転換であっても一都市を消し飛ばし得るそれを超人のスケールで行えば、惑星単位での破壊が吹き荒れる
だが、この邪神領域は光を減衰する領域、そしてその外縁に張られたバリアは上位6次元までの干渉を完全遮断する高次元バリア
一瞬で消し飛ばせば、バリアが崩壊するまでにエネルギー放射は終了する。
爆散する、全身全てが、そして修復される、自己修復装置ウルトラリストレイターによる復活だ
街一つを自ら焼き尽くし、戦士は神殺しの代償を支払った。
今後の作品展開の方針は?
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ニュージェネ系統
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昭和兄弟系統
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ンネェクサァス(ねっとり)